九大什器保全×クラウドファンディング|400万を超える支援を集めた理由

文化財の保存ってお金かかるから困る。大事にしていきたいけど、どうすればいいかな?

そんな厳しい状態を解決できるのが、クラウドファンディングだよ。

九州大学総合研究博物館は、キャンパス移転で廃棄の危機にあった歴史的な木製学校家具を救うため、クラウドファンディングを活用しました。開始からわずか22日で目標の200万円を達成、最終的には225名の支援者から413万円以上が集まりました。伝統ある大学が市民の共感を呼び込んだこの取り組みは、文化財保護における資金調達の新しいモデルとして注目を集めています。

参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR


本記事では、九州大学がどのようにしてクラウドファンディングを成功させたか、400万円以上の支援を集めたその背景と実践手順を、見本記事の構成に沿って整理します。さらに、中小企業や個人事業主がこの手法を自らの資金調達やファンづくりに応用するための具体的なステップも紹介します。

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目次

九州大学がクラファンを行った理由と結果

参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR

九州大学は2005年度から、1911年創設の箱崎キャンパスから伊都キャンパスへの全面移転を進めていました。その過程で、推定50トン以上の木製家具が廃棄される事態が起きていました。新キャンパスの部屋が旧来の大型家具には合わず、戦前の九州帝国大学のプレートがついた机や椅子でさえも、使えないという理由だけで次々と処分されていったのです。

大学移転と歴史的什器の危機

危機に気づいたのは、九州大学総合研究博物館の三島美佐子准教授でした。2008年頃から廃棄される家具のレスキューを開始し、2011年の東日本大震災後には「天変地異が起きたわけでもないのに、戦前・戦後をくぐり抜けてきたものを簡単に捨てることは許されない」という使命感を強くいだきました。。それらの家具は、単なる古い備品ではなく、戦前から戦後にかけての大学史、ひいては日本の教育史を物語る貴重な文化資源だったからです。

参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR

歴史的資産の危機という課題は、大学に限った話ではありません。老朽化した設備の更新、移転・改装時の廃棄の判断、保存場所の確保……。中小企業や個人事業主も、長年積み重ねてきたかけがえのないものをどう守り、どう活かすかという問いに向き合うことがあります。

老朽化による一般的な問題
  • 長年にわたる経年劣化による傷み
  • 移転や改装に伴う廃棄の判断
  • 保存・修繕技術や場所の確保の難しさ
  • 文化的な価値と経済的な合理性の両立

クラウドファンディングがもたらした新しい支援の輪

2018年5月24日にスタートした「歴史的な木製学校家具を救え!」プロジェクトは、開始22日目に第一目標の200万円を達成。転機となったのは毎日新聞の夕刊一面への掲載で、その翌日から支援が急増しました。三島准教授が「おそるべし、メディアの威力」と感じるほどの反響を呼び、最終的には225名から4,134,000円が集まりました——目標額の207%です。

参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR

集まった資金の大部分(約306万円)は運搬費として使われ、文学部・農学部・図書館から約600点もの木製家具がレスキューされました。さらにうきは市の協力で保管場所も確保でき、これまでの救済分と合わせてコレクションは1,000点近くに達しました。

クラウドファンディングは、資金調達にとどまらず、文化保護への共感を広げ、これまで接点のなかった新しい支援層を生み出す力を持っています。

九大什器保全のクラウドファンディング実践ケース

クラウドファンディング成功の鍵は、支援者をお金を出す人ではなくプロジェクトの仲間にするリターン設計にあります。九州大学のプロジェクトでは、金額の規模に応じて参加の深さが変わる構造を巧みに設計しました。

記念品型リターン:思い出を形に残す

サンクスメール・名前掲載
参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR
解説ツアー
参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR

特別体験型リターン

展示施設巡回ツアー
参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR


什器の保存モニターとして参加
参照:歴史的な木製学校家具を救え!九大什器保全活用プロジェクト(READYFOR

このように、九州大学はモノだけでなく体験や学びといった価値を提供することで、幅広い層の支援者のニーズに応え、支援者を単なる寄付者から、共にプロジェクトを創るファンへと育てていきました。

九大什器保全プロジェクトの成功事例から見る、成功するクラファンのコツ

400万円以上を集めた九州大学のプロジェクト。その成功を支えたのは、共感を設計する2つの柱でした。

目的とストーリーを明確にする

支援者が応援したいと思うのは、目的の明確さと、その背後にある人間的なストーリーに共鳴したときです。

九州大学のプロジェクトでは、「10年20年後に『あのとき最善を尽くしたのか』と問われたとき、自信を持って『もちろん!』と言えるようでありたい」という三島准教授の言葉が、プロジェクトページを通じて多くの人の心に届きました。

数字や理屈より、人の思いが人を動かします。

支援者をファンに育てる広報・フォロー

九州大学は、SNSやメディアを通じて活動を広く発信し、募集期間中もオンライン・オフライン両方で支援を呼びかけました。毎日新聞への掲載後に支援が急増した経験が示すように、メディアとの連携は想像以上の拡散力を持ちます。

また、プロジェクト終了後も活動報告ページを通じて家具の修復状況や在野保存(マリンワールド海の中道など個人・事業者への貸し出し保管)の様子を発信し続け、2024年に至るまで支援者との関係を大切に育んでいます。

クラウドファンディングは、資金が集まって終わりではありません。進捗や成果の継続的な発信が、支援者を長期的なファンへと育てます。九州大学の活動報告は終了から6年後の今も更新されており、それ自体が誠実さを体現しています。

まとめ

九州大学のクラウドファンディングは、失われゆく歴史という課題に対して、共感を軸にした参加型の場を設計することで、想定を超える支援の輪を生み出した事例です。この成功に複雑な仕掛けはありません。本物の使命感を正直に語り、支援者を物語の一員として迎え入れ、終わった後も誠実に報告し続ける——その積み重ねが、413万円と225人のファンを生みました。

中小企業・個人経営者が応用できるポイント
  • 明確な目的とストーリーを持つ
  • 支援者が物語に参加できる体験型リターンを設計する
  • 広報・フォローを通じて、支援者をファンに育てる

クラウドファンディングは、資金を集めるツールである以上に、社会と共に価値を創造するプロセスです。九州大学の挑戦を参考に、あなたのプロジェクトにも新しい共感の輪を広げてみてください。

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この記事を書いた人

【CF NEWS運営担当&ライター】
LEAGUEではクラウドファンディング専門メディアの運営を担当。
プロジェクトページの執筆をはじめ、物販ノウハウを学べる教育用コンテンツの制作など、多角的に情報発信を担っている。
「初心者でも理解しやすく、すぐに実践できる記事づくり」が信条。
読者に寄り添い、わかりやすく丁寧なコンテンツ設計をおこなっている。

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