
クラファンって何回もやって大丈夫なのかな?飽きられたりしない



逆に、人気のあるプロジェクトはすぐに売り切れちゃうこともあるのよ!
経営判断に必要な企業分析情報を、個人投業家や中小企業でも手軽に得られるようにすることを目指す「バフェット・コード」。この企業分析ツールが2023年7月、5度目となるクラウドファンディング(以下、クラファン)に挑戦し、目標金額500万円を達成しました。
これは、単なる資金集めの話ではありません。なぜ彼らは5度目ながらもクラファンを選んだのか。そして、どのようにして多くの支援者からの共感と資金を集め、プロジェクトを成功に導いたのか…それは、開発チームが「支援者との約束」を何度も果たしてきたことで信頼を積み重ねたことに他なりません。
この記事では、バフェット・コードの事例を紐解きながら、あなたのビジネスにも応用できる、ファンを巻き込み、事業を加速させるクラウドファンディング成功の秘訣を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
バフェット・コードがクラウドファンディングを行った理由と結果


まず、この注目すべきプロジェクトがどのようなものだったのか、その背景と結果を紹介します。
ユーザーとの約束を果たし、さらなる機能追加を宣言
バフェット・コードの開発チームは、プロジェクトページで「ユーザーと約束をするため」だと明言しています。


ユーザーが欲しい機能を調査し、それを実装することを事前に宣言して期待を集め、期日までに完成させてリリースする。さらに期待を上回る結果を提供する。こうした「約束して果たす」の積み重ねこそが、ファンの獲得と信頼の構築に直結すると考え、プロジェクトの実行に踏み切りました。
また、企業分析を新たなステージへと引き上げる、以下の3つの新機能実装を宣言しています。
- M&Aトランザクション検索機能
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過去約10年分、約5,000件のM&A取引データを検索可能に 。これまで専門機関でしか手に入らなかった「どんな企業がいくらで買収されたか」というリアルなデータを提供し、企業価値評価の精度を高めます。
- 未上場企業データベースの拡張
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データベースを最大15万社規模にまで拡張。スタートアップだけでなく、より広範な未上場企業の情報を網羅し、競合調査や提携先探しを強力にサポートします。
- 米国上場企業の決算書日本語翻訳
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英語の壁を取り払い、米国企業の決算書(10-K/10-Q)を日本語で手軽に閲覧できる機能です。これにより、グローバルな市場動向や技術トレンドの把握が格段に容易になります。
1ヶ月未満で約500万円の支援金を調達


当初設定された目標金額は500万円。期間は2023年7月7日~31日までの約1ヶ月間ほどと短い期間ながらも、213人の支援者から516万円の支援を集め、見事成功を収めました。
クラファンのプラットフォーム手数料に約20%(100万円)が充てられるため、実際に開発に使える資金は約400万円です。このうち優先度の高い機能から段階的に実装を進める計画が立てられ、支援者に対しても明確な資金使途が説明されています。
こうした透明性のある説明と現実的なスケジューリングが、支援者の安心と期待につながっている点は、経営者にとって参考になるでしょう。
クラファンの基本とオリジナリティあふれるリターン事例


クラファンの基本的な流れは、意外とシンプルです。
クラファンの基本と流れ
クラファンを簡潔に説明すると、「インターネットを通じて「こんなことをやりたい!」と発信し、それに共感した人たちから少しずつ資金を集める仕組み」です。
従来の銀行融資との大きな違いは、審査の厳しさやスピード感。銀行だと事業計画書を作って、審査を受けて…と数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。一方クラファンなら、アイデアと熱意次第で、数日で目標額に到達することも可能です。
クラファン実施までの主な流れは、以下の通りです。
「何のために資金を集めるのか」というプロジェクトの核を固めます。例えば、新商品の開発費用・新店舗の開店資金など、具体的で共感を呼びやすいテーマを設定することが成功への第一歩です。
支援してくれた人への感謝のしるしである「リターン」は、プロジェクトの魅力を大きく左右する重要な要素です。商品やサービスだけでなく、アスルクラロ沼津の事例のように、その事業者だからこそ提供できる「特別な体験」は非常に人気があります。
プロジェクトの準備が整ったら、CAMPFIREやMakuakeといった専門のプラットフォームに登録し、プロジェクトページを公開します。そして公開後は、SNSやプレスリリース、既存顧客へのメルマガなどを活用し、一人でも多くの人にプロジェクトの存在を知ってもらうための地道な情報発信が不可欠です。
バフェット・コードのリターン設計
バフェット・コードのプロジェクトでは、支援者が「支援してよかった!」と思えるような、ユニークで魅力的なリターンが用意されていました。
主力サービスをお得に体験できるリターン
8,000円支援(早期割引): 有料機能(ライトプラン)1年間利用チケット
20,000円支援(早期割引): 有料機能(スタンダードプラン)1年間利用チケット
これらのリターンは合計で200名近い支援を集め 、プロジェクトの根幹を支えました。プロダクト自体をリターンにすることで、支援者はもちろん、将来の優良顧客を獲得することにも繋がります。
参加した証を残せる、特別なリターン
50,000円支援: スタンダードプラン1年分に加え、サイトの「Thanks」ページに1年間名前をクレジット
これは、プロジェクトを応援した証を形として残したい、という支援者の想いに応えるリターンです。
お手軽な応援&実験的な高額リターン
146,000円支援: 14.6万人のフォロワーがいるバフェット・コードの公式X(旧Twitter)アカウントから、支援者のお名前入りで「御礼ツイート」を発信するというもの
500円プラン:お礼のメッセージ
実験的に用意されたユニークすぎるリターンであり、10万円を超える高額にもかかわらず4名もの購入者が現れました。常識にとらわれないリターン設計が、話題性と支援の広がりを生む良い例と言えるでしょう。
ワンコインで気軽に応援できる「500円プラン(お礼のメッセージ)」も用意されており 、幅広い層がプロジェクトに参加できる設計になっていた点も参考になります。
自社の製品やサービス、技術、あるいは特別な体験を、どのようにリターンとして提供できるかが、クラファン成功の鍵を握ります。
バフェット・コードの成功事例から見る、成功するクラファンのコツ


バフェット・コードの事例から、私たち中小企業経営者が学び、自社のプロジェクトに応用できる成功のコツを3つのポイントに絞って解説します。
支援者との約束を掲げ、ファンを巻き込む
最も重要なのは、このプロジェクトの根幹にある「なぜクラファンなのか?」という問いへの答えを明示したことです。
彼らは単に「新機能開発の資金が必要です」とはしませんでした。「ユーザーと約束し、期待を裏切ってもっと良いものをリリースする 。その積み重ねでしか信頼は得られない 」という強いメッセージを発信したのです。
このストーリーは、支援者を単なる資金提供者ではなく、未来を共に創る仲間へと変える力を持っています
- 「なぜそれをやるのか」を語る
- 熱い想いや哲学を言葉にする
- ストーリーを誠実に語る
支援者が「自分ごと化」できるメリットを具体的に示す
このプロジェクトは、支援することで得られる未来が非常に具体的に描かれていました。
例えば、あなたが事業売却や資本提携を考えているなら、M&A検索機能で類似の取引事例を調べることで、交渉の際に説得力のある価格根拠を示すことができます。
新規事業の競合を調査したいなら、拡張された未上場企業データベースが、今まで見えていなかったライバルや提携候補先を発見する手助けとなるでしょう。
海外展開を視野に入れているなら、米国決算書の日本語翻訳機能が、言語の壁を越えた迅速な情報収集を可能にします。
このように、支援者(ターゲット)が「この機能は、まさに自分のビジネスに役立つ!」と自分ごと化できるメリットを明確に提示したことが、多くの支持を集めた大きな要因です。
徹底した情報開示で、支援者の不安を取り除く
クラファンにおいて、起案者の信頼性は非常に重要です。バフェット・コードは、その点でも支援者への配慮を欠かしませんでした。
まず、目標金額に達しなかった場合はプロジェクトが不成立となるAll-or-Nothing方式であることを明記し、リスクを隠さずに伝えています 。
All or Nothing方式
目標金額を達成した場合のみプロジェクトを実行し、実行者は支援金を受け取ることができます。達成できなかった場合は、支援金は支援者に全額返金されます。
All in方式
目標金額に関係なくプロジェクトを実行し、実行者は支援金を受け取ることができます。ただし、実行者はリターン提供の義務があります。目標金額に達しなくても、リターンを提供する必要があります。
さらに、集まった資金の使い道についても、「クラファン運営に約20%の手数料を支払い、残りの約400万円でまず2つの機能を実装し、残金を翻訳機能の開発に充てます 」と、手数料の内訳まで含めて具体的に説明しています。
こうした徹底した情報開示は、支援者の「自分のお金は本当に正しく使われるのだろうか?」という不安を払拭し、このチームなら信頼できるという安心感に繋がります。
まとめ


バフェット・コードのクラファンは、単なる機能開発プロジェクトではありませんでした。それは、「ユーザーとの約束」という熱いストーリーを核に、支援者一人ひとりが自分ごととして価値を感じられるメリットを提示し、徹底した透明性で信頼を勝ち取った、まさにファンと共に未来を創る共創プロジェクトだったと言えるでしょう。
- なぜやるのか?という熱い想いを約束として語る
- 支援者が得られる具体的な未来(メリット)を鮮明に描く
- 資金の使い道など、情報を徹底的に開示して信頼を得る
これらのポイントは、これからクラファンに挑戦しようと考えているすべての経営者、事業主の方々にとって、非常に重要なヒントとなるはずです。
本記事を読んで、クラファンって面白そうと感じた方は、ぜひともクラファンに向けた準備を始めてください。「クラファンっていっても、何から初めたらいいのかわからいよ…」という方は、弊社LeaguEにおまかせください。
クラファンで人気となりやすいプロジェクトの特徴やリターンの設計、プロジェクトページの作り方など、LeaguEではクラファンのフルサポート体制を整えています。クラファンの企画から実施まで、無料でご相談を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
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