クラウドファンディングは、新規事業を始める際に資金を集めるための便利なツールです。海外のクラウドファンディングでは、日本国内で未発売の商品なども数多く紹介されており、多くのビジネスチャンスが隠されています。
しかし、その一方で、詐欺的な案件も増加傾向にあります。特に海外のプラットフォームを利用する際には、詐欺を防ぐための知識が不可欠です。
本記事では、実際の詐欺事例と具体的な防止策をご紹介します。
クラウドファンディングの基本となぜ詐欺は起きるのか
ここでは、クラウドファンディングの基本を解説し、クラウドファンディンがもつ無限の可能性と詐欺が起こりやすい理由について掘り下げていきます。
クラウドファンディングの基礎知識
クラウドファンディングとは、「crowd(群衆)」と「funding(資金調達)」を組み合わせた言葉であり、インターネットを介して不特定多数の人々から資金を集める新しい資金調達の方法です。
この仕組みは、個人のアイデアから企業のプロジェクトまで、様々なスケールの取り組みに対して少額から支援が可能である点が特徴です。そのため、多様なプロジェクトに利用され、従来の資金調達方法と比べて手軽さとスピード感が強みとなっています。
支援者からの支援が集まり目標金額を達成したプロジェクトは、実行者が事前に約束していたプロジェクトを行います。支援者に商品などのリターンを渡すことが約束されているプロジェクトでは、支援者に商品が提供されます。
海外のクラファン市場
世界のクラウドファンディング市場の規模については、いくつかの異なる推計がありますが、全体的に急速な成長が見込まれています。
一例として、2023年には14億1,000万米ドルと評価されており、2024年の16億米ドルから2032年までに45億米ドルに成長すると予測されています。
ソース
KickstarterやIndiegogoといった大規模プラットフォームが活躍しており、特にテクノロジー関連のプロジェクトが人気を博しています。
クラウドファンディング市場の成長要因としては、以下のポイントが挙げられます。
- テクノロジーの進歩とクラウドファンディングプラットフォームの改善
- ソーシャルメディアの活用による資金調達活動の拡大
- スタートアップ企業の増加と資金需要の高まり
- 政府の規制緩和や支援策
なぜクラウドファンディンで詐欺は起きるのか?
クラウドファンディングは個人から企業まで、幅広い方がプロジェクトを立ち上げることができます。一方で、その仕組み上、詐欺が発生しやすい環境が整っています。以下に、詐欺が起きる主な理由を解説します。
- 匿名性が高い
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クラウドファンディングの多くのプロジェクトでは、運営者の詳細な情報が公開されない場合が多く、支援者がプロジェクトの信頼性を判断する材料が限られています。この匿名性は、詐欺師が虚偽のプロジェクトを立ち上げやすくする大きな要因となっています。
- 資金調達の容易さ
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クラウドファンディングプラットフォームは、誰でも簡単にプロジェクトを作成できる利便性が魅力です。その反面、事前審査が緩いプラットフォームでは、詐欺目的のプロジェクトが紛れ込むリスクが高まります。特に海外プラットフォームでは、このようなケースがしばしば報告されています。
- 支援者の期待心理
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高額なリターンや革新的なアイデアに惹かれ、支援者が冷静な判断を欠くことも詐欺が成功する一因です。「こんなに魅力的な商品がこの価格で手に入るなんて!」と感じてしまうと注意力が低下し、リスクを見落とす可能性があります。
- 国際取引による法的措置の複雑さ
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グローバルなクラウドファンディングプラットフォームでは、異なる国の文化や法規制の違いが詐欺の追及を困難にしています。詐欺が発覚しても、法的措置を取るには各国の法律に従う必要があり、手続きが複雑で時間がかかるため、被害が泣き寝入りとなるケースも少なくありません。
- 投資家の過度な期待や焦り
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プロジェクトが話題になり、成功を期待するあまり、投資家が慎重さを欠く場合も詐欺の温床となります。特に「早く投資しないと売り切れてしまう」という心理が煽られると、十分な情報収集を行わないまま支援をするリスクがあります。
海外のクラウドファンディング詐欺事例5選
ここでは、6億円以上を調達した詐欺から、闘病を偽り支援詐欺を行った事例まで、海外クラウドファンディングで実際に起きた事例を紹介します。
事例1:未来のスマートバックパック詐欺で80万ドルが消失
2015年、アメリカのクラウドファンディングサイト「Indiegogo」と「Kickstarter」で、革新的なスマートバックパック「iBackPack」のプロジェクトが立ち上げられました。創設者のダグ・モナハン氏は、Wi-Fiホットスポット、Bluetoothスピーカー、大容量バッテリー、USB充電機能などを搭載した「未来のバックパック」として宣伝し、合計約80万ドル(約1億2000万円)もの支援金を集めることに成功しました。
プロジェクトページでは、最新のテクノロジーを結集した画期的な製品として紹介され、多くの支援者が期待を寄せました。しかし、製品の発送予定日を過ぎても、支援者たちの手元には何も届きませんでした。モナハン氏は遅延の理由として「リチウムイオンバッテリーの安全性に問題がある」と説明していましたが、これは単なる言い訳に過ぎませんでした。
実際には、集められた支援金の大部分は製品開発には使用されず、モナハン氏の個人的な支出やビットコインの購入に流用されていたことが後に明らかになりました。さらに深刻なことに、支援者たちが返金や説明を求めると、個人情報を悪用すると脅すなどの悪質な対応も行っていました。
被害を受けた支援者たちはFacebookグループを立ち上げ、組織的な行動を開始。その結果、2019年に米連邦取引委員会(FTC)がモナハン氏を提訴する事態となりました。最終的に、FTCとの和解により、モナハン氏は今後一切のクラウドファンディング活動を行わないことに同意しましたが、支援者への返金は実現していません。
事例2:20歳女性、偽りのがん闘病で3.7万ドルを詐取
2023年、アメリカ在住のMadison Russo氏(当時20歳)は、「急性リンパ性白血病」「ステージ2の膵臓がん」「脊椎を取り巻くフットボールサイズの腫瘍」といった虚偽のがん診断を主張し、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」で約37,000ドル(約540万円)を不正に集めました。
Russo氏は、ソーシャルメディアに「がん闘病」を装った投稿を行い、地元新聞のインタビューや大学、財団のイベントにゲストスピーカーとして登壇。「つらい闘病生活を送っている」との説明で多くの人々の同情を誘い、439人以上の個人や企業、非営利団体から寄付を集めました。
しかし、医療関係者がソーシャルメディアに投稿された写真に医学的矛盾を発見し、警察による調査が行われました。その結果、彼女ががんと診断されたことは一度もなく、これらの主張が完全に虚偽であることが明らかとなりました。2023年1月、Russo氏は詐欺の罪で逮捕されました。
裁判では、彼女は第一級窃盗の罪で有罪を認め、10年の執行猶予付き判決を受けるとともに、39,000ドル以上の賠償金と1,375ドルの罰金、さらに100時間のコミュニティサービスが命じられました。
クラウドファンディングサイトのGoFundMeは、この事件を受けて直ちにルッソのファンドレイジングを削除し、全ての支援者への返金を実施。また、彼女の今後のプラットフォーム利用を永久に禁止する措置を取りました。
事例3:米国初の法的措置となったトランプデッキ詐欺事件
2012年、アメリカのクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で、ホラーテイストのアート作品をフィーチャーしたトランプデッキ「Asylum Playing Cards」のプロジェクトが立ち上げられました。このプロジェクトは、運営者のエド・ナッシュ氏と彼の会社Altius Managementによって企画され、当初の目標額15,000ドルを大きく上回る25,146ドル(約370万円)を、810人の支援者から集めることに成功しました。
しかし、支援者たちは約束されたトランプを受け取ることができませんでした。製品の納品予定日は2012年12月でしたが、2014年4月までにいずれの支援者にもリターンは届かず、会社からの連絡も途絶えていました。
この状況を受け、ワシントン州の検事総長がプロジェクト運営者を州の消費者保護法違反で提訴。2015年、裁判所はAltius Management社に対し、支援者への返金、訴訟費用、罰金を含めた54,851ドル(約800万円)の支払いを命じました。
これは、クラウドファンディングの約束不履行に対する米国初の法的措置として、大きな注目を集めることとなりました。
事例4:最先端スマートヘルメット開発詐欺で2億4000万円が消失
2013年、アメリカのSkully社が、拡張現実(AR)機能を搭載した革新的なバイク用ヘルメット「SKULLY AR-1」の開発プロジェクトをクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で立ち上げました。GPSナビやヘッドアップディスプレイを搭載する画期的なアイデアに、多くのバイクユーザーが魅了され、目標額2,800万円を大きく上回る約2億4,400万円(244万ドル)の支援金が集まりました。
しかし、プロジェクトの運営者であるウェラー兄弟は、集まった支援金を製品開発には使用せず、高級車のレンタルや高額な家賃の支払い、さらにはストリップクラブでの遊興費など、個人的な贅沢に流用していたことが発覚。元従業員の告発によると、会社の口座は「個人的な貯金箱」として使用され、フロリダのストリップクラブでの2,000ドルの支払いや、南カリフォルニアでのランボルギーニのレンタル、2台のダッジ・バイパーの購入などに資金が使われていました。
約3,300個の予約注文があったヘルメットですが、実際に出荷されたのはわずか200個程度。技術的な問題や開発の遅延が重なり、最終的に2016年8月、Skully社は破産申請を行うことを余儀なくされました。CEOのマーカス・ウェラー氏は会社を去り、多くの社員も退社する事態となりました。
その後、2017年にイバン・コントレラス氏がSkully社の資産を取得し、新会社Skully Technologiesとしてアトランタで事業を再開。初期の支援者に対してヘルメットの出荷を行うなど、被害回復の動きも見られましたが、多くの支援者は投資金を失ったままとなっています。
事例5:破格の電動自転車で6億円調達、約束は反故に
2015年、クラウドファンディングサイト「Indiegogo」で大きな話題を呼んだのが、SONDORS Electric Bikeのプロジェクトでした。71,000円という破格の価格で、全天候型タイヤを搭載した電動マウンテンバイクを提供するという画期的な企画で、約6億円もの資金調達に成功。Indiegogoの歴史上、2番目に大きな資金を集めたプロジェクトとなりました。
しかし、この成功の裏には大きな問題が潜んでいました。プロジェクトを立ち上げたStorm Sondors氏は、キャンペーンのPR代理店「Agency 2.0」への支払いを拒否。約44万ドル(当時のレートで約5,300万円)の未払い金が発生し、PR代理店は「契約上の詐欺」として法的措置に踏み切りました。
さらに、プロジェクトの進行中にも不透明な部分が多く見られました。当初提示されていた電動自転車のスペックが度々変更され、バッテリー寿命や充電時間、走行可能距離などが不明確なままでした。市場価格の5分の1という破格の価格設定も、実現可能性を疑問視する声が上がっていました。
支援者たちは製品の購入だと考えていましたが、実際にはプロジェクトへの「寄付」という扱いであることが後になって判明。製品の配送も大幅に遅延し、Sondors氏とのコミュニケーション不足やサポート体制の不備に対する不満の声が相次ぎました。
詐欺の事例は海外だけでなく日本国内でも起きています。
日本国内で起きた有名な事例はこちらでまとめています。
詐欺事例から学ぶ典型的な手口
以下に、主な詐欺の手口とその特徴を詳しく解説します。
パターン1. 欲しいリターンが届かない
最も一般的な詐欺の手口は、支援者が資金を提供したにもかかわらず、約束された商品やサービスが一切届かないケースです。
プロジェクトページでは高品質の商品が約束されていたにもかかわらず、実際に届いたのは低品質なもの、または全く異なる商品という事例も多く見られます。
約束した商品が一切届かない。
説明と大きく異なる商品、代替品が届く。
商品制作の遅れ、商品の発送が極端に遅い。
実例
アメリカのKickstarterで行われた「Asylum Playing Cards」のプロジェクトでは、支援者に商品が届かず、最終的に裁判所が支援者への資金払い戻しを命じました。
パターン2. プロジェクトの一方的な中止
目標金額を達成したにもかかわらず、起案者が何の説明もなくプロジェクトを中止し、支援者に資金が返還されないケースです。
起案者が途中で連絡を絶つ。
プロジェクトページやSNSが突然削除される。
この手口では、支援者が情報収集をする間もなく、詐欺が完了してしまう場合が多いです。
パターン3. 資金の不正流用
支援者から集めた資金が、プロジェクト目的以外に流用されるケースです。たとえば、災害支援を名目に募った資金が、起案者の私的な目的に使用される場合などがあります。
プロジェクト資金を私的な目的に使っている。
開発・製造とは無関係な経費として使用している。
資金使途の説明責任を果たさない。
実例
Indiegogoで行われた「SKULLY AR-1」のプロジェクトでは、資金が開発費用ではなく、起案者の個人的な支出に使われていました。
パターン4. 架空のプロジェクト
存在しない製品や事業のために資金を募る、もしくは実現不可能な技術や成果を謳う詐欺も多発しています。
科学的に実現不可能な技術を再現できたと誇張している。
偽造されたデモ映像の使用している。
パターン5. 虚偽の情報提供
偽の病気や困窮状況を装い、支援者の感情に訴える詐欺です。架空のストーリーで共感を得て、資金を集める巧妙な手口が使われます。
架空のストーリーや経歴を捏造している。
存在しない団体や協力者の名前を挙げる。
高額な目標金額を設定し、過剰な盛り上がりを煽っている。
実例
Madison Russo氏のプロジェクトでは、偽の病気をでっち上げることにより、多くの人から支援を獲得していました。
パターン6. なりすまし
著名人や有名な組織になりすまして資金を募る詐欺です。著名人やブランドの信頼を利用し、支援者を騙します。
有名企業やブランドの名前を無断で使用している。
架空の専門家や研究者を登場させる。
偽の推薦文や証明書を掲載する。
国内外による詐欺の特徴
- 日本
-
有名人や影響力のある人物が関与するプロジェクトで詐欺が発生するケースが報告されています。
SNSを活用した拡散が主流で、短期間で支援を集める傾向があります。 - 海外(主に欧米)
-
大規模で被害額が高額な詐欺事例が多い。
詐欺が発覚すると法的措置や罰則が適用される場合があり、メディアによる広範囲な報道が行われます。
クラウドファンディング詐欺を防ぐための5つの対策
海外のクラウドファンディングを安全に活用するための具体的な対策を5つ解説します。
プロジェクトを徹底的にリサーチする
プロジェクトを支援する前に、プロジェクトの信頼性を確認することが重要です。以下のポイントを押さえて調査を行いましょう。
- 過去の類似プロジェクトを調査
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同様の製品やアイデアが成功しているか確認する。
- 技術的に実現できるかの確認
-
革新的な技術を謳う場合、その実現性に疑問がないかを慎重に評価する。
- チームメンバーの経歴確認
-
主催者や関係者が十分な経験や実績を持っているか調べる。
- プロトタイプや実際の画像/動画の有無
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単なるイラストやCGではなく、具体的な試作品があるか確認する。
信頼できるプラットフォームを選ぶ
信頼できるプラットフォームの選択も重要な要素です。以下の基準でプラットフォームを選びましょう。
- 運営実績
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KickstarterやIndiegogoなど、長年の実績があるプラットフォームを利用する。
- 審査基準の厳格さ
-
プロジェクト開始前に審査が行われるプラットフォームは詐欺のリスクが低い。
- 返金保証の有無
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詐欺が発覚した場合やプロジェクトが失敗した場合に、返金が保証されているか事前に確認しましょう。
- カスタマーサポートの質
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問題発生時に、迅速かつ適切に対応してくれるサポート体制が機能しているかチェックしておく。
資金提供前に確認すべき法的事項
海外のクラウドファンディングを利用すると、国際的な取引が絡むことが多いため、法的な側面も確認が必要です。
- 利用規約の確認
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プラットフォームがどのようなルールで運営されているか把握する。
- 資金保護の仕組み
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エスクロー口座の使用や段階的な資金提供が行われているか確認する。
- 国際取引に関する規制
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プロジェクトが所在する国の法規制や輸入規制に注意する。
- 紛争解決の手続き
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万が一の際の苦情処理プロセスや法的対応について把握しておく。
コミュニティの評価とレビューを活用する
プロジェクト実行者の信頼性を確認するために、他の支援者や外部コミュニティからの評価を確認しましょう。
- 支援者コメントの分析
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プロジェクトページやSNSでの支援者のコメントを確認し、ネガティブな評価が多い場合は警戒する。
- SNSでの評判確認
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主催者やプロジェクトに関するSNS上の評判を調べる。
- 専門家の意見参照
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技術的なプロジェクトの場合、その筋の専門家や関連分野のニュース、ブログ、レビューなどを確認する。
- 過去のプロジェクト実績
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同じ主催者が以前に行ったプロジェクトの結果を調べる。
小額投資でリスクを分散する
投資型のクラウドファンディングでは、一度に多額を投資するのではなく、小額から始めることでリスクを分散できます。
- 投資上限額の設定
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個人でリスク許容度を設定し、過剰な投資を避ける。
- 複数プロジェクトへの分散投資
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一つのプロジェクトに集中するのではなく、複数のプロジェクトに分散して投資する。
- 段階的な投資アプローチ
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プロジェクトの進捗状況を見ながら追加投資を判断する。
- リスク許容度の評価
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リターンがなくても耐えられる金額で支援を行う。
これらの対策を組み合わせて実践することで、詐欺のリスクを最小限に抑えながら、クラウドファンディングの魅力を安全に活用することが可能です。支援を決める前に一度立ち止まり、プロジェクトの信頼性と自身の投資リスクを冷静に評価することを忘れないでください。
詐欺被害に遭った場合の対処法
クラウドファンディングで詐欺に遭った、または詐欺が疑わしい状況に直面した場合、迅速かつ冷静な対応が求められます。以下では、具体的な行動を解説します。
証拠を収集・保存する
詐欺被害を証明するためには、証拠の収集と保存が不可欠です。以下のポイントを押さえて、関連情報を確保してください。
- プロジェクトページのスクリーンショットを保存
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詐欺が発覚した場合、プロジェクトページが削除される可能性があります。内容をスクリーンショットとして保存し、日付を記録しておきましょう。
- 通信記録を保管
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起案者とのメールやメッセージなど、すべてのやり取りを保存します。
- 支払いの証明書を確保
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振込履歴や領収書、クレジットカード明細などの支払い記録を保管します。
クラウドファンディングプラットフォームに連絡する
クラウドファンディングプラットフォームの運営者に状況を説明し対応を求めることで、状況が改善することがあります。
- 状況を詳細に説明
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支援したプロジェクト名、支援金額、リターン内容、詐欺が疑われる状況を具体的に伝えます。
- 収集した証拠を提供
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スクリーンショットや通信記録を運営者に共有します。
- 返金ポリシーの確認
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プラットフォームの規約に基づいて返金が可能かを確認します。
支援者1人からの連絡は無視されるかもしれませんが、サイト運営からの問い合わせは無視しづらいものです。サイト運営者が実行者に直接連絡を取ったり、返金要請を行ったりすることがあります。
法的手段を検討する
詐欺被害が確定した場合、法的対応を視野に入れましょう。
- 専門家に相談
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国際法や消費者保護法に詳しい弁護士や法テラスに相談し、今後の方針を検討します。
- 必要に応じて訴訟を提起
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被害額が大きい場合は、適切な管轄での訴訟を検討します。
金融機関に連絡する
金融機関にも相談し、被害を抑える、返金などの手続きができるか確認しましょう。
- クレジットカード会社への連絡
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チャージバック制度を利用できるか確認します。
- 不正取引の報告
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銀行に不正取引を報告し、返金手続きを開始します。
公的機関や消費者保護機関に報告する
詐欺の疑いがある場合、公的機関に相談することも有効です。
- 日本国内の場合
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消費者ホットライン(188)に連絡し、地域の消費生活センターにつなげてもらいます。
また、警察相談専用電話(#9110)で犯罪に至らない段階でも相談可能です。 - 国際的なケースの場合
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詐欺が行われた国の消費者保護機関や国際詐欺対策機関(例:IC3)に報告します。
コミュニティで情報を共有する
他の支援者が同じ被害に遭わないよう、情報を共有することも大切です。
- SNSやレビューサイトで注意を喚起
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断定的な表現を避けつつ、事実を共有して他の支援者に警告します。
- プロジェクトページのコメント欄を活用
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詐欺の可能性について他の支援者に知らせる。
各種情報を発信する際は、個人情報の取り扱いや法的リスクに配慮してください。
詐欺被害に遭った場合は、焦らずに上記の手順を実行することで、被害を最小限に抑えることができます。また、同じような被害を未然に防ぐために、他者と情報を共有することも忘れないようにしましょう。
結論(Conclusion)
海外クラウドファンディングは、革新的なアイデアや製品に出会える魅力的な場であり、ビジネスチャンスの宝庫です。しかし、詐欺的なプロジェクトが存在することを忘れてはいけません。
本記事で紹介した事例からわかるように、詐欺の手口は年々巧妙化しています。しかし、適切な知識と対策があれば、そのリスクを最小限に抑えることは可能です。プロジェクトを徹底的にリサーチし、運営者の実績を確認し、信頼できるプラットフォームを選ぶことで、安全な投資が実現できます。
特に重要なのは、「魅力的すぎる案件には要注意」という点です。市場価格よりも著しく安い製品や、技術的に実現が困難な革新的なアイデアには、慎重な判断が必要です。
ただし、こうしたリスクがあるからといって、海外クラウドファンディングを避ける必要はありません。クラウドファンディングを正しく利用すれば、新規事業を発展させたり、革新的な製品を世の中に広める強力なツールとなります。
初心者の方は、クラウドファンディングの基本的な知識を身につけ、信頼できるパートナーとともにプロジェクトを進めることで、その可能性を最大限に引き出せるでしょう。
とはいえ、知識があっても実際にどのようにプロジェクトを進めるかイメージが湧かないこともあります。そんな時こそ、専門家のアドバイスが力になります。LEAGUEでは、クラウドファンディングの企画から実施まで、無料でご相談を承っております。プロジェクトの成功に向けて、私たちの経験とノウハウをお役立てください。まずはお気軽にご連絡ください。
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