
オリジナルの楽曲を作りたいけど資金がないんだよね



そんな悩みを解決し、多くの共感を集めて夢を実現させる手段がクラウドファンディングですよ。
クラウドファンディングというと、新製品の開発や店舗オープンのための資金調達を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、アーティストが「どうしても作りたい一枚」を実現するために、ファンと一緒に夢を形にするケースも増えています。
音楽系クラウドファンディングの成功事例として、非常に参考になるのが「ななもりソロアルバム発売記念プロジェクト」です。


このプロジェクトは、目標金額100万円に対して最終支援額約576万円(576%達成)、支援者数824人という圧倒的な成果を記録しました。単なるCD販売ではなく、ファン参加型プロジェクトとして設計されていた点が最大の特徴です。
本記事では、この成功事例を分解しながら、初心者でも再現できるポイントを解説します。
ななもりさんがクラファンを行った理由と結果


ななもりさんのソロアルバム制作プロジェクトは、単なる資金調達の枠を超え、ファンとの絆を深める共創の場として設計されました。ここでは、プロジェクト発足の背景から、500万円を超える支援を獲得した経緯までを詳しく解説します。
ソロアルバムを作ることになった経緯
このプロジェクトの出発点は、2018年6月後半に予定されていたソロアルバムのリリース決定でした。しかし、ななもりさんは単に既存のルートでCDを発売することに疑問を抱いていました。
- 「普通に出すんじゃつまらない」という想い
-
「自分が歌いたい曲を歌うだけでは面白くない」「みんなと一緒に何かできないか」という、ファン主体のエンターテインメント性を追求したのが始まりです。
- 「参加型」へのシフト
-
資金集めそのものよりも、「ファンが作品づくりに関われる形」を目指し、クラウドファンディングという手法を選択しました。
- 収録曲をファンが決める仕組み
-
アルバム全10曲のうち、ボカロカバー枠の一部を支援者の投票で決定するという、ファンが制作側に回る画期的な仕組みが導入されました。
資金調達を目的としたクラウドファンディングは当時まだ一般には馴染みが薄く、「クラウドファンディングって何?」「通販サイトじゃないから少し不安」といった戸惑いの声もSNS上に見受けられましたが、それでも多くのファンが企画の趣旨に共感して参加しました。
クラファンをおこなった結果
このクラウドファンディングは、2018年3月25日に募集を開始し、2018年4月29日に終了しました。目標金額100万円に対し、最終的な支援総額は5,760,076円、達成率は576%、支援者数は824人となっており、大きな成功を収めたことが分かります。


数字以外の成果としても、非常に大きなインパクトを残しています。
- ストレッチゴールの達成
-
最終的に550%を突破したことで、オリジナル曲のMV化やコラボ曲のオリジナル曲化といった追加特典が次々と実現しました。
- 限定プランの即完売
-
Tシャツ付きプランなどが公開直後に完売し、再募集を求める声が殺到するなど、リターンそのものへの強い需要が確認されました。
- リアルイベントへの発展
-
この成功を受け、アルバム『りめんばー』の発売だけでなく、2018年8月には東京・CARATO 71で初の握手会が開催されるなど、オフラインでの広がりにも繋がりました。
プロジェクトを通じて、ファンは単なる購入者からアルバムを共に完成させた仲間となり、その後の活動を加速させる強力なコミュニティが形成される結果となりました。
支援したくなるリターン設計の全貌


クラウドファンディングにおいて、リターン(支援に対するお返し)の設計はプロジェクトの成否を大きく左右します。ななもりのプロジェクトでは、計7種類のリターンが用意されており、幅広い支援者のニーズに対応していました。
実際のリターン一覧を見ると、少額支援から高額支援まで幅広い価格帯が設計されています。
- ノーマルCDプラン/低価格リターン
-


参照:ななもりソロアルバム発売記念!限定クラウドファンディング!(CAMPFIRE) - エンドロールにお名前掲載/低価格リターン
-


参照:ななもりソロアルバム発売記念!限定クラウドファンディング!(CAMPFIRE) - Tシャツプラン/中価格リターン
-


参照:ななもりソロアルバム発売記念!限定クラウドファンディング!(CAMPFIRE) - 歌唱曲選定プラン/高価格リターン
-


参照:ななもりソロアルバム発売記念!限定クラウドファンディング!(CAMPFIRE)
中⼩企業·個⼈経営者への応⽤


ななもりさんの事例はクリエイティブ分野のプロジェクトですが、学べる本質はビジネスにも十分応用できます。
成功の本質は「ファン参加型」の設計
ななもりさんのプロジェクトは、資金調達以上に「ファンを制作側に巻き込むこと」に主眼が置かれていました。
- 収録曲をファンが決める革新性: アルバム全10曲のうち、「ボカロカバー枠の一部」を支援者の投票で決定する権利をリターンに設定されていました。
- 「購入」から「体験」へ: 通常のCFが完成品を買うのに対し、本作は一緒にアルバムを作るという体験を提供しました。
- 作品の一部になる仕組み: MVや歌詞カードへの名前掲載といったリターンにより、支援者は単なるファンから「作品のクレジットに名を連ねる共同制作者」へと心理的な変化を遂げました。
緻密に計算された「段階的リターン設計」
クラファンの成否を分けるリターン構成において、本作は低単価での参加しやすさと高単価での特別感を両立させています。
| 支援額 | 主なリターン内容 | 役割 +1 |
| 3,000円 | CD + 収録曲の投票権 | 入り口: 参加ハードルを下げ、母数を増やす |
| 5,000円〜 | 限定グッズ、Tシャツ(数量限定) | 満足度: 所有欲を満たす物販要素 |
| 7,777円〜 | MV・歌詞カードへの名前掲載 | 体験価値: 原価を抑えつつ感情的価値を最大化 |
| 77,777円 | 楽曲決定権(超プレミア) | 特別体験: コアファン向けの深い関与 |
熱量を最大化させるストーリーと仕掛け
単にページを公開するだけでなく、公開中もファンを飽きさせない施策が徹底されていました。
- 明確な「Why(なぜやるのか)」: 「普通に出すんじゃつまらない」「みんなと一緒に作りたい」という本人の言葉が、ファンの「応援したい理由」を強化しました。
- ストレッチゴールの活用: 達成率に応じて「オリジナル曲の先行試聴」や「MV制作」などの特典を解放 。最終的に550%達成特典の「コラボ曲のオリジナル化」まで実現しました。
- 親しみやすいコミュニケーション: 営業感を排したフランクな語り口で、ファンとの心理的距離を縮め、コミュニティとしての結束力を高めました。
まとめ


ななもりさんの事例が示すのは、クラウドファンディングはお金を集める装置ではなく、「ファンとの関係性を深める共創の場」であるということです。
- 商品(モノ)ではなく、参加体験を設計する
- リターンは低・中・高価格帯の3層で作る
- 公開前からコミュニティを形成し、巻き込む
これらは、音楽に限らずあらゆる業界のクラウドファンディングにおいて共通する「勝ちパターン」と言えるでしょう。
クラウドファンディングで人気となりやすいプロジェクトの特徴やリターンの設計、プロジェクトページの作り方など、LeaguEではクラウドファンディングのフルサポート体制を整えています。クラウドファンディングの企画から実施まで、無料でご相談を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。















コメント