ゲーム開発で支援額2,000万円超え!CAMPFIRのクラファン事例10選

新規事業の資金調達や製品開発の手段として、クラウドファンディングを活用する経営者が増えています。

実際に、1億円以上の支援を集めたプロジェクトも存在し、特にゲームジャンルでは、1,000万円以上の資金を獲得した事例も少なくありません。

国内にはMakuakeやREADYFORなど、さまざまなクラウドファンディングプラットフォームがありますが、CAMPFIREはゲーム分野における成功事例が特に豊富です。中には、2,000万円を超える支援を集めたプロジェクトもあり、大きな注目を集めています。

本記事では、そうした高額支援を実現した成功事例を紹介しながら、「なぜ多くの支援を集めることができたのか」「支援されるプロジェクトをどう企画すればよいのか」を、初心者にも分かりやすく解説していきます。

目次

2,000万円以上のゲームクラファン事例10選

CAMPFIREで2,000万円以上の支援を集めたゲーム系クラウドファンディングの成功事例を10件紹介します。

支援額や支援者数、リターン内容などのポイントから、それぞれのプロジェクトがどのように支援を集めたのかをひも解いていきます。

プロジェクト1 政剣マニフェスティア

プロジェクト名

「政剣マニフェスティア」をSTEAMでリリースしたい

支援額26,900,000円
支援者数1,602人
URL
プロジェクトの特徴
概要

『政剣マニフェスティア』は、DMMGAMESにて2016年から2020年まで配信されていた、美少女×政治×リアルタイムストラテジー(RTS)という独特な世界観を持つブラウザゲーム。プレイヤーが「総理」となり、政治家をモチーフにした美少女キャラクター「政霊」たちを率いて、敵勢力「ヤトー」と戦う「戦挙」を繰り広げるのが特徴です。

2020年7月10日にサービスが終了した本作ですが、ダウンロード版としてプレイを望むファンの声を受け、同日21時からCAMPFIREでクラウドファンディングがスタートしました。

リターン

支援者には金額に応じて様々な特典が用意されました。5,000円以上の支援者にはSteam版のダウンロードキーが提供され、より高額の支援では、サントラCDやキャラクター資料集などの特典も含まれていました。

  • Steam版のダウンロードキー(5,000円以上)
  • サウンドトラックCD(25曲収録)
  • キャラクター資料集の製本版
  • キャラクターボイスの実装(ストレッチゴール)
  • オリジナルイラストポストカード など

ストレッチゴールの達成により、コンテンツが大幅に拡充され、Steam版には新規ボイスや追加BGM、豪華資料集が盛り込まれました。

プロジェクト後の展開

わずか2時間で目標の1,000万円を達成、最終的には約2,700万円を集めてSteam版開発が決定。買い切り型のオフラインゲームとして、2021年5月18日に正式リリースされました。

2021年5月18日に「政剣マニフェスティア」はSteamで買い切り型のオフラインゲームとしてリリースされました。オンライン要素を廃止し、DMM版にはなかったボイスの実装やキャラクター資料集などの新コンテンツが追加されています。

配信元のテクノードが一時解散したため購入停止期間がありましたが、2022年5月20日に配信が再開されました。Steamでのユーザー評価は「非常に好評」を獲得しています。

プロジェクト2 シロナガス島への帰還

プロジェクト名

アドベンチャーゲーム『シロナガス島への帰還』声優ボイス付きのゲームを届けたい!

支援額26,474,671円
支援者数2,505人
URL
プロジェクトの特徴
概要

『シロナガス島への帰還』は、絶海の孤島を舞台としたミステリーアドベンチャーゲーム。探偵・池田戦と、特殊能力を持つ少女・出雲崎ねね子が「シロナガス島」で起きる連続殺人事件の謎に挑みます。

本作はインディー開発者・鬼虫兵庫氏が個人で制作し、Steamなどで7万本以上を売り上げたヒット作。今回のクラウドファンディングでは、Nintendo Switchへの移植とフルボイス化を実現することを目的とし、2021年にCAMPFIREで実施されました。

リターン

支援額に応じて、以下のような多彩なリターンが用意されました。

  • ゲームダウンロード版(Switch/PC)
  • フルボイス対応版のサウンドトラックCD
  • キャラクター設定集・限定漫画冊子
  • パッケージ版ゲーム(限定BOX仕様含む)
  • イメージソングCD(いとうかなこ「リバイバル・コード」など)
  • ドラマCD(ストレッチゴール達成による全員配布)

また、エンディングテーマには『シュタインズ・ゲート』などで知られるいとうかなこ氏の新曲が起用され、話題を呼びました。

プロジェクト後の展開

当初目標は200万円でしたが、目標達成率は1323%、最終的に約2,647万円の支援を獲得。支援者の後押しにより、豪華声優陣の起用、ドラマCD制作、限定パッケージ版の制作など、複数の追加要素が実現しました。

Nintendo Switch版『シロナガス島への帰還』は2022年11月17日に発売され、PC版もボイス付きにアップデートされました。

多言語対応(日本語、英語、中国語簡体字、韓国語、スペイン語など)も実現し、より多くのプレイヤーに遊んでもらえる環境が整備されました。さらに、本作の続編となる『遥かなる円形世界』の制作も行われ(体験版ダウンロードが可能/途中まで版がコミックマーケットC105で頒布されました)、今後の展開にも注目が集まっています。

このプロジェクトは、個人開発のインディーゲームに豪華声優陣を起用するという野心的な試みが、多くのファンの支持を得て大きな成功を収めた事例といえます。

プロジェクト3 ピギーワン SUPER SPARK

プロジェクト名

ゲーム『ピギーワン SUPER SPARK』はなぶし×hako 生活で作るゾ!

支援額26,278,871円
支援者数3,316人
URL
プロジェクトの特徴
概要

『ピギーワン SUPER SPARK』は、アニメーター「はなぶし」氏が2019年に発行したイラスト集『ピギーワン』を原作とした横スクロール2Dドットアクションゲームです。

猫耳の「シャミィ」と四本腕の「ユエズ」が主人公となり、「ちいこいイキモノ」(謎の赤ちゃん)と出会い、赤ちゃんを親の元へと帰す冒険を描いています。

プロジェクトは製作総監督のはなぶし氏(シナリオ・キャラクターデザイン・ドット絵担当)と、開発リーダーのhako 生活氏(『アンリアルライフ』開発者)という日本インディーゲーム界で活躍する二人が中心となって進められています。

レトロな雰囲気を残しつつ最新技術を活用した美しいドット絵や、電気や磁力を活用した多数のギミックを解きながら進む壮大なSFファンタジー世界が特徴です。

リターン

支援額に応じて、以下のような豪華なリターンが用意されました。

  • 限定ネオンカードや設定資料集(物理&PDF)
  • 初代『ピギーワン』ラフスケッチ画集
  • 限定缶バッジ、ラバーキーホルダーなどのグッズセット
  • イメージボード複製原画(額装)
  • ゲーム内に支援者名が登場する権利
  • はなぶし氏による描き下ろし直筆色紙
  • 150万円の「きらきらネオンコース」など

当初のリターンは好評で品切れとなったものもあり、プロジェクト実施中に追加リターンが発表されました。

プロジェクト後の展開

このプロジェクトは開始直後から大きな反響を呼び、わずか2時間で目標達成。支援総額が1,500万円を突破した際には、新たなリターン品が追加募集されるなど、プロジェクト期間中も順調に支援を集めました。

また、開発途中の試遊版が配布されたり、展示イベントでも公開されたりするなど、進捗報告も積極的に行われました。

このプロジェクトはCAMPFIREの2023年・みんなの夢アワードにもノミネートされています。

当初は2023年のリリースを目指していましたが、開発資金が大幅に集まったことで規模を縮小せず「大作ゲーム」として制作が進行しています。現在のSteamストアページでは2025年発売予定となっています。

2024年5月25日には新しいトレイラーがINDIE Live Expoで公開され、Steamストアページも公開されました。また、2024年のデモ版や試遊版も公開されており、メディアでのプレイレポートでは操作性の良さや美しいビジュアル、個性的なキャラクターなどが絶賛されています。

2024年12月から2025年1月にかけては、はなぶし氏の個展・ブレインマシーン04でも本作の試遊機が設置され、特別仕様で展示されました。

プロジェクト4 solfa15周年記念・コンプリートCDBOX&記念ライブ

プロジェクト名

solfa15周年記念!「コンプリートCDBOX」&記念ライブ開催プロジェクト

支援額23,587,861円
支援者数987人
URL
プロジェクトの特徴
概要

ゲーム音楽を中心に制作しているプロジェクトチーム・solfaの設立15周年を記念するプロジェクトです。「人の心に届く音楽」をテーマに活動してきたsolfaが、15年分の想いと集大成を表現するために、2021年10月15日から11月30日までの期間で実施されました。

プロジェクトの主な目的は、solfa15周年記念「プレミアムミュージックBOX」(4枚組CDボックスセット)の制作、15周年記念ライブ「sol-fes’ パンダ祭り15周年! 〜GO BEYOND, with solfa.〜」の開催、そして記念グッズの制作でした。

当初の目標金額800万円に対して、最終的に約2,360万円(目標達成率約295%)もの支援が集まりました。

リターン

支援者には豪華な特典が提供されました。

  • 15周年プレミアムミュージックBOX
  • CF限定アクリルスタンド
  • 繋がるキーホルダー
  • SDキャラTシャツ
  • B2タペストリー
  • 推しの声優・ボーカルによるお名前呼びボイス
  • 楽曲歌唱権(支援者の選曲を参加アーティストが歌唱)
  • 支援者のためだけのオリジナル曲制作&CD-R納品
  • 2022年4〜6月に青山RizMで開催されたライブの参加券&配信視聴権

プロジェクト期間中には、新たにボーカリストのDucaさんの参加が決定する、丹下ゲンタ先生によるジャケットイラストが公開されるなど、ファンの期待を高める情報が随時発表されました。好評で品切れとなったものもあり、プロジェクト実施中に追加リターンが発表されました。

プロジェクト後の展開

当初の目標金額800万円に対して、最終的に約2,360万円(目標達成率約295%)もの支援が集まりました。

2022年には予定通り記念ライブが3回にわたって開催され、多数の人気ボーカリストと声優が出演しました。

限定CDやグッズはファンの間で希少品として価値の高いアイテムとなり、solfaは本プロジェクトを契機に次の活動期へのステップとして、20周年に向けた取り組みへの意欲を示しています。

このプロジェクトは、15年に渡るsolfaの活動の集大成として、ファンと共に節目を祝う形で大成功を収めました。

プロジェクト5 ガラージュ:完全版 for Mobile

プロジェクト名

『ガラージュ:完全版 for Mobile』制作プロジェクト

支援額22,885,922円
支援者数2,395人
URL
プロジェクトの特徴
概要

『ガラージュ:完全版 for Mobile』は、1999年に東芝EMIから発売されたPC用アドベンチャーゲーム『ガラージュ』をスマートフォン向けにリメイクするプロジェクトです。「ガラージュ」と呼ばれる精神治療装置にかけられた主人公が奇怪な精神世界に放り込まれ、そこからの脱出を目指すという独特の世界観を持つゲームです。

原作は東芝EMIがゲームソフト事業から撤退したことにより「幻のゲーム」となり、中古市場では数十万円という高値で取引されるほど希少なタイトルでした。

このプロジェクトでは、開発元キノトロープから再販許可を得て、SmokymonkeyS社が開発を担当し、オリジナル版の製作者である作場知生氏の監修のもと、現代のプラットフォームで多くの人がプレイできるよう再構築が進められました。

リターン

支援者には以下のような豪華なリターンが提供されました。

  • スマホ用壁紙
  • デジタル設定画集(300点以上)
  • 支援者クレジット表記
  • ポストカード12種セット
  • A3ポスター
  • 設定資料プリントシート
  • シールセット
  • 世界観を反映したTシャツ(複数デザイン)
  • 『ガラージュ私家版』(オリジナル版ディスク入り/限定45名)

※ゲーム本体はリターンに含まれておらず、各ストアにて買い切りで販売

プロジェクト期間中には開発の進捗状況やゲームシステムの詳細についての解説、リターングッズのデザイン公開、サウンドトラックのリリース計画など、様々な情報が支援者に共有されました。

プロジェクト後の展開

プロジェクトは開始直後から目標金額を大幅に超え、ストレッチゴールが次々と達成されました。特に500万円のストレッチゴールが達成されたことで、必然的に有り得た結末を描くアナザーエンディングの追加が決定しました。

プロジェクトの結果、『ガラージュ:完全版』はiOS/Android、Steam版、Nintendo Switch版が順次リリースされました。

また、『ガラージュ オリジナルサウンドトラック』(36曲収録)も配信が開始され、各プラットフォームの特性に合わせた最適化も行われました。例えばSteam版では規制なしのコンテンツ、高画質・高音質、マウスとゲームパッド操作対応、セーブスロット5個などの特徴があります。

プロジェクト6 ディスクロニア

プロジェクト名

VR時代到来の鐘を打ち鳴らすゲーム「ディスクロニア」制作プロジェクト始動!

支援額21,782,100円
支援者数1,542人
URL
プロジェクトの特徴
概要

『DYSCHRONIA: Chronos Alternate(ディスクロニア:CA)』は、MyDearestとイザナギゲームズが手がけるクロノスユニバース第3作目。

舞台は犯罪発生率0.001%の海上都市・アストラム・クローズ。都市の創設者アルバート博士が殺害されるという起こるはずのない事件が発生し、特別監察官のハル・サイオンが左手に宿る「隠された過去」を暴く能力を使って真実に迫る捜査×アクション×サスペンスをテーマにしたゲームです。

本プロジェクトの特徴として、VR版(Meta Quest 2対応)とNintendo Switch版(Non-VR)の両プラットフォームで展開し、VR市場の拡大を促進するための象徴的なゲームを目指しました。VR版は3部作構成、Switch版はフルエピソードとしてリリースする計画でした。

リターン

支援者向けに以下のようなユニークなリターンが提供されました。

  • ゲーム内エンドクレジットに名前を掲載
  • 作中キャラのモブ台詞出演権
  • 特製グッズ(Tシャツ、限定アクリルスタンド、ピンズなど)
  • 高額支援者向け:UI画面への名前記載、ロゴのゲーム内掲載などクリエイティブ参加型特典
プロジェクト後の展開

本プロジェクトはスタート直後からの勢いが凄まじく、開始からわずか4分で目標金額400万円を達成しました。その後もストレッチゴールを次々と達成し、最終的に目標の約5.4倍となる支援を集めました。

プロジェクト期間中には「DYSCHRONIA:7DAYS プロジェクト」が並行して実施され、LAM氏によるキャラクターデザインや千葉翔也、和氣あず未、上村祐翔などの豪華声優陣の発表が行われました。また、シリーズテーマソングを星街すいせい(ホロライブ)が、エピソードテーマソングをYuNiが担当することも発表され、プロジェクトへの期待を高めました。

クラウドファンディング終了後、Meta Quest 2版・Nintendo Switch版が発売されました。Switch版はVR版の全3エピソードとSwitch限定シナリオを収録した完全版として販売されています。

また、2024年には「デュアルエディション」としてSteam版も発売され、VRとNon-VR両方でプレイ可能となりました。

プロジェクト7 SUNSOFT復活プロジェクト

プロジェクト名

SUNSOFT復活プロジェクト!80年代タイトル3本を復活したい!!

支援額21,250,799円
支援者数2,023人
URL
プロジェクトの特徴
概要

「SUNSOFT復活プロジェクト!80年代タイトル3本を復活したい!!」は、長年低迷していたゲームメーカー「サンソフト」が「SUNSOFT is Back!」として復活を宣言し、1980年代に発売されたファミコンタイトル3本を現行機で復活させることを目的としたプロジェクトです。

復刻対象となったのは以下の3作品

  • かんしゃく玉なげカン太郎の東海道五十三次(1986年)
  • マドゥーラの翼(1986年)
  • リップルアイランド(1988年)

海外役員から「過去の財産に目を向けるべき」との指摘を受けたことがきっかけで、サンソフト復活への動きが始まりました。このクラウドファンディングは、その象徴的な第一歩として実施されました。

リターン

支援額に応じて以下のようなリターンが提供されました:

  • Nintendo Switch/Steam用ゲームダウンロードコード
  • オリジナルTシャツ、クリアファイル、ステッカー、トートバッグ
  • サウンドトラック(デジタル&アナログレコード)
  • ファミコンカセット復刻版(白〜金)
  • キャンバスアートや複製サイン色紙
  • SUNSOFTファンブック
  • 会社見学や座談会などの特別体験型リターン
  • ゲーム内クレジットへの名前掲載
プロジェクト後の展開

プロジェクトは開始後すぐに話題となり、SNSで「サンソフト復活」がトレンド入りするなど、多くのレトロゲームファンから注目を集めました。初期目標の600万円を早期に達成し、その後設定された様々なネクストゴール(カセットモデルビュー機能追加、金カセット制作など)も次々と達成されました。

クラウドファンディング成功後、サンソフトはゲーム開発を進め、2024年4月18日に「SUNSOFT is Back! レトロゲームセレクション」をNintendo SwitchとSteam向けにリリースしました。また、PlayStation 5およびXbox Series X|S向けに2024年9月6日にダウンロード版が発売されました。

過去に日本国内でのみ発売されていたタイトルが、海外向けにローカライズされた事例の1つともいえます。

プロジェクト8 ウィッチアンドリリィズ

プロジェクト名

【百合×ダンジョンRPG】「ウィッチアンドリリィズ」Steam版開発プロジェクト

支援額21,068,690円
支援者数2,417人
URL
プロジェクトの特徴
概要

「ウィッチアンドリリィズ」は、「百合」(女の子同士の絆)をテーマとした本格的3DダンジョンRPGです。

プレイヤーは8種類以上のジョブから構成される5人パーティを率いて、世界を創った魔女の謎を解き明かすべくダンジョン探索を行います。クラシックなダンジョンRPGのゲームシステムを採用しながらも、女の子同士の絆をゲームのメインシステムに据えた、百合愛好家のためのRPGとして開発されました。

本プロジェクトはストロマトソフトが実施し、シナリオを祁答院慎氏(「コープスパーティー」「Death end re;Quest」シリーズ)、キャラクターデザインをmagodesu氏(「宇宙パトロールルル子」など)、モンスターデザインを皆川亮二氏(「スプリガン」「ARMS」など)、企画協力を山岸功典氏(「スターオーシャン」「ヴァルキリープロファイル」シリーズ)が担当するなど、実力派クリエイターが集結した作品です。まりました。このクラウドファンディングは、その象徴的な第一歩として実施されました。

リターン

クラウドファンディングでは様々なリターンが用意されました。

  • デジタルアートブック&サウンドトラック
  • キャラクターグッズ(アクリルキーホルダー、Tシャツ、フィギュア)
  • ゲーム内キャラクター登場権(酒場の依頼人、街の領主など)
  • スタッフロールへの名前掲載
  • 限定ジュエリー、特製キャンバスアートなどの豪華アイテム

プロジェクト中には段階的なネクストゴール(ジョブイラストパターン追加、新ジョブ追加、キャラクターボイス追加など)が設定され、盛り上がりを見せました。

また、プロジェクト期間中には公式Twitter漫画の連載が開始され、シナリオライター祁答院慎氏(原作)とキャラクターデザインのmagodesu氏(作画)による4コマ漫画で、プレイヤーの相棒となる妖精「トリム」がゲームの内容を説明するコンテンツが提供されました。

プロジェクト後の展開

本プロジェクトは開始からわずか12時間で目標金額300万円の300%を達成するという驚異的なスタートを切りました。さらに1週間で目標の500%を突破し、最終的には目標金額の2100%以上(21,068,690円)を調達する大成功を収めました。

開発は順調に進み、2023年9月には東京ゲームショウ2023にプレイアブル出展を行い、ダンジョン部分のみの体験デモを公開しました。当初2024年初頭に予定されていたリリースはやや遅れましたが、2024年5月23日/24日にSteamでアーリーアクセス版がリリースされました。

アーリーアクセス期間は約1年間を予定しており、この間にゲームバランス調整、不具合改善、操作・UIの快適性向上、モンスター追加、装備・アイテム追加、戦闘演出強化などのアップデートが継続的に行われる予定です。

プロジェクト9 アルトデウスBC

プロジェクト名

PS4/Switch『シビトマギレ(仮)』心霊ホラーADV 開発プロジェクト

支援額20,283,860円
支援者数1,650人
URL
プロジェクトの特徴
概要

「ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンドクロノス)」は、MyDearestが開発したVRインタラクティブストーリーアクションゲームです。前作「東京クロノス」の成功を受け、日本国内でVRムーブメントを巻き起こし、世界的にヒットするVRゲームを制作することを目指したプロジェクトでした。

舞台は2280年、巨大生命体「メテオラ」によって地表が破壊された未来世界。人類最後の砦となった地下都市「恒星」で、主人公クロエが操縦する人型機甲兵器「ミハトル」で異生物メテオラに立ち向かいながら、親友の死の真相を探るストーリーが展開されます。

選択と決断による物語分岐を特徴とし、プレイヤーの選択によって物語の展開が変化するインタラクティブなゲーム性を持っています。

リターン

クラウドファンディングでは、以下のようなユニークなリターンが提供されました。

  • エンドクレジットへの名前掲載
  • ゲーム内SNS投稿権
  • ガヤ(背景ボイス)出演権
  • 渋谷の看板に支援者ロゴ掲載
  • 赤または青の限定グッズ(Tシャツ、缶バッジなど)選択
  • キャンバスポップアート
  • 収録台本
  • 限定厚手Tシャツなど

期間中には様々なイベントが開催されました。

  • 声優・奥野香耶が出演するオンライン納涼祭レイヤーの相棒となる妖精「トリム」がゲームの内容を説明するコンテンツが提供されました。
  • 「制作共犯者ミーティング」が行われ、劇中歌『Sunlight』が披露
  • 主演声優・鬼頭明里によるラジオ企画「インタラクティブストーリーズ」が実施
  • オンラインイベント「戦略共犯者ミーティング」が開催
プロジェクト後の展開

クラウドファンディングは2020年7月29日から8月30日まで実施され、開始から驚異的な早さで目標金額を達成し、最終的に目標額の811%の支援金を獲得しました。

Oculus Quest版は2020年12月にリリースされ、その後SteamVRやPSVR、Oculus Rift版も展開されました。さらに、VRヘッドセットを持たないユーザー向けにスマートフォン版やNintendo Switch版も開発されました。

「ALTDEUS: Beyond Chronos」は日本発のVRゲームとして国内外で高い評価を受け、Oculus StoreのVRゲームで初めて4週連続1位を獲得するなど、商業的にも成功を収めました。

また、このゲームの成功により「クロノスシリーズ」全体が拡大し、「東京クロノス」とセットになったツインパックがNintendo Switch向けに発売されるなど、新たな市場展開が実現しました。

スピンオフ作品として『ゆるっとChronos』という4コマ漫画や、『Project コーコ』というオーディオドラマも制作され、作品の世界観がさらに広がっています。

プロジェクト10 グレゴリーホラーショー

プロジェクト名

「グレゴリーホラーショー」のキャラと世界観でアクションRPGゲームを作る!

支援額 20,163,000円
支援者数662人
URL
プロジェクトの特徴
概要

本プロジェクトは、1999年から放送されたホラーコメディアニメ『グレゴリーホラーショー』のキャラクターと世界観を用いたアクションRPGを制作するために立ち上げられました。

開発を手がけるのは、過去にも『グレゴリーホラーショー ロストクオリア』を手がけた株式会社Unframe。アニメの独特な“キューブ型”キャラたちを活かした2Dプラットフォーム型ローグライトゲームを目指し、2023年5月19日〜6月30日にCAMPFIRE上でクラウドファンディングが行われました。

ゲームは当初「グレゴリーホラーショー ソウルズインチェインド(仮)」というタイトルで開発が進められ、のちに「ソウルオブローゼス」と改称されました。プレイヤーは異次元のホテル「グレゴリーハウス」に囚われた主人公として、宿泊客の魂を解放しながら脱出を目指します。キャラクターの個性が反映された部屋でバトルを行い、テンポの良い爽快な戦闘が特徴となっています。

リターン

支援金額に応じて、以下のような特典が提供されました。

  • ゲームキー(Steam用)
  • エンドクレジットへの名前掲載
  • オリジナルグッズ(アクリルキーホルダー、設定資料集、Tシャツなど)
  • ゲーム内登場権(支援者キャラをNPCなどで登場させる)
  • オープニングアニメ制作協力権
  • 特別フィギュア(高額支援者向け)

順調に支援を集めたことに伴い、ネクストゴールが設定されました。

  • キャラクター図鑑の実装
  • 新ステージの追加
  • オープニングアニメ(最大1分)の制作決定
  • 設定資料集の制作&配布
  • 3DCG新作アニメ映像の試作
プロジェクト後の展開

プロジェクト開始から約1ヶ月で目標支援金の4倍を獲得し、すべてのネクストゴールが達成される大成功を収めました。

プロジェクト成功後、開発元は多言語対応のための追加クラウドファンディングをKickstarterでも実施し、英語と簡体字中国語への対応を実現しました。また、アーリーアクセス版の配信開始後も、正式版リリースに向けて開発が継続しています。

正式版では、メインストーリーの最終章や新ステージ、ボスの追加、より高難易度のモードの実装、UIやバックグラウンド、エフェクトなどの改善が予定されており、早期アクセス期間中も定期的なアップデートで新コンテンツが追加される予定です。

なぜ支援を集めることができたのか

これらの成功プロジェクトを分析すると、支援を多く集めるための共通ポイントが見えてきます。初めてクラウドファンディングに挑戦する方も、これらの要素を参考にすることで成功確率を高めることができるでしょう。

既存ファンベースの活用と市場ニーズの把握

多くのプロジェクトは終了した人気タイトルの復活や熱狂的なジャンル(百合・ドット絵・レトロゲーム)など、ファンベースの存在を活かしています

ファンベースを活かした事例

『政剣マニフェスティア』
サービス終了が決まったゲームのファンコミュニティがすでに存在し、事前アンケートで約5,000人以上が「遊びたい」と回答している。

『シロナガス島への帰還』
PC版で7万本以上の売上実績があり、移植とボイス追加という明確なニーズがありました。

『グレゴリーホラーショー』
20年以上前のアニメながら、根強いファン層が存在していた。

新規の企画でも、市場調査やニーズ分析をしっかり行い、ターゲットとなる支援者層を明確にすることが重要です。ウィッチアンドリリィズのように、ニッチだが熱量の高い市場をターゲットにするのも一つの戦略といえるでしょう。

明確な目標設定とストーリー性

支援者の心を掴むには、単なる商品開発ではなく、共感できるストーリーが必要です。

共感を生むストーリー事例

『SUNSOFT復活プロジェクト』
かつて活躍したゲームメーカーの復活という物語性があります。

『アルトデウスBC』
日本からVRムーブメントを起こすという大きなビジョンがあります。

『ガラージュ』
幻のゲームを現代に蘇らせるという挑戦を表明しました。

どのプロジェクトも達成したい目標が明確で、その実現のために必要な資金額が具体的に示されています

政剣マニフェスティアでは目標額の1,000万円をSteam版開発費用として明示し、追加の500万円でキャラクターボイスの実装といった形で資金の使途が明確でした。

充実したリターン設計とインセンティブ構造

支援者に魅力的なリターンを提供することは、クラウドファンディング成功の鍵です。

充実したリターン事例

『solfa15周年』
solfa15周年プロジェクトでは300円の応援コースから150万円の豪華特典まで多様な支援プランを用意しました。

『ピギーワン』
ピギーワンのCF限定ネオンカードやシロナガス島の限定パッケージなど、クラウドファンディングでしか手に入らない特典が用意されています。

『ディスクロニア』
ディスクロニアのゲーム内ボイス参加権やグレゴリーホラーショーのゲーム内キャラクター登場権など、参加感のある特典が用意されています。

多くのプロジェクトでネクストゴール(ストレッチゴール)を設定し、支援額に応じてコンテンツが充実していく仕組みを取り入れていました。これにより、支援者にもっと応援したいという気持ちを促し、プロジェクト全体の盛り上がりにつながっています。

支援者の継続的な注目を集める手法である、ネクストゴールの設定方法はこちらの記事で解説しています。

著名クリエイターとの協業

成功事例の多くは、業界で知名度のあるクリエイターが参加していることも特徴です。

有名クリエイターが参加した事例

『ウィッチアンドリリィズ』
祁答院慎氏(「コープスパーティー」シリーズ)、magodesu氏(「宇宙パトロールルル子」)、皆川亮二氏(「スプリガン」)などが参加しました。

『ピギーワン』
アニメーター・はなぶし氏とhako 生活氏という実力派クリエイターのコラボレーションが特徴的です。

『シロナガス島』
いとうかなこ氏によるテーマソング制作や井口裕香氏など豪華声優陣を起用しました。

著名クリエイターの参加は、プロジェクトの信頼性を高めるだけでなく、彼らのファン層を取り込むことにもつながります。

自社のプロジェクトに専門家やインフルエンサーとのコラボレーションを検討することも、支援拡大の戦略として有効でしょう。

魅力的なプロジェクトを作る方法

クラウドファンディングで多くの支援を得るためには、以下の要素を組み合わせてプロジェクトを構築することが重要です。それぞれのポイントを具体例とともに解説します。

段階的な目標設定とコミュニティ育成

成功プロジェクトの多くは、最初から高い目標を掲げるのではなく、達成可能な目標から始め、段階的に拡大していくアプローチを取っています。

段階的な目標設定事例

『政剣マニフェスティア』
基本目標の1,000万円達成後、1,300万円でボイス実装、1,500万円で資料集製本化など段階的に目標を設定しました。

『ウィッチアンドリリィズ』
750万円でジョブイラスト追加、1000万円でダンジョン階数追加、1300万円で新ジョブ追加など、明確なステップアップを用意しました。

また、プロジェクト期間中の情報発信やイベント開催は、支援者コミュニティの育成に重要な役割を果たしています。

定期的な広報実施事例

『アルトデウスBC』
制作共犯者ミーティングや声優によるラジオ企画など、支援者参加型のイベントを多数実施しました。

『ディスクロニア』
DYSCHRONIA:7DAYS プロジェクトとして並行イベントを開催し、プロジェクトの盛り上がりを生み出しました。

コミュニティ育成のためには、SNSやニュースレターを活用した定期的な情報発信も効果的です。支援者とのコミュニケーションを大切にし、参加感を高めることで、プロジェクトへの愛着や応援意欲を引き出すことができます。

プロジェクトの差別化要素の明確化

クラウドファンディングでは数多くのプロジェクトの中から支援者の注目を集める必要があります。そのためには、プロジェクトの独自性や差別化要素を明確に打ち出すことが重要です。

明確な差別化事例

『ガラージュ』
「中古市場で数十万円の価値がある幻のゲーム」という希少性をアピールしました。

『ウィッチアンドリリィズ』
「百合×ダンジョンRPG」という明確なコンセプトがあります。

『ピギーワン』
レトロな雰囲気と最新技術を融合した独自のビジュアルスタイルを持っています。

プロジェクト紹介ページでは、文章だけでなく、魅力的な画像や動画を活用して視覚的にアピールすることも効果的です。

ピギーワンのようにゲームプレイのGIFアニメーションを活用したり、シロナガス島のように声優陣のビジュアルを前面に出したりすることで、一目で特徴が伝わるプロジェクトページを作りましょう。

透明性の高いプロジェクト運営

支援者の信頼を得るためには、プロジェクトの進捗や資金の使い道を透明に伝えることが重要です。

明確な説明を行った事例

『ピギーワン』
開発途中の試遊版配布や展示イベントでの公開など、進捗を具体的に示しました。

『SUNSOFT復活』
ネクストゴール達成による追加機能(カセットモデルビュー機能、ギャラリー機能など)の詳細を説明しました。

『ディスクロニア』
開発遅延の際にその理由(「クオリティアップを目的」)を明確に説明しました。

プロジェクト終了後も定期的な進捗報告や支援者向けのアップデートを行うことで、長期的な信頼関係を構築できます。

ウィッチアンドリリィズでは東京ゲームショウでのプレイアブル出展や、アーリーアクセス版のリリースなど、開発の節目ごとに情報を発信していました。

開発進捗の定期報告、資金の用途開示、FAQ対応など、信頼の可視化を目指しましょう。

長期的な価値提供の設計

クラウドファンディングは単なる資金調達の手段ではなく、ファンコミュニティの構築と長期的な関係性を築く機会でもあります。成功事例の多くは、プロジェクト終了後も継続的な価値提供を行っています

継続的な価値提供を行った事例

『シロナガス島』
ボイス付きアップデートだけでなく、続編「遥かなる円形世界」の開発も発表しました。

『アルトデウスBC』
スピンオフ作品や関連コンテンツの展開、シリーズ化しています。

『solfa15周年』
記念ライブの開催、20周年に向けた新たな取り組みを行いました。

支援者からのフィードバックを開発に反映させる姿勢も重要です。ウィッチアンドリリィズではSteam、公式X(旧Twitter)、公式Discordでユーザーからのフィードバックを収集し、開発に反映させる方針を明確にしています。

こうした長期的な視点でのプロジェクト設計は、一過性の支援に終わらない継続的なファン獲得につながります。クラウドファンディングを新規顧客獲得の入口と捉え、その後のビジネス展開も視野に入れたプランニングが重要です。

成功するクラウドファンディングは綿密な計画のもと実行されていることがよくわかります。クラウドファンディングの基本的な流れについてまず知りたい方は、こちらの記事を読んでください。

結論(Conclusion)

2000万円超えのクラウドファンディング成功事例から見えてきたのは、単なる「資金集め」ではなく、ファンとの対話や共創を重視する姿勢の重要性です。

これらのプロジェクトは、明確なコンセプト、充実したリターン設計、透明性の高い運営、そして長期的な関係構築を意識したアプローチによって、多くの支援を集めることに成功しました。

クラウドファンディングを成功させるには、単なる良いアイデアだけでなく、ターゲットの明確化、魅力的なストーリー作り、段階的な目標設定が必要となります。これらのポイントを押さえ、戦略的にプロジェクトを設計することで、あなたのビジネスも新たな展開を見せるでしょう。

もちろん、支援者にとって魅力的なプロジェクトやリターンを用意するためには、緻密な計画と支援者の視点に立った設計が不可欠です。プロジェクトの準備や運営には、多くの専門的な知識が求められることも事実です。

プロジェクトの成功に向けて専門的なアドバイスが必要な方は、ぜひLEAGUEにご相談ください。クラウドファンディングの企画から実施まで、無料でご相談に対応いたします。お気軽にご連絡ください

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