
クラウドファンディング×ノーベル平和賞…?
2024年、日本原水爆被害者団体協議会(以下、日本被団協と略称)が、ノーベル平和賞授賞式に被爆者代表団を送り出すため、クラウドファンディングに挑戦しました。
その結果、目標額1,000万円に対し、最終的には約4,470万円(目標の4.5倍)もの寄付が国内外から寄せられる大きな成果を収めました。支援者は5,000人を超え、各地から温かな応援メッセージが集まり、「ノーモア・ヒバクシャ」の願いを共有する輪が広がったのです。
本記事では、この挑戦事例をもとに、クラウドファンディングの社会的意義を解説します。クラウドファンディングを検討している方にも役立つ内容です。
日本被団協がノーベル平和賞を受賞


ノーベル平和賞は、世界平和や人道に貢献した個人や団体に贈られる最も権威ある賞です。
その受賞によって、戦争の悲惨さを訴え核廃絶を求める活動や、人権・貧困問題への取り組みなどが世界的に注目を集めます。
被爆者団体である日本被団協が2024年にノーベル平和賞を受賞したことは、核兵器廃絶運動の長年の努力が認められた象徴的出来事となりました。
日本被団協がクラウドファンディングを実施した背景


ノーベル平和賞を受賞した日本被団協ですが、その理念を伝える活動には多額の資金が必要でした。
もともとノーベル委員会から支給される、授賞式参加のための旅費は代表委員3名分だけで、他の被爆者や介助者、家族の分は自己負担となっていました。
「被爆者本人が現地で声を届けること」に大きな意義をあると考えた日本被団協は、参加予定者全員で授賞式に参加するため、寄付型クラウドファンディングを活用して広く支援を募ったのです。
見返りとなるモノやサービスを提供せず、集まった資金を全額プロジェクトや活動に充てる仕組みです。社会貢献や支援目的で活用されることが多く、寄付者は経済的な利益ではなく、活動の実現や社会的意義そのものに共感して資金を提供します。
日本被団協のプロジェクト概要


日本被団協は、2024年12月にノルウェー・オスロで行われるノーベル平和賞授賞式に、被爆者とその家族、介助者も派遣する計画を立てました。
クラウドファンディングの目標金額は1,000万円に設定されましたが、開始からわずか1日足らずで達成。最終的には5,309人の支援者から4,473万5千円(目標の約4.5倍)もの寄付が寄せられたのです。
集まった資金は、最終的に現地に渡航した被爆者30名の航空運賃・宿泊費に充てられました。残りの約3,000万円は、被爆体験の記録保存、平和教育活動、国内外での証言会開催など今後の平和活動資金として活用される予定です。
このプロジェクトは、被爆者の声を世界の舞台に届けるという目的を実現すると同時に、核廃絶への世論喚起という大きな社会的インパクトをもたらした事例となりました。
クラウドファンディングを通じて社会をより良く


日本被団協の取り組みは、クラウドファンディングが社会にもたらす力を明確に示した事例といえます。資金面の支援にとどまらず、多くの人々の共感や行動を引き出し、社会的なメッセージをより広く届ける原動力となりました。
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