クラファンの遅延トラブルは発送準備で解決!代行業者の活用と海外輸入の注意点

100件以上の商品発送をしないといけないけど、何からすれば良いの?

自分たちでやったほうが安いの?誰かに任せたほうが良い?

クラウドファンディング(以下、クラファン)で目標額を達成した後は、支援者へのリターン品発送という重要なプロセスが待っています。資金調達が成功しても、約束したリターンの履行が完了しなければ真の成功とは言えません。

実は、クラファンで起こるトラブルの多くは、この発送フェーズで発生しています。納期の遅延、商品の破損、住所の誤り、不良品の混入など、さまざまな問題が起こり得ます。こうしたトラブルはブランドイメージの毀損やSNSでの炎上に直結し、今後のプロジェクト運営やブランド構築にも悪影響を与えかねません。

本記事では、プロジェクト終了後に支援者へリターン品を届けるまでの具体的な手順や注意点、国内・海外の配送業者の選び方、そして発送代行業者を賢く活用する方法について解説します。初心者の方でも理解しやすいよう、ポイントを整理して紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

プロジェクト終了後の作業全体像

まずは、プロジェクト終了からリターンが支援者に到着するまでの全体像を把握し、どこにボトルネックが発生しやすいかを理解しましょう。効率的かつ信頼性の高い発送を達成するには、以下のステップを戦略的に進める必要があります。

支援者への報告

プロジェクトが終了したら、まずは支援者に対してプロジェクト成功のお礼今後のスケジュールを活動レポートなどで報告します。この時点で、リターン品の製造状況や発送予定時期を明確に伝えることが大切です。

例えば、「商品は現在製造中で、○月下旬に発送予定です」といった具体的な情報を共有することで、支援者は安心して待つことができます。

発送業務の準備段階

次に、リターン品の製造・調達、検品、梱包資材の準備、支援者情報の整理などを行います。この段階での丁寧な準備が、その後の作業効率を大きく左右します。

特に支援者の住所情報の確認は重要です。プロジェクト終了から発送まで数ヶ月空くことも珍しくなく、その間に引っ越しをされる方もいます。発送前に必ず「現在の住所で発送します」と告知し、変更がある場合は連絡してもらうようにしましょう。

発送依頼と発送作業

準備が整ったら、いよいよ発送です。自社で梱包・発送を行うか、発送代行業者に依頼するか、支援者の規模や商品の特性に応じて選択します。

発送時には、荷物の差出人欄にプロジェクト名リターン品である旨を明記することも忘れずに。時間が経つと、支援者自身が何を注文したかを忘れていることもあり、受取拒否されるケースもあるためです。

発送完了後の報告

全てのリターン品を発送し終えたら、支援者に向けて発送完了のお知らせを行います。可能であれば追跡番号も共有し、配送状況を確認できるようにすると親切です。

また、万が一商品に不備があった場合の連絡先や、交換対応の方法についても併せて記載しておくと、トラブル時の対応がスムーズになります。

受取完了までのタイムスケジュール

一般的に、プロジェクト終了から支援者の手元にリターン品が届くまでには、以下のようなスケジュールが想定されます。

このように、全体で3〜6ヶ月程度を見込んでおくのが現実的です。ただし、予期せぬトラブルに備えて、公表する納期にはさらに20%程度のバッファを持たせることをおすすめします。

発送準備フェーズ

クラファン終了後からリターン品を発送し届けるまでの一般的な流れについて、詳細を解説します。

リターン商品の生産・発注を開始する

プロジェクトが成功したら、速やかに必要な数のリターン品製造・発注に取り掛かりましょう。特に海外メーカーに製造を依頼する場合は、納期に対する感覚が日本と異なることが多く、遅延が発生しやすい傾向にあります。

例えば、2ヶ月で納品と事前に伝えられていても、実際には3ヶ月以上かかることも珍しくありません。メーカーとの交渉段階で、納期を明確に取り決め、遅延時のペナルティや不良品対応についても確認しておきましょう。

また、予備在庫を確保しておくことも重要です。万が一不良品が混入していても、予備があれば支援者に迷惑をかけずに対応できます。

顧客データ(支援者情報)の収集とクレンジング

多くのクラファンプラットフォームでは、プロジェクト成功後に支援者情報をCSV形式でダウンロードできます。このデータには、氏名、住所、電話番号、支援コース内容などが含まれています。

ただし、ダウンロードしたデータをそのまま使うのは危険です。住所の誤入力(全角・半角の混在、郵便番号の不一致など)や電話番号の欠落といったエラーが含まれていることがあります。

発送前に必ずデータクレンジングを行いましょう。具体的には、以下の点を確認してください。

データクレンジング
データ内の誤り、重複、欠損、表記の揺れといった不備を修正・削除・正規化し、データの品質を高める作業のこと。

データクレンジングのチェック項目
  • 住所の表記統一(都道府県名の有無、番地の表記など)
  • 郵便番号と住所の整合性チェック
  • 電話番号の桁数確認
  • 同一支援者の複数リターンを統合

これらの作業を怠ると、誤配送や配送遅延の原因になります。

リターン商品の検品と丁寧な梱包

商品が手元に届いたら、検品作業を行ってください。検品の際は以下の点を確かめてください。

検品項目
  • 発注数量と実際の納品数量が合っているか
  • カラー・サイズ違いなど、仕様の異なる商品が混入していないか
  • 初期不良や破損品がないか
  • 付属品がすべて揃っているか

不良品をそのまま発送してしまうと、支援者からのクレームやプロジェクトへの不信感につながります。特にクラファンでは、支援から到着まで数ヶ月待った末に不良品が届くと、支援者の失望は非常に大きくなります。

検品が終わったら、次はリターン品の梱包作業に移ります。梱包は商品の安全性を守るだけでなく、支援者が受け取ったときの印象・ブランドイメージにも関わる重要なステップです。

以下の点に気をつけつつ、丁寧な作業を心がけてください。

支援者の印象をUPさせる方法
  • 商品が輸送中に傷つかないよう、適切な緩衝材を使用する
  • 可能であれば、お礼状やメッセージカードを同梱する
  • 商品の取扱説明書を日本語で用意する(特に海外製品の場合)
  • プロジェクトのロゴや世界観を反映したパッケージデザインを検討する

最適な配送方法・業者を選び、発送を依頼

梱包が完了したら、配送作業をおこないます。支援者数が少ない場合は自社で発送することも可能ですが、数百件を超える場合は発送代行サービスの利用を検討しましょう。

自社発送の場合は、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便のゆうパックなどが選択肢となります。発送時には、送り状に差出人名・プロジェクト名を明記し、支援者がすぐに内容を理解できるようにしましょう。

一方、数百件を超える大量発送の場合は、物流のプロに任せる方が安心です。次のセクションで、発送代行サービスについて詳しく解説します。

発送後のフォローアップと最終報告

発送後、クラファンのプラットフォーム上で各支援者に対し、発送完了の連絡処理を行います。多くのサービスでは支援者リストから発送状況を更新できる機能があるため、追跡番号の通知や発送完了メッセージを送り、支援者が自分のリターン品が今どの状況か把握できるようにします。

また、活動レポートでは全てのリターンの発送が完了した旨を発信してください。併せてプロジェクトの今後の展開や、支援者への改めての感謝を伝える場としても活用することで、プロジェクト全体の満足度向上につながります。

活動レポートや支援者へのメール作成に使える、サンクスメールの雛形を無償で配布しています。こちらから登録して受け取ってください。

国内発送のコツは良い発送業者を見つけるコト

クラファンの発送において、最も重要なのが信頼できる発送業者を見つけることです。特に支援者数が多い場合、短期間で大量の発送を行う必要があるため、プロの力を借りることが成功の鍵となります。

自社でリターンを発送する場合

自社でリターンを発送する場合、国内の主要な宅配業者を利用することをオススメします。主要業者とその特徴を簡単にまとめます。

ヤマト運輸(クロネコヤマト)

宅急便で知られる最大手の配送業者で、配送スピードの速さ・営業所や取扱店の数が多さなど、利便性が高い。小口から大口まで対応可能で、追跡サービスや時間帯指定などサービスも充実しています。

佐川急便

大手物流会社の一つで、法人利用が多い傾向です。大型荷物や法人宛て配送に強みがあり、コスト面で有利なケースもあります。地域によっては配送スピードも高速です。

日本郵便(ゆうパック)

郵便局の宅配サービスで、全国津々浦々へのネットワークが強みです。土日祝も配達可能で、郵便局留めなど独自のサービスがあります。料金面ではサイズによって他社より安くなる場合もあります。

これらの国内大手3社はいずれも全国的な配送網と追跡機能を備えており、信頼性が高いため、どの業者を利用しても問題ありません。ただし、プロジェクトの規模やリターン品のサイズ・重量によって、最適な業者は異なります。

配送先や荷物のサイズ・重量に応じた送料は、必ず事前に見積もっておきましょう。できれば、リターン内容を設計する段階で、どの業者を利用し、発送費としてどの程度のコストがかかるのかを想定し、リターン価格を設定することをおすすめします。

自社発送の時間的コスト~1週間はかかる

一見すると、自分たちで梱包・発送すればコストを抑えられると思いがちですが、実際にはかなりの手間と時間がかかります。

300件のリターン品を発送するコスト
  • 梱包作業(1件あたり5〜10分) → 25〜50時間
  • 送り状の作成・貼付(1件あたり2〜3分) → 10〜15時間
  • 配送業者への引き渡し作業・やり取り → 5~10時間

合計すると、数日から1週間近くの作業時間が必要になります。さらに、この間は他の業務が停滞することも考慮しなければなりません。

また、作業スペースの確保も問題です。商品の一時保管、梱包作業、完成品の保管など、広いスペースが必要になります。オフィスや自宅で対応できる規模であれば良いですが、大量発送の場合は物理的に難しくなります。

大量発送は発送代行サービスに任せるメリット

発送代行サービスとは、商品の保管から梱包、発送までを一括して請け負ってくれる物流のプロフェッショナルです。発送代行サービスを利用するメリットは多岐にわたります。

作業時間の大幅削減

梱包・発送作業から解放されるため、本来のコア業務(製品開発、マーケティング、次回プロジェクトの準備など)に集中できます。

専門的な検品・梱包体制

プロの検品担当者が品質管理を行うため、不良品の混入リスクが低減します。また、商品特性に応じた適切な梱包方法を熟知しているため、破損リスクも抑えられます。

大量発送への対応力

短期間で数百〜数千件の発送にも対応できる体制が整っています。繁忙期であっても、リソースを確保して納期遅延を防ぎます。

システム連携による効率化

多くの発送代行サービスでは、支援者データの一括取り込み、送り状の自動発行、追跡番号の自動連携などが可能です。これにより、手作業によるミスを防ぎ、配送状況をリアルタイムで把握できます。

割引運賃の適用

大手運送会社と提携している代行業者では、個人で契約するよりも安い運賃で配送できることがあります。代行手数料を含めても、自社発送とコストが大きく変わらないケースも少なくありません。

発送代行サービスを選ぶコツ

発送代行サービスは数多く存在しますが、クラファンに適したサービスを選ぶには、以下のポイントを確認してください。

キャパシティとスケーラビリティ

クラファンは短期間で大量の発送を行う集中出荷が特徴です。繁忙期でも対応できるキャパシティを持っているか、事前に確認しましょう。

システム連携能力

WMS(倉庫管理システム)とのAPI連携、追跡番号の自動発行機能、在庫状況のリアルタイム確認など、デジタル連携が充実しているサービスを選びましょう。進捗報告の透明性が向上し、支援者への迅速な情報提供が可能になります。

品質管理体制

検品や梱包のチェックリスト運用、破損率の実績データなど、品質管理の具体的な取り組みを確認しましょう。不良品による顧客不満を抑制するには、この点が非常に重要です。

柔軟なカスタマイズ対応

ブランドの世界観を反映した梱包(オリジナルの化粧箱、メッセージカードの挿入など)に対応してくれるかも重要なポイントです。支援者にとって、開封体験は商品価値の一部となります。

国際物流対応力

海外の工場から商品を輸入して国内で輸送する場合、国際発送の実績やインコタームズへの対応能力も確認しましょう。通関サポートや各国の規制に関する知識が豊富な業者を選ぶことで、トラブルを回避できます。

代表的な発送代行サービスとしては、オープンロジ・ハッピー転送・テラロジなどがあります。各サービスの料金体系や対応範囲を比較検討し、自社のプロジェクト規模に合ったパートナーを選びましょう。

国際輸送の専門知識

クラファンで扱うリターン品の中には、海外の工場で製造される製品や、海外企業から仕入れる商品も少なくありません。その際に避けて通れないのが国際輸送です。

ここでは、輸入時に押さえるべき基本ルールと、特に重要なインコタームズ(Incoterms)の考え方を解説します。

海外輸送の流れと輸送方法の特徴

海外メーカーに商品を発注し、日本国内に輸入する際には、いくつかの重要なステップがあります。

輸出入規制の確認

まず、リターン品が輸出入規制の対象になっていないか確認しましょう。特に高性能な電子機器や特定の技術を搭載した製品は、輸出貿易管理令により厳格なチェックが必要です。

さらに、海外製品を日本国内で販売・配布する場合は、日本独自の技術基準や安全基準にも適合しているかを必ず確認してください。具体的には以下の法律・規制に該当する可能性があります。

PSE(電気用品安全法

電気製品(充電器、バッテリー、家電など)にはPSEマークが必須です。PSE認証のない製品は国内で販売・配布できないため、輸入前に必ず取得状況を確認しましょう。

技適法(電波法の技術基準適合証明)

Bluetooth・Wi-Fiなど無線通信を使う製品は「技適マーク」がないと日本国内で使用・販売できません。クラファンのリターン品として提供する場合も適合証明が必要です。

食品衛生法(食器・調理器具・食品を扱う製品)

海外工場で製造された食器、ステンレス容器、調理家電、食品そのものなどは食品衛生法の規制対象です。材料検査・成分検査の提出を求められることもあるため要注意です。

薬機法(美容機器・サプリ・化粧品類)

美容関連機器や化粧品・サプリメントは、薬機法の規制に該当する可能性があります。広告表現にも制限があるため、輸入前に必ず確認してください。

クラファンで関わってくる法律関連の情報は、こちらか詳細をたしかめてください。

インボイスとパッキングリストの作成

メーカー側に、正確なインボイス(商業送り状)とパッキングリストを作成してもらいます。インボイスには、商品の正確な品目コード(HSコード)を記載しなければなりません。

HSコードは、世界共通の商品分類コードで、これが正確に記載されていないと通関でトラブルになります。

インボイス:主に商品の品名、種類、数量、価格、契約条件や取引条件などが記載された書類。
パッキングリスト:輸送される貨物の梱包内容(品目・数量・荷姿・箱番号等)を詳細に記載した書類
HSコード:世界税関機構(WCO)が管理する国際的な商品分類番号で、輸出入される商品ごとに割り当てられている世界共通の6桁の分類コード

配送方法の選択

海外からの輸入には、主に以下の2つの方法があります。

航空便(国際宅配便)

FedExやDHLなどの国際クーリエを利用します。ドアツードアで迅速に届けられますが、費用は割高になります。小ロットや納期が厳しい場合に適しています。

メーカーが契約している配送業者を利用するのが一般的で、条件が良ければメーカーの契約業者に任せるのが手間も少なくおすすめです。

船便(海上輸送)

コンテナを使った大量輸送に適しており、コストは航空便より安くなります。ただし到着まで20〜30日程度かかるため、納期に余裕が必要です。

船便の場合は、ピックアップから納品まで一貫対応してくれる物流業者に依頼すると初心者でも安心です。

輸送費用やコストを含めた契約を結ぶ

航空便と船便、輸送方法で費用は異なりますが、どちらの手段を選ぶにしても「誰がどの費用やリスクを負担するのか」を契約段階で明確にしてください。

契約条件を曖昧にしてしまうと、輸送途中で発生した破損・紛失・関税などのトラブルで思わぬコストが発生することがあります。契約時には以下のポイントを意識しましょう。

関税・消費税・通関手続きの確認

輸入時には関税や消費税が発生する場合があります。商品カテゴリによって税率や必要書類が異なるため、事前に調べておきましょう。

輸入禁止・制限品目の確認

特定の素材や電子機器などは輸入に許可(PSE認証や技適)が必要な場合があります。経済産業省や税関のウェブサイトで最新情報を確認することをおすすめします。

保険加入の検討

輸送中の破損や紛失に備えて、貨物保険への加入を検討しましょう。特に高額なリターン品を扱う場合は必須です。

インコタームズについて

国際取引で頻繁に登場するのが、インコタームズです。

インコタームズとは
インコタームズ(Incoterms:International Commercial Terms)は国際貿易における費用負担(Cost)と危険負担(Risk)の境界線を定義する、世界共通のルールです。メーカーとの契約時に、このルールを明確に取り決めることで、予期せぬコスト増や責任の押し付け合いを防げます。

各インコタームズにおける買い手・売り手の責任を視覚的にまとめました。

クラファンで海外メーカーから商品を輸入する際に使われる主なインコタームズは以下の通りです。

インコタームズ選択のポイント

インコタームズは以下のポイントをもとに判断してください。

国際輸送の経験が少ない場合

DAPやDDPなど、メーカー側が輸送の大部分を担当してくれる条件を選びましょう。特にDDPであれば、関税込みで日本国内まで届くため、通関手続きの心配がありません。

コストを抑えたい場合

FOBやCIFを選び、自社で物流業者(フォワーダー)を手配すると、コストを抑えられることがあります。ただし、通関や輸送の知識が必要になるため、信頼できる物流業者のサポートが不可欠です。

メーカー交渉でのポイント

インコタームズは、メーカーとの交渉段階で決定します。メーカーが契約している配送業者の条件が良ければ、メーカー側に輸送を任せる方が手間も少なくおすすめです。

一方、自社で物流業者を選びたい場合は、FOBやCIFを選択し、ピックアップから納品まですべてお任せできる業者に依頼するのが安心です。

インコタームズは単なる輸送ルールではなく、取引全体のリスク分担契約です。契約前に輸送業者や貿易実務に詳しい専門家へ確認しておくと、スムーズに交渉をおこなえます。

発送トラブル時のトラブルシューティング

どれだけ丁寧に準備しても、トラブルが完全にゼロになることはありません。しかし、適切な準備と対策を講じることで、トラブルの発生率を大幅に下げ、万が一発生した際の被害も最小限に抑えられます。

ここでは、クラファンの発送作業で起こり得るトラブルと対処方法について解説します。

遅延時は逐一活動報告や直接連絡で情報共有

納期遅延はクラファンで最も多いトラブルの一つです。製造の遅れ、通関手続きの長期化、天候不順など、実行者のコントロール外の要因で遅延が発生することもあります。

重要なのは、遅延の兆候が見えた時点で、プロアクティブに支援者へ報告することです。

支援者が最も不満を感じるのは、「何の連絡もなく、いつまでも商品が届かない」という状況です。逆に、定期的に進捗を報告し、遅延の理由と今後の見通しを誠実に伝えていれば、支援者の寛容度は格段に上がります。

報告時のポイント
  • 客観的なデータ(製造進捗率、写真、動画など)を使って現状を伝える
  • 遅延の理由を正直に説明する(隠さない)
  • 新たな納期見込みを具体的に提示する
  • 今後の対応策を明示する

配送は余裕を持ったスケジュールで組む

納期遅延を防ぐ最も確実な方法は、最初から余裕を持った納期を設定することです。

クラファンの特性として、実行者は製品の魅力を最大化するため、やや楽観的な納期を提示しがちです。しかし、予定通りに進むプロジェクトはむしろ少数派です。

特に海外メーカーに製造を依頼する場合、納期に対する感覚が日本と異なることが多く、遅延が発生しやすい傾向にあります。

前述の受取完了までのタイムスケジュールでも記載したように、全体で3〜6ヶ月程度を見込んでおくのが現実的です。また、以下のバッファを設定しましょう。

遅延の起きるポイントとバッファ
  • 製造期間:見積もりに対して20〜30%のバッファ
  • 輸送期間:通常より1〜2週間長めに設定(特に海外輸入の場合)
  • 通関手続き:予期せぬ遅延に備えて1週間程度の余裕
  • 検品・梱包期間:予備日を必ず確保

情報の誤記入・住所移転の可能性を探る

クラファンでは、支援者が情報を登録してから実際の発送まで、数ヶ月の期間が空きます。その間に引っ越しをされる方も少なくなく、本来届けられるはずのリターンが住所情報の不備として差し戻される原因となります。

住居情報の不備を防ぐため、以下の方法を講じてください。

発送前の住所確認

活動報告や個別メッセージで、「○月○日現在の登録住所で発送します。変更がある方はご連絡ください」と周知します。

プロジェクト終了から発送まで期間が空いてしまうため、引っ越し等により登録されている住所と現住所が異なっている場合があります。

データクレンジングの徹底

郵便番号と住所の整合性、番地の記載ミス、電話番号の欠落など、データエラーを事前にチェックします。特に全角・半角の混在や、都道府県名の有無など、細かい表記のばらつきを統一しておくことで、配送業者のシステムエラーを防げます。

差出人情報の明記

荷物の差出人欄に「プロジェクト名」や「リターン品である旨」を明記することで、受取人が内容をすぐに理解でき、受取拒否を防げます。

時間が経つと、支援者自身が「何を注文したか」を忘れているケースもあり、送り主や内容が書かれていないと受取拒否され返送されてしまうこともあります。

不在時の対応方法を事前周知

配送業者の不在票の見方、再配達の依頼方法、コンビニ受け取りなどの選択肢を、活動報告で共有しておくと親切です。特に日中不在が多い支援者にとって、この情報は非常に有用です。

まとめ

クラファンの成功は、支援金を集めた瞬間ではなく、リターンを支援者へ確実に届けることで初めて完成します。そのためには、発送計画を早期に立て、製造・検品・梱包・発送・報告といった一連の流れを戦略的に進めることが重要です。

クラファンで最もトラブルが起きやすいのがこの発送フェーズであり、特に海外製品を扱う場合の国際輸送や、納期遅延・住所不備 といった頻出トラブルへの対策は、支援者の信頼を維持するために不可欠です。

数百件を超える発送作業は膨大な時間とリソースを要しますが、発送代行サービスを賢く活用して、効率的なクラファン運営を行ってください。

とはいえ、いきなり本記事の内容を自社だけで実行することは簡単ではありません。弊社LeaguEでは、海外商品のリサーチや海外企業との交渉、その後のクラファン実施までを含めたフルサポート体制を整えています。クラファンの企画から実施まで、無料でご相談を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

【CF NEWS運営担当&ライター】
LEAGUEではクラウドファンディング専門メディアの運営を担当。
プロジェクトページの執筆をはじめ、物販ノウハウを学べる教育用コンテンツの制作など、多角的に情報発信を担っている。
「初心者でも理解しやすく、すぐに実践できる記事づくり」が信条。
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