
大きなことに挑戦したいんだけど、資金調達が難しいんだ…



そんな悩みを解決し、多くの共感を集めて夢を実現させる手段がクラウドファンディングですよ。
クラウドファンディングというと、新商品や店舗づくりのための資金調達を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、誰かの本気の挑戦に人が集まるケースも少なくありません。その好例のひとつが、女子体操選手・杉原愛子さんがCAMPFIREで実施した「2024年の夏、パリであの大舞台にもう一度立ちたい」というプロジェクトです。


本記事では、女子体操選手・杉原愛子さんがCAMPFIREで実施し、目標金額を大幅に上回る503万円超を集めたクラウドファンディングプロジェクトを詳細に分析します。個人の挑戦を軸に多くの共感と支援を集めたその背景と、中小企業や個人事業主がこの事例から何を学び、どのように応用できるかを具体的に解説していきます。
杉原さんがクラファンを行った理由と結果


まずは、プロジェクトそのものの経緯と成果を振り返ります。
女子体操界初のプロ選手による「再挑戦」
杉原愛子さんは1999年生まれ、大阪府出身の女子体操競技選手です。2016年リオデジャネイロ五輪・2021年東京五輪(団体5位)と2大会連続でオリンピックに出場した実力者で、2017年の世界選手権では平均台の新技が「SUGIHARA」と命名されるほどの功績を残しています。
東京五輪の翌年、身体的・精神的なコンディション維持の難しさを理由に競技の第一線から一区切りをつけた杉原さんは、その後、武庫川女子大学体操部のジュニア強化コーチ、体操演技者、テレビリポーターなどの多岐にわたる活動を展開しました。
転機となったのは2023年秋。杭州アジア大会をリポーターとして現地取材した際に「もう一度競技がしたい」という気持ちが再燃し、同年11月に「来年のパリ・オリンピックを目指す決心をしました」とSNSで宣言。同時に、日本の女子体操競技界で前例のなかったプロ選手として株式会社TRyASを設立し、個人での活動を本格始動させました。
なぜクラウドファンディングだったのか
プロとして個人で活動するということは、これまで大学・県・市・スポンサーが担ってくれていた練習環境や遠征費用を、すべて自己調達しなければならないことを意味します。特に、目標に掲げた「シモーネ・バイルズらが練習するアメリカのクラブチームでの合宿」には、想像を超える資金が必要でした。
「銀行に頼らず資金調達したい」「新規事業を共感ベースで立ち上げたい」と考える中小企業のアプローチと本質的に同じ構造です。杉原氏はクラウドファンディングを選ぶことで、単なる資金調達を超え、「体操競技の魅力を広める」という社会的意義と自身の挑戦を一体化して発信しました。
クラウドファンディングがもたらした新しい支援の輪
本プロジェクトはCAMPFIRE上で2023年12月16日から2024年1月15日まで実施され、目標金額300万円に対して約503万円、支援者410人、達成率167%という結果で終了しました。


今回の挑戦は、これまでの五輪挑戦とは少し意味合いが異なります。本人もプロジェクト内で、今回は「プロ体操女子選手として目指す初めての挑戦」であると明記しています。学校や企業、クラブに属するのが一般的な女子体操界において、個人として活動を切り開きながら大舞台を目指す。その新しさ自体が、支援者にとって応援したくなる理由へと繋がりました。
支援したくなるリターン設計の全貌


クラウドファンディングにおいて、リターン(支援に対するお返し)の設計はプロジェクトの成否を大きく左右します。杉原さんのプロジェクトでは、計11種類のリターンが用意されており、幅広い支援者のニーズに対応していました。
支援メニュー(リターン)と支援者体験設計
実際のリターン一覧を見ると、少額支援から高額支援まで幅広い価格帯が設計されています。
- オリジナルステッカー/低価格リターン
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参照:【女子体操】杉原愛子の再挑戦!2024年の夏、パリであの大舞台にもう一度立ちたい(CAMPFIRE) - 限定公開ブログの閲覧権/中価格リターン
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参照:【女子体操】杉原愛子の再挑戦!2024年の夏、パリであの大舞台にもう一度立ちたい(CAMPFIRE) - 名前の読み上げ付きスペシャルサンクスムービー/中価格リターン
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参照:【女子体操】杉原愛子の再挑戦!2024年の夏、パリであの大舞台にもう一度立ちたい(CAMPFIRE) - 観戦チケット/高価格リターン
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参照:【女子体操】杉原愛子の再挑戦!2024年の夏、パリであの大舞台にもう一度立ちたい(CAMPFIRE) - 講演会・スポーツ教室/団体・企業向けリターン
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参照:【女子体操】杉原愛子の再挑戦!2024年の夏、パリであの大舞台にもう一度立ちたい(CAMPFIRE)
3,000円のお礼メッセージから、50万円のスポーツ教室まで、極めて多様な価格帯が用意されていました。これにより、ライト層からコアなファン、さらには法人・高額支援者まで、あらゆる層を支援者として取り込むことに成功しています。
「参加できる価値」を提供する体験型リターン
単なる「モノ(返礼品)」ではなく、支援者がプロジェクトのプロセスに関われるリターンが重視されました。
- 合宿の裏側を見られる限定ブログ
- 支援者限定のライブ配信
- 実際の講演や体操教室への参加
これらは支援者に「自分もチームの一員である」という当事者意識(参加感)を抱かせ、顧客を熱狂的なファンへと変える重要な仕掛けとなりました。
中⼩企業·個⼈経営者への応⽤


杉原さんの事例はスポーツ分野のプロジェクトですが、学べる本質はビジネスにも十分応用できます。
共感を呼ぶ「ストーリー」を言語化する
杉原さんのプロジェクトは挫折からの再挑戦という王道のストーリーを軸にしながら、「自分の夢」と「体操競技の普及という社会的意義」を両立させていました。個人の夢だけでなく、業界・地域・社会への貢献を加えることで、支援の輪が自然に広がるのです。
中小企業であれば、「なぜこの事業を始めたのか」「誰のために、何を成し遂げたいのか」「実現した先に、社会や顧客にどんな価値が生まれるのか」を物語として言語化してみましょう。
- 自社の創業ストーリーや転機となった出来事
- 地域・業界・顧客に対して果たしたい使命
- このプロジェクトが成功した後に広がる未来の絵
支援者が「参加できる体験」を設計する
リターンは単なる返礼品ではありません。支援者が「このプロジェクトにどう関わるか」を体験として設計することが重要です。杉原さんのプロジェクトが選ばれたように、限定性・パーソナリティ・参加感のあるリターンは支援者の満足度を高め、長期的なファン化を促進します。
- 低価格帯(〜5,000円):ライトなファン向けの限定グッズ
- 中価格帯(5,000〜30,000円):パーソナルな体験・限定コンテンツ
- 高価格帯(30,000円〜):法人・コアサポーター向けのスポンサー枠や特別体験
公開前から「ファン」を巻き込む
成功するプロジェクトは、公開前から勝負が決まっています。杉原さんがInstagramで練習動画を日々発信し、X(旧Twitter)でパリ挑戦を宣言したように、プロジェクト始動前から期待感を醸成し、既存のファンを「当事者」として巻き込むことが初速を生みます。
SNS・メールマガジン・既存顧客リストなど、あらゆる接点を活用し、プロジェクトの告知と共感の種まきを事前に行いましょう。公開後も進捗報告や感謝のメッセージを丁寧に発信し続けることが、支援者との信頼関係を深め、長期的なファン育成につながります。
まとめ


杉原愛子さんのクラウドファンディングは、単に目標金額を超えて成功した事例ではありません。東京五輪後にいったん競技生活へ区切りをつけた選手が、女子体操競技初のプロ選手として再始動し、再び大舞台を目指す。その背景を率直に語り、必要な資金と使途を明確に示し、支援者との接点を多層的に設計したことで、多くの応援を集めたプロジェクトでした。
クラウドファンディングにおいて大切なのは、「売りたいものがある」から始めるのではなく、なぜこの挑戦をするのか、誰とどんな未来をつくりたいのかを、相手に伝わる形で整理することです。そうした設計ができれば、クラウドファンディングは資金調達の手段であると同時に、ファンづくりやブランドづくりの起点にもなります。杉原さんの挑戦は、そのことをわかりやすく示してくれる好事例と言えるでしょう。
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