クラウドファンディングを活用することにより、インターネットを通じて多くの人から少額のお金を集め、プロジェクトや事業のための資金を調達することができます。事業を行っている方や、これからスタートアップで起業をする方も、クラウドファンディングを活用して事業を拡大したいと考えていることでしょう。
しかし、「クラウドファンディングは本当に誰でも、個人で行っても成功できるのだろうか?」と疑問に思う方も少なくありません。特に、大企業や有名人だけが成功できるものだと感じる場合もあるのではないでしょうか。
そもそもクラウドファンディングについてよくわからない、どのような流れで進めるのか、成功のためのコツは?など多くの点を知りたいと思います。
この記事では、クラウドファンディングの基本、個人での成功事例、そして成功のための具体的なステップやコツを詳しく解説します。
クラウドファンディングの基本とメリット
まずはクラウドファンディングの基本的な仕組みや全体の流れ、クラウドファンディングを行うメリット・デメリットについて紹介します。
クラウドファンディングの基本情報
クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の支援者から資金を集める手法です。資金は一口数千円単位の少額から集めることができます。そのため、新しいビジネスアイディアやプロジェクトを立ち上げるために、個人から団体まで広い層の実行者が資金調達の手段として広く利用しています。
支援者は、プロジェクトのアイディアや目的に共感し、資金を提供します。その返礼として、支援者は製品やサービス、特典といったリターンを受け取ることができます。
クラウドファンディングの種類とリターンの違い
クラウドファンディングには、大きく分けて寄付型、購入型、金融型の3つのタイプがあります。
購入型クラウドファンディング
支援者はプロジェクトに資金を提供し、完成した製品やサービスをリターンとして受け取ります。新製品の開発やクリエイティブなプロジェクトなど、最も一般的なクラウドファンディングの形式です。
寄付型クラウドファンディング
社会貢献やチャリティー活動などで利用されるクラウドファンディングであり、支援金は環境保護活動や人道支援などに活用されます。製品やサービスなどの明確な見返りはなく、近況報告のメールやお礼などがプロジェクトにより用意されていることがあります。
金融型クラウドファンディング
実行者は支援者からの支援金を出資という形で受け取るクラウドファンディングです。支援者はプロジェクトに資金を提供し、投資による利益をリターンとして受け取ります。
クラウドファンディングのメリット・デメリット
クラウドファンディングのメリット
・個人レベルで資金調達ができる
クラウドファンディングの最大のメリットは、個人レベルで資金調達ができる点です。特に、これから起業する事業者や中小企業にとって、銀行などの金融機関からの融資は難しい場合があります。しかし、クラウドファンディングでは融資に関する複雑な手続きが不要で、プロジェクトを考え支援者を募ることにより資金調達が可能です。これにより、ビジネスを始めるための初期資金を確保しやすくなります。
・支援者のファン化につながる
クラウドファンディングを通じて、プロジェクトに興味を持つ支援者をファンとして獲得することができます。支援者はプロジェクトの初期段階から関わり、成功を共に喜ぶことで製品やサービスに対する強い思い入れを持ってもらえる可能性があります。これにより、クラウドファンディング後の事業活動においても、安定した収益を見込むことができます。
・テストマーケティングとして利用できる
クラウドファンディングは新しい製品やサービスのテストマーケティングとしても利用できます。市場での需要を事前に確認でき、支援者からのフィードバックを受けることで、製品やサービスの改善を図ることができます。これにより、製品・サービスが市場のニーズにマッチしない場合でも、方向性や計画を修正することができます。
クラウドファンディングのデメリット
・資金を得ることができない
クラウドファンディングにはデメリットも存在します。まず、プロジェクトが支援者にとって魅力的でなかった場合、目標金額に届かず資金を得られない可能性があります。特に、All-or-Nothing方式では目標金額に達しないと資金を受け取ることができないため、プロジェクトが成功しない場合は大きなリスクとなります。一方、All-in方式でも、約束したリターンを提供する義務が生じるために必要な資金が不足するので、プロジェクトの実行が困難になります。
All or Nothing 型
目標金額設定が必要です。そして、プロジェクト期間内に設定金額に達成すると、プロジェクト実行者は応援購入額を獲得できます。目標金額に達した場合のみ、プロジェクト実行者はリターンを提供する義務が生じます。
一方期間内に目標額に達しなければ、集めた資金は支援者に返金されます。
All in 型
プロジェクト期間内に集めた資金は、目標金額に達しなくてもプロジェクト実行者が全額受け取れます。ただし、プロジェクト実行者は集まった金額にかかわらず、リターンを提供する義務が生じます。
支援者はプロジェクトが目標金額に達しなくても、必ずリターンを得ることになります。
・ライバルに模倣される
クラウドファンディングを実施する際には、製品やサービスの情報を公開する必要があるため、第三者にアイディアを真似されるリスクが伴います。資金力のある競合他社がアイディアをコピーして先に商品化されるリスクがあります。このような状況を避けるためには、アイディアの特許出願を検討してください。
・支援者からの信用を失う
プロジェクトが実現しなかった場合や支援者の期待に応えられなかった場合、信用を失う恐れも考えられます。支援者とのトラブルが発生することもあります。そのため、クラウドファンディングを利用する際には、しっかりとした計画と実行力が求められます。
クラウドファンディングに関する基本的な情報はこちらの記事でも解説しています。
個人単位からできるクラウドファンディングの成功実例
クラウドファンディングを個人で成功させた事例について紹介します。成功したプロジェクトには共通する特徴が多く、参考になる点もたくさんありますので、ぜひチェックしてみてください。
個人のクラファン成功事例・お店の運営資金
プロジェクト名:めちゃくちゃ美味しいビリヤニをみんなに食べさせたい。それだけ!
東京・神田にあるビリヤニ専門店「ビリヤニ大澤」の運営資金を集めるためのプロジェクトで、総額13,592,111円の支援が集まりました。
プロジェクトページには、ビリヤニを作る事になった経緯、コロナ禍を経ての葛藤、ビリヤニにかけるこだわりや情熱を感じさせる内容が盛り込まれています。
個人のクラファン成功事例・お店の改装資金
プロジェクト名:『十條湯の存続を守るために!!』併設喫茶を活かす”再生”プロジェクト
伝統ある十條湯の存続を守るために立ち上がったプロジェクトであり、十條湯最大の強みである銭湯・喫茶併設のために改装費用5,241,895円が集まりました。
プロジェクトページは、銭湯業界の苦しい現状から十條湯の復活にかける熱い想いまで綺麗にまとめられています。
学生×まちおこしのクラファン成功事例
プロジェクト名:【若者の夢を叶える!】横須賀を発信するショートムービーをつくって上映したい!
生まれ育った故郷・横須賀市の魅力を映画として発信し、横須賀を舞台にした若者の若者のための若者による作品作りに挑戦したプロジェクトです。FINALゴールである150万円を超える164万円が集まり、支援者数は159人にもなりました。
若者による映像作品を自主制作するという意気込み、限界集落化が進む横須賀市をアピールしたいという、「エンタメ×地域」の要素を組み合わせたプロジェクトページとなっています。
クラウドファンディングの簡単ステップ解説
クラウドファンディングの大筋は、個人、企業を問わずに共通しています。ここからは、クラウドファンディングの各ステップについて解説します。
クラウドファンディングを始める際には、まずプロジェクトの具体的な内容(プロジェクトを行う意義、目標金額、リターン内容、日程など)を明確にしましょう。目標金額は、必要な資金をしっかりと計算して設定することが重要です。
また、支援者に提供するリターンも非常に重要です。リターンは、支援者が価値を感じるものであり、プロジェクトの魅力を高めるものとなります。これらを決めることで、プロジェクトの方向性が明確になり、支援者の関心を引きやすくなります。
設定したプロジェクト内容・目標金額・リターンなどを盛り込んだ、プロジェクトページを作成します。ページにはプロジェクトの詳細、目的、背景、進行状況などを具体的に記載してください。
視覚的な要素も重要です。写真や動画を使って、プロジェクトの魅力を視覚的に伝えることで、支援者の理解と共感を得やすくなります。また、FAQや支援方法の説明も明確に記載しましょう。
また、プロジェクトを実行するクラウドファンディングのプラットフォーム選びも重要です。Makuake、CAMPFIRE、GREEN FUNDINGなどのプラットフォームは、国内で頻繁に利用されています。
各プラットフォームでは、得意とするクラウドファンディングのタイプや手数料に違いがあります。これから行うプロジェクトに最適なクラウドファンディングサイトを選びましょう。
プロジェクトページを完成させてプロジェクトを開始した後は、積極的に広報活動を行いましょう。広報活動では、SNSやブログ、メールマガジンを活用し、できるだけ多くの人にプロジェクトの存在を知らせることが重要です。友人や家族、既存の顧客にも広報を行い、情報を拡散してもらうよう支援を呼びかけましょう。
また、PR Timesなどのニュースサイトでプレスリリースを配信することで、メディアの注目を引くことも効果的です。広報活動はプロジェクトの成功に直結する重要なステップですので、計画的かつ継続的に行いましょう。
支援金が目標金額に達したら、集まった支援金を使ってプロジェクトを実行します。プロジェクトの進行状況を支援者に適時報告し、透明性を保つことが重要です。
プロジェクトが完了したら、支援者にリターンをお届けします。リターンは約束通りに、そしてできるだけ迅速に提供することで、支援者の信頼を得ることができます。
リターン提供後も感謝の意を伝え、支援者との良い関係を築くことで、将来的な支援を得る可能性も高まります。
クラウドファンディングのステップごとに分けた解説はこちらの記事でも解説しています。
結論(Conclusion)
クラウドファンディングは、誰でも挑戦できる資金調達の方法です。この記事では、クラウドファンディングの基本から、個人でプロジェクトを成功させた事例、プロジェクトを行う際の具体的なステップまでを詳しく解説しました。
クラウドファンディングは大企業だけでなく、個人や学生でも、多くの支援者の力を借りて夢を実現することが可能です。プロジェクトの実行計画から終了後のアフターケアまで、計画的な行動を心がけることが成功への鍵です。
今こそ、一歩踏み出してクラウドファンディングに挑戦し、自分のアイディアを形にしてみましょう。
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