
ビックリマンのクラファンって何?



滋賀県とのコラボ企画で、芸人のくっきー!さんも参加したんだよ。
クラウドファンディング(以下クラファン)は資金集めの手段だけではありません。観光や地域産業、IP(知的財産)との相互作用により、新たな観光客の来訪や現地での商品購買といった、実際の行動を生む強力なマーケティング方法としても成り立ちます。
2024年、滋賀県道の駅連絡会が実施したクラファン「巡れ滋賀を、ビックリマンと共に!!」はその好例で、約900万円もの支援を集めました。限定ビックリマンBIGシールや信楽焼、くっきー!(野性爆弾)とのコラボなど「滋賀らしさ×人気コンテンツの掛け算】で支援と来訪の両方を動かしました。
この記事ではクラファン成功の要点と学び、そして中小企業や個人経営者が自社の新規事業に応用するコツをわかりやすく解説します。
滋賀県道の駅連絡会がクラファンを行った理由と結果


まずは、今回取り上げるプロジェクトがどのようなものだったのか、その概要と結果から解説します。
滋賀県を盛り上げる周遊ラリープロジェクトが発足
2024年、クラファン・CAMPFIREにて、「巡れ滋賀を、ビックリマンと共に!!道の駅、滋賀周遊キャンペーンを盛り上げたい!!」というプロジェクトがスタートしました。これは、滋賀県道の駅連絡会が主体となり、県内19ヶ所の道の駅を巡る周遊ラリーを活性化させることを目的としたものです。
実際に周遊ラリーに参加して条件をクリアすると、限定のビックリマンBIGシール(スーパーデビル、始祖ジュラ、サタンマリア、魔肖ネロ)をゲットでき、4種揃えた方対象で応募できる限定390枚のシールがもらえるキャンペーンも行われていました。
また、クラファンで1万円以上支援した方には、限定シールのデザイン違いが送られるという特別仕様も用意されていました。
890万円の資金調達に成功


本プロジェクトは、2024年4月15日に開始し、わずか半月後の5月2日には目標金額390万円を達成するという素晴らしいスタートをきりました。最終的には551人の支援者から約892万円もの支援を獲得しています。
成功の最大の要因は、何と言っても「ビックリマン」という強力なコンテンツとの公式コラボレーションです。また、地元出身タレントであるくっきー!(野性爆弾)をRP大使として招き、地域の枠を超えた集客力を生みました。
加えて、ビックリマンシールにコレクター性をもたせていることも有効的でした。全部ゲットするためには実際に周遊ラリーに参加してもらう、支援金1万円以上支援してもらうなど、行動を促す施策が盛り込まれていました。
地域の魅力と、誰もが知る人気コンテンツを掛け合わせることで、地元のファンだけでなく、昭和世代やコレクターといった、これまでとは異なる層へもアプローチすることに成功しました。この事例は、地方創生におけるクラファンの新たな可能性を示した好例と言えるでしょう。
クラファンの基本とオリジナリティあふれるリターン事例


クラファンの基本的な流れは、意外とシンプルです。
クラファンの基本と流れ
クラファンを簡潔に説明すると、「インターネットを通じて「こんなことをやりたい!」と発信し、それに共感した人たちから少しずつ資金を集める仕組み」です。
従来の銀行融資との大きな違いは、審査の厳しさやスピード感。銀行だと事業計画書を作って、審査を受けて…と数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。一方クラファンなら、アイデアと熱意次第で、数日で目標額に到達することも可能です。
クラファン実施までの主な流れは、以下の通りです。
「何のために資金を集めるのか」というプロジェクトの核を固めます。例えば、新商品の開発費用・新店舗の開店資金など、具体的で共感を呼びやすいテーマを設定することが成功への第一歩です。
支援してくれた人への感謝のしるしである「リターン」は、プロジェクトの魅力を大きく左右する重要な要素です。商品やサービスだけでなく、アスルクラロ沼津の事例のように、その事業者だからこそ提供できる「特別な体験」は非常に人気があります。
プロジェクトの準備が整ったら、CAMPFIREやMakuakeといった専門のプラットフォームに登録し、プロジェクトページを公開します。そして公開後は、SNSやプレスリリース、既存顧客へのメルマガなどを活用し、一人でも多くの人にプロジェクトの存在を知ってもらうための地道な情報発信が不可欠です。
滋賀のプロジェクトが仕掛けた体験型リターンの魅力
滋賀県道の駅連絡会のプロジェクトでは、ビックリマンとのコラボならではのユニークなリターンが用意されていました。
限定デザインのビックリマンBIGシール
周遊ラリーの景品や、クラファン支援者限定のデザインなど、ここでしか手に入らない特別なシールが用意されました。コレクターならずとも欲しくなる、魅力的なリターンです。




伝統工芸「信楽焼」とのコラボグッズ
滋賀の伝統工芸である信楽焼で人気キャラクター「ブラックゼウス」を制作するなど、地域資源を活かしたユニークなグッズも登場しました 。これは、”滋賀ならではの体験価値”を大きく高めることに繋がりました。


野性爆弾くっきー!さんとのコラボシール
本キャンペーンのPR大使を務めた野性爆弾 くっきー!さんと、人気キャラクター「聖フェニックス」がコラボした『茎フェニ太郎』の限定シールもリターンとして用意されました。限定390枚という希少性も、ファンの心をくすぐりました。


高額支援者向けの特別リターン
法人向けのフリーペーパー掲載権、目標達成後には10万円という高額ながらも各5点限定の特大パネルやが追加リターンとして登場 。熱心なファンに向けた特別な選択肢を用意したことも、支援の広がりを生んだ一因です。


これらの事例からわかるように、「限定性・希少性・コラボならではの付加価値」をいかにリターンに盛り込めるかが、多くの支援・注目を浴びるカギです。
滋賀のプロジェクトの成功事例から見る、成功するクラファンのコツ


滋賀のクラファン事例を参考に、中小企業の経営者が自社のプロジェクトに応用できる3つのポイントに絞って解説します。
誰に届けたい?ターゲットを明確にする
まず最も大切なのが、誰にこのプロジェクトを支援してもらいたいのかを具体的に定めることです。ターゲットが曖昧なままでは、メッセージもリターンも誰にも響きません。
- 滋賀県内の住民や観光客
- ビックリマンを懐かしく思う昭和世代の男女
- シールを収集するコレクター層
上記のように、本プロジェクトでは複数のターゲットを明確に設定していました。ターゲットを絞ることで、企画内容やリターンの方向性が定まり、より効果的なアピールが可能になります。
自社の製品やサービスは「誰のどんな課題を解決するのか、誰が最も喜んでくれるのか」を徹底的に考えてみましょう。
“来訪・参加”までデザインする
オンライン完結のクラファン支援者だけでなく、現地体験(周遊・スタンプ・引換)を組み込むことで、支援が地域の実来訪に転換します。実際に人が現地を訪れることで、観光・飲食・物販の波及効果を生みました。
中小企業でも、クラファンだからといってオンラインで終えるのでなく、店舗来店・催事参加・ワークショップなど行動を伴う仕掛けを一つ入れると、支援後のファン化が進みます。
IP(ビックリマン)×地域資源の限定設計
限定デザイン・数量・期間を明確化すると、支援者の「今、支援する理由」に繋がります。特にコンプリート要素や抽選限定(390枚)は効果が高く、SNSでの自発的拡散も誘発します。
自社でIPが無い場合も、ご当地キャラ・地元アーティスト・老舗ブランドなど地域発の権威資産とコラボできないか検討をしてみてください。
まとめ


滋賀県道の駅連絡会とビックリマンのコラボ事例は、クラファンが単なる資金調達の手段にとどまらないことを教えてくれます。
- 体験設計
- 限定性
- 情報発信
- 地域連携
「うちは小さな会社だから」「地方だから」という理由で諦める必要はありません。今回の滋賀県道の駅連絡会の事例が証明しているように、アイデアと戦略次第で大きな成功を収めることが可能です。
本記事を読んで、クラファンって面白そうと感じたひとは、ぜひともクラファンに向けた準備を始めてください。「クラファンっていっても、何から初めたらいいのかわからいよ…」という方は、弊社LeaguEにおまかせください。
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