物販やクラウドファンディングに挑む中小企業や個人事業主の皆さん。「すでにAmazonなど国内市場で類似商品があるから、海外メーカーとの交渉は意味がない」と考え、出品を諦めていませんか?
実はそれ、非常にもったいない考え方です。特に、海外メーカーとの商談においては、Amazonに既に出品されている商品があっても交渉を諦めるべきではありません。
本記事では、競合商品がある場合でも海外メーカーとの交渉を続けるべき理由と、その具体的な手法について解説します。競争の中で独自の強みを見つけ、ビジネスを成功させるヒントをお届けします。
類似商品との向き合い方
競合商品が存在する市場では、初心者が「どうせ勝てない」と考えてしまいがちです。しかし、その発想を少し変えるだけで、大きなビジネスチャンスを見つけられる可能性があります。
ここでは、海外クラウドファンディングでの発見から、競合商品がある場合のアプローチ方法までを具体的に解説します。
海外クラウドファンディングの魅力
KickstarterやIndiegogoなどの海外クラウドファンディングサイトでは、日本国内ではまだ見かけない新しい技術やサービスが続々と紹介されています。中には「こんな商品が欲しかった!」と思うような、魅力的な商品が多く見つかります。
物販をこれから始めようと思っている方や個人ビジネスをされている方でも、こうした商品を国内で販売してみたいと感じるのは自然なことです。その新しさと可能性に満ちた商品が、あなたの次のヒット商品になるかもしれません。
よくある誤解「既に売られているから諦める」
魅力的な商品を見つけたとしても、いざ国内市場やAmazonで検索してみると、似たような商品が既に販売されているケースはよくあります。その結果、「自分が扱っても勝てない」と感じてしまうかもしれません。
しかし、この考え方は短絡的です。競合商品が存在するということは、その商品に需要があることを示しています。また、市場には常に改善の余地があり、既存商品との差別化を図ることで、新しい価値を提供することが可能です。競争の激しい市場でこそ、成功のチャンスが広がっています。
なぜ交渉の機会を逃すべきでないのか
海外メーカーとの交渉は、単に商品を仕入れるためだけではありません。それは、独占販売契約を締結したり、他社との差別化を実現するための重要なステップでもあります。競合商品がある市場であっても、新しいアプローチを取り入れることで他社との差をつけることができます。
例えば、商品のデザインや機能を改良したり、独自のパッケージを採用することで、顧客に新しい価値を届けることができます。競争があるからこそ、交渉を通じて市場でのポジションを確立するチャンスが広がるのです。
ライバルと差をつける為の売れる秘訣については、こちらの記事で紹介しています。新しい価値の見つけ方の参考にしてください。
海外企業と交渉すべき3つの理由
国内市場に競合商品があったとしても、交渉を諦めるべきではありません。その背景には、競争が存在するからこそ得られるメリットが数多くあるからです。
ここでは、競合商品があっても海外メーカーとの交渉を続けるべき3つの理由を具体的に解説します。
メーカーとの直接取引がもたらすメリット
海外メーカーと直接取引を行うことで、従来の流通経路では得られない独自の競争優位性を獲得できます。
- コスト面での直接交渉
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- 仕入れ価格の柔軟な調整が可能となります。
- 中間マージンを削減し、原価率を改善できます。
- 大ロット発注により、コストダウンを期待できます。
- 独占的な販売機会
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- 独占的な販売権の交渉をおこなえます。
- 特定地域や特定期間で販売できるなど、特別感をもたせられる。
- 競合他社と差別化できる、独自商品を提供できる。
- コミュニケーションの即時性
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- メーカーと直接コミュニケーションすることで、情報をスムーズ・迅速に交換できる。
- 商品開発背景の深い理解を得られる。
- 技術的な詳細や今後の製品ロードマップを把握できる。
商品の差別化チャンス
たとえ似た商品が市場に出回っていても、機能やデザインをカスタマイズすることで独自性を生み出せます。
- カスタマイズによる差別化
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- 機能の追加や改良
- ターゲット層に特化したデザイン変更
- 特定の市場ニーズに合わせた仕様のカスタマイズ
- 付加価値の提供
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- 独自のサポート体制の構築
- クラウドファンディング限定の特典設計
- きめ細かいアフターサービスの提供
- ブランディングの工夫
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- オリジナルパッケージング
- ストーリー性のある商品展開
- ターゲット層に響くマーケティングアプローチ
長期的なビジネス関係の構築
単発の取引で終わらせるのではなく、戦略的なパートナーシップを目指すことで、長期的なビジネスチャンスを広げられます。
- 信頼関係の構築
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- 継続的で透明性の高いコミュニケーション
- 相互理解と Win-Win の関係構築
- 将来的な事業拡大の可能性
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- 同一メーカーの別商品の優先的な販売権
- 新商品の先行販売や情報収集
- 共同開発や独占販売の可能性
- ビジネスの持続的成長
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- 安定した仕入れルートの確保
- メーカーとの良好な関係による市場競争力の向上
- 将来的な海外展開への基盤づくり
このように、類似商品が存在する市場においても、戦略的なアプローチと創造的な思考により、差別化により魅力的な商品・サービスを作り出すことが可能です。
効果的な海外メーカーとの交渉アプローチ手順
海外メーカーと直接連絡を取るためのアプローチは、メールや電話といった基本的な手段に加え、ZoomやSNSを活用することでさらに効果的になります。ここでは、信頼関係を構築しやすい具体的なアプローチ方法をご紹介します。
オンラインでのアプローチ
メールは最も一般的で基本的なコミュニケーション手段です。初めてのコンタクトには特に適しており、丁寧で簡潔な英語で関心がある方向を伝えましょう。
メールでは、具体的な商品への興味や提案内容を整理して伝えることで、相手に対しても誠実な印象を与えることができます。例文やテンプレートも作成しておくと既存文書を再利用しやすくなります。
WhatsAppやWeChatなど、リアルタイムでやり取りできるチャットツールも近年ではよく使われます。チャットはスピーディーな対応が可能で、時間帯によっては便利なやり取りが可能です。
簡単な質問や確認事項など、メールよりもカジュアルな内容のやり取りに適しています。「私は何を聞きたいか」を明確にして使うと有効です。
電話での直接のやり取りは、気持ちやにくさが伝わりやすく、信頼関係を築く上で効果的です。タイムゾーンや言語の違いに配慮しながら、丁寧な対応を心がけましょう。
特に製品の詳細について確認したい場面などで有効です。
ZoomやGoogle Meetといったビデオ会議ツールは、海外メーカーと直接顔を合わせてコミュニケーションを取る手段として非常に効果的です。
特に、製品の詳細なプレゼンテーションを行う場合や、交渉を進める際に役立ちます。顔を合わせることで相手に安心感を与え、信頼関係を築きやすくなります。
SNSは、カジュアルな接触手段としてだけでなく、プロフェッショナルなネットワーキングツールとしても活用できます。X(旧Twitter)やLinkedInでは、相手企業や担当者の情報を事前に把握し、よりパーソナライズされたメッセージを送ることで成功率が高まります。
- LinkedIn:担当者の経歴や興味分野を確認し、それに関連するメッセージを送る。
- X:企業の投稿や活動にコメントを残すことで関心を示し、自然な形で関係を築く。
オフラインでのアプローチ
国内で開催される展示会では、海外メーカーの日本代理店やバイヤーと直接対話する機会があります。特に初心者の場合、地元の展示会はアクセスがしやすく、初期の人脈構築に最適です。以下のポイントに留意してください。
- 名刺を用意し、自分のビジネスを簡潔に説明できるよう準備する。
- 気になった企業には積極的に質問をすることで、良い印象を残す。
海外の展示会は、実際の製品を手に取って確認し、メーカーの担当者と直接会話する貴重な場です。初期費用はかかるものの、信頼関係を築くには効果的な方法です。具体的なメリットとして、以下が挙げられます。
- その場での契約交渉: 製品に対する質問や条件交渉をリアルタイムで進められる。
- 現地の市場情報を収集: 同業他社の動向を知り、新たなビジネスチャンスを探る。
初心者の方は、海外視察ツアーを利用して展示会に参加するのも一つの方法です。プロのアドバイザーが同行する場合が多く、言語や文化の壁を越えやすくなります。
LEAGUEでは海外展示会でのアテンドサービスを行っています。海外展示会のことが気になる方・参加してみたい方はお問い合わせより連絡ください。
アプローチをしてから後のことは考える
メーカーに連絡を取った後は、適切なフォローアップが重要です。一度で反応が得られない場合も諦めず、以下を試してみましょう。
- 再送メール: 忙しい相手に対して丁寧にフォローアップするメールを送る。
- 別の担当者に連絡する: 反応が得られない場合は、別の担当者を探すか、他の連絡手段を試す。
連絡を入れても、返答があるのは20~30件に1件程度が現実です。しかし、それが成功への第一歩となります。一度連絡が取れたら、以下の手順を進めましょう。
- 製品サンプルを取り寄せ、品質を確認する。
- 小ロットの発注を行い、実際に販売してみる。
- 実績を基に、さらに大きな取引につなげる。
こうしたステップを踏むことで、初心者でも無理なくビジネスを拡大することができます。
よくある課題と解決策
実際に海外企業とアプローチを取ってみると、さまざまな問題に直面することがあります。ここでは、海外企業との交渉でよく起きる課題について解説します。
言語の壁への対処
言語の壁がある場合は、専門の翻訳ツールやサービスを活用しましょう。Google翻訳などの無料ツールを日常のやり取りに取り入れるだけでも、基本的な意思疎通が可能になります。
また、より専門的な内容や重要な交渉時には、海外取引に詳しいプロに相談するのも一つの方法です(LEAGUEでも対応可能です)。さらに、コミュニケーションを円滑にするために、簡潔で明確な文章を心がけることも大切です。
価格交渉での注意点
価格を一方的に下げる交渉は信頼を損なう可能性があります。代わりに、価格の引き下げに見合った具体的な理由(例:大量発注、継続的な取引予定など)を提示しましょう。
また、相手の利益を考慮した「Win-Win」の提案を心がけることで、交渉をよりスムーズに進めることができます。
契約締結時の重要事項
契約書を締結する際は、納品条件、支払いスケジュール、返品ポリシー、知的財産権の取り扱いなど、細部まで明確に記載することが大切です。
特に海外メーカーとの契約では、曖昧な表現が後のトラブルの原因になる可能性があるため、慎重に確認しましょう。
文化やビジネスマナーの違い
海外メーカーとの取引では、文化やビジネスマナーの違いが交渉の障壁になることがあります。例えば、商談の進め方やコミュニケーションスタイルが日本と大きく異なる場合があります。その違いを理解し、相手の文化に配慮した対応を行うことが信頼構築の鍵となります。
スケジュール管理の課題
時差や相手側の都合によって、スケジュール調整が難しい場合があります。また、納期の遅延や確認作業の遅れが発生することもあります。これを放置すると信頼を損ない、取引の継続が難しくなる場合もあります。
これらの課題に対処することで、海外メーカーとの交渉をより円滑に進めることができます。
結論(Conclusion)
競合商品が既に国内で販売されている場合でも、海外メーカーとの交渉を諦める必要はありません。本記事で解説した通り、競合商品が存在すること自体は需要があることの証です。そして、その市場で成功するためのチャンスが多く眠っています。
メーカーとの直接取引では、独占販売契約やコスト削減といった具体的なメリットが得られる可能性があります。また、差別化戦略や独自の付加価値の提供によって、競合他社との差をつけることができます。さらに、長期的な関係を築くことで、持続的な成長につながる仕入れルートや新たな商品情報を得ることが可能です。
クラウドファンディングや物販において、成功の鍵は積極的な交渉と柔軟な発想にあります。新しいアプローチを次々に試し、独自の価値を提供することで、独自の強みを持つビジネスモデルを構築できます。
とはいえ、知識があっても実際にどのようにプロジェクトを進めるかイメージが湧かないこともあります。そんな時こそ、専門家のアドバイスが力になります。LEAGUEでは、クラウドファンディングの企画から実施まで、無料でご相談を承っております。プロジェクトの成功に向けて、私たちの経験とノウハウをお役立てください。まずはお気軽にご連絡ください。
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