近年、LGやシャオミ、JBLといった有名ブランドに続き、国内外の大手企業がクラウドファンディングに続々と参入しています。市場のリアルな反応をダイレクトに受け取れる手段として注目される一方で、ユーザーとの共創、ブランドの姿勢を発信する手段としても活用されています。
今回は、Polaroid・東レ・富士通ゼネラルという3社が手がけた、クラウドファンディングで話題を呼んだプロジェクトをご紹介。ブランド力だけでなく、支援を集めた“企画力”にも注目し、その成功の理由を探ります。
インスタント写真の再定義。Polaroid「I-2」が日本上陸

新たなインスタント写真体験(GREENFUNDING)
まずご紹介するのは、VISTAL VISION株式会社が展開したPolaroid(ポラロイド)の次世代インスタントカメラ「Polaroid I-2」です。オートフォーカス搭載、マニュアル撮影も可能なプロ仕様で、インスタントの枠を超えた“作品づくり”を可能にします。
目標金額101万円に対し、総支援額は1,200万円以上。189人からの熱い支持を集め、プロジェクトは終了しています。
このプロジェクトが成功した理由は、「ポラロイド=レトロ可愛い」の枠を飛び越え、ハイエンドカメラとしての進化を見せたことにあります。ノスタルジーと革新性の融合が、感度の高いユーザーの共感を呼びました。
環境と美しさを両立。東レの傘「TSUTSU The Umbrella」
次に取り上げるのは、東レインターナショナル株式会社が開発した「TSUTSU The Umbrella」。アップサイクルナイロンとカーボンファイバーを使用した高性能かつサステナブルな傘です。
目標金額20万円に対して、支援総額は600万円以上、支援者は574人にのぼり、プロジェクトは終了済み。
成功の背景には、「高品質」「環境配慮」「洗練デザイン」という3つの価値を一つにまとめ上げた製品設計があります。特に“東レグループ発”という素材開発力の説得力が、支援を後押ししました。
通勤の不快を解消。富士通ゼネラルの「コンディショニングバックパック」
最後に紹介するのは、富士通ゼネラルが展開した「コンディショニングバックパック」です。独自の空調技術をバックパックに応用し、通勤時の背中の蒸れや不快感を軽減する画期的なアイテムとして注目されました。
目標金額50万円に対し、支援総額は540万円超、支援者数は152人。
このプロジェクトが支持された要因は、空調技術の信頼性と“通勤時の不快”という共感性の高い課題への明快なソリューションを提示した点にあります。大手家電メーカーならではの発想力と信頼性が際立ちました。
結論(Conclusion)

今回紹介した3つのプロジェクトに共通していたのは、技術力・ブランド力に加えて、“生活者視点”での商品企画がなされていた点です。クラウドファンディングという形を選んだことで、ブランドが直接ユーザーと対話し、共感を得ながら製品の魅力を届けることに成功していました。
クラウドファンディングは、もはや資金調達だけの場ではありません。大手企業にとってはファンとの接点を生み出すブランディング施策として、また中小企業や個人にとっては新たな市場に飛び込む強力な武器として、活用の幅が広がっています。
今回は大手企業がおこなったプロジェクトを紹介しましたが、クラウドファンディングは中小企業から個人単位でも行うことができます。とはいえ、知識があっても実際にどのようにプロジェクトを進めるかイメージが湧かないこともあります。そんな時こそ、専門家のアドバイスが力になります。LEAGUEでは、クラウドファンディングの企画から実施まで、無料でご相談を承っております。プロジェクトの成功に向けて、私たちの経験とノウハウをお役立てください。まずはお気軽にご連絡ください。
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