凱旋門賞×クラウドファンディング|心を動かし支援を得るコツ

競馬の凱旋門ってあるけど、なぜ新聞社がクラウドファンディングを?

クラウドファンディングと聞くと「新しい商品開発の資金調達」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし近年では、スポーツや文化活動など幅広い分野で活用されるようになっています。その代表例のひとつが、世界最高峰の競馬レース・凱旋門賞をめぐるクラウドファンディングです。

一見、全く接点のないように思えるクラウドファンディングと凱旋門賞ですが、新聞の広告枠に名前を載せる権利を得るリターンに234人・110万円の支援が集まりました。この二つが結びついた事例には、単なる資金調達に留まらない、現代のビジネスに不可欠なファン作りと共感を呼ぶストーリーテリングの極意が隠されています。

本記事では、凱旋門賞という大きな夢をファンと共に応援したクラウドファンディングの事例を紐解きながら、中小企業や個人事業主の皆様が自社のビジネスに活かせる成功のコツを分かりやすく解説します。

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目次

凱旋門賞×クラウドファンディングが開催された意味と結果

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凱旋門賞はフランスで毎年開催される世界最高峰の競馬レースです。 日本の競馬界にとっては悲願ともいえるこのレースに、多くの名馬が挑戦してきました。

新型コロナが生んだ「新しい応援の形」

毎日新聞がクラウドファンディングに挑戦した背景には、2021年当時の社会情勢が大きく関わっています。新型コロナウイルスの影響で海外渡航が困難になり、例年なら現地に駆けつけていた競馬ファンたちが日本馬を応援する手段が限られてしまったのです。

パブリックビューイングも感染対策で制限される中、「ファンの想いをどう伝えるか」という課題が浮上しました。そこで毎日新聞が考え出したのが、クラウドファンディングを活用した紙面応援広告という新しいアプローチでした。

参照:世界最高峰のレース「凱旋門賞」に出走する日本馬にエールを送ろう!(CAMPFIRE

プロジェクトページでは、プロジェクトをおこなうに至った経緯が説明されています。

新型コロナウイルスの猛威はいまだ世界中で衰えず、現地やパブリックビューイングで声援を送るのは難しい状況が続いています。そこで毎日新聞では、今回出走する日本馬2頭およびその関係者の方々へ、全国の競馬ファンからの応援の気持ちを特別紙面で届ける企画を立ち上げました。(CAMPFIRE

「応援したい」気持ちをビジネスモデルに転換

競馬ファンにとって凱旋門賞は特別な存在です。1969年のスピードシンボリから半世紀以上にわたって日本馬が挑戦し続けているものの、いまだ優勝を果たせていない悲願のレース。だからこそ、多くのファンが何か力になりたいという想いを抱いています。

毎日新聞はこの応援したいという感情を、具体的な行動に結びつける仕組みを提供しました。単に頑張れと声援を送るのではなく、実際に支援者の名前が新聞紙面に掲載され、それが現地の関係者に届くという明確な価値を作り出したのです。

従来であれば新聞社が自社の企画費用で広告を制作するところを、クラウドファンディングにすることで

  • ファンが「参加している」実感を得られる
  • 支援者の想いが目に見える形で紙面に現れる
  • プロジェクト自体がニュース性を持つ

といった相乗効果を生み出しました。

経営者が学ぶべき「課題発見力」

この事例で注目したいのは、毎日新聞の課題発見力です。コロナ禍という制約の中で「ファンが困っていること」を的確に把握し、それを解決する手段としてクラウドファンディングを選択しました。

新規事業を考える際も、同様の視点が重要です。

  • 顧客が本当に困っていることは何か?
  • 従来の解決方法では対応できない新しい課題が生まれていないか?
  • その課題を解決することで、どんな価値を提供できるか?

毎日新聞の事例は、既存のサービス(新聞広告)を新しい資金調達方法(クラウドファンディング)と組み合わせることで、まったく新しい価値を創造した好例といえるでしょう。

クラウドファンディングでは新規性が重視されるため、リターン(商品やサービス)の選定が成功の鍵となります。下記記事では、魅力的なリターンを見つける方法を解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

クラウドファンディングの基本

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クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、「Crowd(群衆)」と「Funding(資金調達)」を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める仕組みのことです。

従来の資金調達といえば、銀行からの借入や投資家からの出資が主流でした。しかしクラウドファンディングでは、プロジェクトの内容に共感した一般の人々から、比較的少額の資金を多数集めることで目標金額を達成します。

クラウドファンディングの主な種類

購入型(リワード型)

商品やサービス、体験などをリターンとして支援者に提供するタイプ。毎日新聞の事例もこれに該当し、支援者には記念品のクリアファイルと名前入り新聞紙面が提供されました。

寄付型

社会貢献活動や災害支援など、見返りを求めずに純粋に応援したいプロジェクトに使われます。

金融型

投資型や融資型とも呼ばれ、支援者がリターンとして金銭的な見返りを受け取るタイプです。

株式型

未上場企業の株式を取得できるタイプで、将来的な企業価値向上による利益を期待する投資形態です。

中小企業の新規事業で最も活用しやすいのは購入型クラウドファンディングです。自社の商品やサービスを魅力的に紹介し、それに共感した支援者から資金を調達できるため、テストマーケティングとしての側面も持ちます。

クラウドファンディングのメリット・デメリット

クラウドファンディングは従来の資金調達方法(銀行からの融資など)とは異なり、ネットを使って多くの人から資金を得るからこそのメリット・デメリットがあります。


メリット
  • 初期費用を抑えて事業をスタートできる
  • 市場ニーズを事前に検証できる
  • 支援者がそのまま顧客になる可能性が高い
  • メディアに取り上げられやすく、宣伝効果も期待できる
  • 銀行融資と違い、返済義務がない(購入型の場合)

デメリット
  • 目標金額に達しない可能性がある
  • プロジェクト内容を公開するため、アイデアが模倣される恐れがある
  • 支援者への対応やリターン発送などの労力がかかる
  • プラットフォーム手数料(一般的に調達額の5-20%程度)が発生する

凱旋門賞の成功事例から見る、成功するクラウドファンディングのコツ

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凱旋門賞の事例から、中小企業や個人事業主の皆さんが自社のプロジェクトを成功させるための具体的なコツを3つご紹介します。

共感を呼ぶストーリー設計

毎日新聞のプロジェクトが成功した最大の要因は、競馬ファンの心に深く響くストーリーを描いたことです。

1969年のスピードシンボリによる凱旋門賞初挑戦から半世紀以上。数々の日本馬が世界最高峰のレース凱旋門賞に果敢に挑むも、欧州調教馬の牙城をいまだに崩せず、日本のホースマン、競馬ファンの悲願は達成されていません。しかし挑戦を続けなければ歴史の扉は開きません。(CAMPFIRE

この文章からは、単なるレース応援を超えた深い意味が伝わってきます。半世紀にわたる挑戦の歴史、幾度となく繰り返された敗戦、それでも諦めずに挑み続ける姿勢。これらの要素が組み合わさることで、競馬ファンの心を強く揺さぶるストーリーが完成しています。


中小企業への応用ポイント
  • 自社の商品・サービスに込められた想いを明文化する
  • 創業者の体験談や開発秘話を盛り込む
  • 社会課題の解決や顧客の困りごとに対する真摯な姿勢を示す

「参加感」を演出するリターン設計

一般的なクラウドファンディングでは商品そのものがリターンになることが多いのですが、毎日新聞のプロジェクトは一味違いました。支援者の名前(ニックネーム)を新聞紙面に掲載するという、まさに参加している実感を得られるリターンを用意したのです。

これにより支援者は

  • 単なるお客さんではなくプロジェクトの一員になれる
  • 自分の名前が新聞に載るという特別感を味わえる
  • 日本馬の応援に直接関わっているという満足感を得られる

さらに、記念品として制作された限定クリアファイルには、「凱旋門賞当日に現地パリロンシャン競馬場で弊社契約カメラマンが撮影した写真を使用した限定品」が採用され、プロジェクトの特別感を高めています。


中小企業への応用ポイント
  • 顧客が共創者として関われる仕組みを取り入れる
  • 記念品やノベルティには限定性や物語性を持たせる
  • 支援者同士のコミュニティ形成をサポートする

メディア活用による拡散効果

新聞社という媒体特性を活かし、クラウドファンディング自体がニュース価値を持つように設計されています。プロジェクトの告知から進捗報告、結果発表まで、一連の流れが自然にメディア露出につながる構造になっています。

また、競馬という多くの人に馴染みのあるテーマを選んだことで、競馬ファン以外の層にも関心を持ってもらいやすくなりました。


中小企業への応用ポイント
  • プロジェクト自体にニュース価値を持たせる
  • プレスリリースを効果的に活用する
  • SNSでシェアしたくなる要素を盛り込む

まとめ

毎日新聞の凱旋門賞応援プロジェクトは、クラウドファンディングの可能性を広げた画期的な事例でした。従来の商品を売るという発想を超えて、体験を共有する・物語に参加するという新しい価値を提供することで、多くの支援者の心を掴みました。

クラウドファンディングを成功に導く3ポイント
  • ストーリーの力を活用する
  • 顧客を参加者にする
  • メディア特性を理解する

クラウドファンディングは単なる資金調達手段ではありません。顧客との新しい関係性を築き、事業の可能性を広げるためのマーケティング手法としても非常に有効です。

毎日新聞が競馬ファンの想いをビジネスモデルに昇華させたように、あなたの事業にも必ず支援したいと思ってくれる人がいるはずです。その人たちと共に夢を追いかける関係性を築くことができれば、きっと事業成功への道筋が見えてくるでしょう。

本記事ではクラファンの部分的なことのみをお話しましたが、プロジェクトの準備や運営には、多くの専門的な知識が求められることも事実です。プロジェクトの成功に向けて専門的なアドバイスが必要な方は、ぜひLEAGUEにご相談ください

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この記事を書いた人

【CF NEWS運営担当&ライター】
LEAGUEではクラウドファンディング専門メディアの運営を担当。
プロジェクトページの執筆をはじめ、物販ノウハウを学べる教育用コンテンツの制作など、多角的に情報発信を担っている。
「初心者でも理解しやすく、すぐに実践できる記事づくり」が信条。
読者に寄り添い、わかりやすく丁寧なコンテンツ設計をおこなっている。

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