クラウドファンディングというと、ベンチャーや個人が中心というイメージを持つ方も多いかもしれません。ところが今、信頼ある大手企業や歴史あるメーカーもこのプラットフォームを活用し、消費者とともに新しい挑戦に踏み出しています。
今回は、アサヒ・資生堂・丸菱工業という名の知れた企業3社によるクラウドファンディング事例を紹介します。いずれも「開発段階で顧客の声を反映する」「従来の枠にとらわれない提案をする」といった、クラファンならではの価値を最大限に活かしたプロジェクトばかりです。
牛乳じゃない。でも、ミルク。LIKE MILKという選択肢

アサヒグループが手がけたのは、酵母から生まれた非動物性ミルク『LIKE MILK』。動物性原料を一切使わず、牛乳のような自然な味わいと栄養バランスを実現した新しいミルクです。目標金額30万円に対して、すでに200万円以上の支援を集め、500名以上のサポーターから注目を集めています。プロジェクトは現在も進行中です。
動物性食品を避けたい層や、地球環境に配慮した食生活を志向する人々からの支持が厚く、アサヒの新規ブランド「LIKE」ファミリーとしての第一歩としても注目されています。企業ブランドの信頼と、社会課題に寄り添う提案が共感を呼びました。
車のシート職人が本気で作った、持ち運べる“座り心地”
創業60年以上の自動車シート製造メーカー・丸菱工業が開発したのは、外出先でも快適に座れるポータブル座布団『パキュッとクッション』です。複数の層を組み合わせた本格仕様で、長時間座ってもお尻が痛くならない設計が特徴。プロジェクトはすでに終了していますが、10万円の目標に対して200万円以上を調達し、400名以上の支援を集めました。
注目すべきは、大手の「ものづくりの技術力」が、“BtoC”の市場でも通用することをクラウドファンディングで証明した点。現場で磨かれたノウハウを活かし、ユーザーの“リアルな悩み”に寄り添ったプロダクトが高く評価されました。
スキンケアは洗顔から。資生堂の新提案が即完売
化粧品業界のトップブランド・資生堂が、直営ライン「fibona」から展開したのは、まるで美容液のような洗顔料『fibona 洗顔セラム』。洗いながら肌にうるおいを届ける処方が特徴で、朝のスキンケアの概念を塗り替える1本です。クラウドファンディングでは、19万8000円の目標を大きく超え、66万円超を調達。200本の数量限定商品は完売し、200名の支援者がその魅力をいち早く体験しました。
“化粧品の巨人”資生堂があえてクラウドファンディングを活用したことで話題となりましたが、その背景には「顧客と一緒に育てるブランドを作りたい」という強い意志がありました。fibonaは実験的なブランドだからこそ、リアルな声を得られる場としてCFが選ばれたのです。
結論(Conclusion)

今回ご紹介した3つの事例は、いずれも知名度のある企業が「新たなチャレンジ」「新市場の開拓」を目的にクラウドファンディングを活用した好例です。従来のマスプロモーションでは得られない“共感”を軸に、ユーザーと直接つながるこの仕組みは、大企業にとっても貴重なマーケティング手段になりつつあります。今後もこうした「信頼あるブランド×共感型プロダクト」の動きに注目が集まりそうです。
クラウドファンディングはもはや新興ブランドのためだけの手段ではなく、信頼と実績を持つ企業が、ユーザーとの接点を深め、新しい市場を切り開くための重要なプラットフォームとなっているのです。
今回は大手企業がおこなったプロジェクトを紹介しましたが、クラウドファンディングは中小企業から個人単位でも行うことができます。とはいえ、知識があっても実際にどのようにプロジェクトを進めるかイメージが湧かないこともあります。そんな時こそ、専門家のアドバイスが力になります。LEAGUEでは、クラウドファンディングの企画から実施まで、無料でご相談を承っております。プロジェクトの成功に向けて、私たちの経験とノウハウをお役立てください。まずはお気軽にご連絡ください。
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