クラウドファンディング用語集!新規事業に役立つ基本知識完全ガイド

こんな人におすすめの記事

「新しいビジネスアイデアはあるけれど、資金調達・クラウドファンディングの方法がわからない…」

「クラウドファンディングってよく聞くけど、専門用語が多くて難しそう…」

新規事業の立ち上げを目指す経営者や個人事業主の方にとって、このような悩みは尽きないかもしれません。そして資金調達の新しい候補として、クラウドファンディングの有効性を聞いたことも珍しくないでしょう。

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人々から少額ずつ資金を集める革新的な方法であり、あなたのアイデアを形にする強力なツールとなり得ます。

しかし、いざ始めようとすると専門用語が多く、戸惑われる方も少なくありません。

そこでこの記事では、クラウドファンディングの世界へ第一歩を踏み出すために不可欠な専門用語を、基本から実践、さらには国内外の主要プラットフォームに至るまで、網羅的にそして分かりやすく解説します。

単なる資金調達に留まらず、市場の反応を確かめ、ファンを作り、事業を成長させる可能性を秘めたクラウドファンディング。本記事を参考にクラウドファンディングの基礎を固め、その可能性を最大限に引き出しましょう。

目次

クラウドファンディングの基本を理解する用語

まずは、クラウドファンディングの全体像を掴むために、基本的な用語から解説します。これらの言葉は、あなたがプロジェクトを立ち上げる際、または魅力的なプロジェクトを支援する際に必ず出会うものです。

クラウドファンディング(Crowdfunding)

crowd(群衆)とfunding(資金調達)を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を調達する仕組みです。

従来の銀行融資や投資家からの出資とは異なり、プロジェクトの内容や理念に共感した一般の支援者から、少額ずつ幅広く資金を募ることができます。新規事業にとって、市場検証と資金調達を同時に行える革新的な手法として注目されています。

プロジェクト (Project)

クラウドファンディングサービス上で公開される、資金を募るための企画、商品、または活動全般を指します。

プロジェクトはプロジェクトオーナーが実現したいアイデアや目標を、ストーリーやビジョンと共に詳細に紹介する場です。単にモノやサービスを提示するのではなく、なぜそのプロジェクトが必要なのか、どんな未来を実現したいのかといった物語を伝えることが、支援者の共感を呼び、成功へと繋がる鍵となります。

プロジェクトページ(Project Page)

クラウドファンディングプラットフォーム上で、プロジェクトの詳細、目標、リターン、資金使途などを紹介するウェブページです。

参照:Makuake

このページは、プロジェクトの顔であり、潜在的な支援者に対する最初の、そして最も重要なアピールの場となります。プロジェクトページ作成に頻出する用語は後述。

プロジェクトオーナー・実行者(Project Owner/Creator/Executor)

クラウドファンディングプロジェクトを企画・立案し、実際に運営する個人または団体のことです。

プラットフォームによって呼び方が異なり、海外のクラウドファンディング・KickstarterではCreatorと呼ばれます。プロジェクトの成功は実行者の信頼性、熱意、実行力に大きく左右されるため、プロジェクトページでの自己紹介や実績の提示が重要です。

支援者・バッカー(Supporter/Backer)

支援者はプロジェクトに共感し、資金を提供する個人または団体を指します。

海外のプラットフォームではBacker(バッカー)やFunder(ファンダー) と呼ばれることもあります。Makuakeではサポーターという呼称も用いられます。

プロジェクトの支援者数はプロジェクトページ内で表示され、どれほどの人気が集まっているかが可視化されています。

支援者の支援動機は様々ですが、多くの場合、金銭的な見返り以上に、プロジェクトの目的への共感やプロジェクトオーナーの情熱を応援したいという気持ちが大きな要素となります。

リターン(Return/Reward)

支援者へのお返しとして提供される商品、サービス、体験などを指します。

完成した製品の先行提供、特別な体験への招待、名前のクレジット掲載など、その内容は多岐にわたります。単なる対価ではなく、支援者の期待感を高め、プロジェクトへの参加意識を深める戦略的なツールとしての側面も持っています。

目標金額(Target Amount/Funding Goal)

プロジェクトオーナーが、プロジェクト実行のためにクラウドファンディングで集めたいと設定する資金の総額です。

この金額を達成することが、プロジェクト実現の一つの目安となります。

支援総額(Total Funding Amount)

プロジェクトの募集期間内に集まった資金の合計額です。

目標金額を上回る場合も多く、その場合は「達成率○○%」などと表現されます。

支援総額はプロジェクトの人気や市場からの評価を表す一つの指標であり、高い支援総額を記録したプロジェクトはメディアで取り上げられる機会も増えます。

募集期間(Campaign Period)

プロジェクトオーナーが設定する、支援を募集する期間のことです。

参照:CAMPFIRE

クラウドファンディングでは、この期間内に目標金額の達成を目指して、支援を募集します。プラットフォームによって設定できる期間は異なり、例えばCAMPFIREでは1日から79日の間で設定可能です。

この期間中、プロジェクトオーナーは積極的に情報発信を行い、支援の輪を広げていく必要があります。


クラウドファンディングの種類と特徴

クラウドファンディングは、資金調達の方法や支援者へのリターンの形式によって、大きく4つの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、ご自身の事業や目的に合ったタイプを選ぶことが成功の鍵となります。

クラウドファンディング・4つの種類
  • 購入型
  • 寄付型
  • 金融型(融資型、株式投資型、ファンド型)
  • 不動産

購入型クラウドファンディング (Reward-based Crowdfunding)

支援者が金銭ではなく商品やサービスをリターンとして受け取る最も一般的な形式です。

新商品の開発費を募り、完成した商品を支援者に提供する仕組みで、実質的には先行予約販売に近い性格を持ちます。市場検証の機会としても活用でき、新規事業者にとって特に有効な手法です

Makuakeでは、この購入型クラウドファンディングの体験を応援購入と表現し、サービス全体を応援購入サービスと位置づけています。これは、単なる商品の事前購入ではなく、作り手の挑戦やストーリーに共感し、その実現を応援する気持ちを込めて購入するという、新しい消費の形を提案するものです。

寄付型クラウドファンディング (Donation-based Crowdfunding)

支援者がプロジェクトの趣旨に共感し、見返りを求めずに資金を寄付する仕組みです。

原則として金銭的・物質的なリターンはなく、活動報告や感謝状などが提供される場合があります。社会貢献活動や災害復興支援など、公益性の高いプロジェクトで多く活用されます。

金融型クラウドファンディング (Financial Crowdfunding)

企業などが不特定多数の投資家(支援者)から資金を調達し、支援者はリターンとして株式や利子・配当などの金融商品を受け取る仕組みです。

金銭的なリターンを前提とするため、金融商品取引法などの法規制の対象となり、他のタイプより厳格なルールが適用されます。

融資型クラウドファンディング (Loan-based Crowdfunding / Social Lending)

投資家から集めた資金を、プラットフォーム運営会社を通じて企業などに融資する仕組みです。

支援者は、融資に対する利息をリターンとして受け取ります。ソーシャルレンディングとも呼ばれ、日本のクラウドファンディング市場では大きな割合を占めています。

関連用語

デフォルト (Default)
借り手企業が経営難などで、利息の支払いが遅れたり、元本が返済されなくなったりする状態(債務不履行)を指します。投資家にとっては元本割れのリスクとなります。

ノンリコースローン (Non-recourse Loan)
返済義務が特定の担保資産の範囲に限定されるローンです。万が一プロジェクトが失敗しても、プロジェクトオーナーの他の資産には影響が及ばないため、リスクを限定できます。

シニアローン (Senior Loan)
返済の優先順位が高い、比較的リスクの低いローンです。その分、利回りは低めになる傾向があります。

メザニンローン (Mezzanine Loan)
シニアローンよりも返済順位が劣るためリスクは高まりますが、その分、期待できる利回りも高くなるローンです。

匿名組合契約 (Silent Partnership Agreement)
不動産クラウドファンディングなどでよく用いられる契約形態で、投資家は事業運営には直接関与せず、出資額に応じて利益の分配を受け取ります。投資家の責任は出資額の範囲内に限定されます。

株式投資型クラウドファンディング (Equity-based Crowdfunding)

株式会社が、非上場の自社株式(未公開株)を提供することと引き換えに、個人投資家から資金を募る仕組みです。

主に成長が期待されるスタートアップ企業などが活用します。

関連用語

未公開株 (Unlisted Shares)
証券取引所に上場されていない企業の株式のことです。将来的に企業が成長し上場(IPO)したり、M&Aされたりした場合に大きな売却益(キャピタルゲイン)を得られる可能性がありますが、流動性が低く売却機会が限られるハイリスク・ハイリターンな投資です。

エクイティファイナンス (Equity Finance)
企業が新株を発行して資金を調達すること全般を指します。株式投資型クラウドファンディングもこの一種です。

集団投資スキーム持分 (Collective Investment Scheme Interests)
投資型クラウドファンディングにおける投資は、金融商品取引法上の集団投資スキーム持分という有価証券に分類されることがあります。これにより、投資家保護のための厳格な規制が適用されます。

ファンド型クラウドファンディング (Fund-based Crowdfunding)

特定の事業やプロジェクトに対して、複数の投資家から資金を集めて運営し、その事業から得られた利益を投資額に応じて分配する仕組みです。

リターンは金銭的な配タンド型クラウドファンディング(Fund-based Crowdfunding)配当のほか、その事業に関連する商品やサービスの場合もあります。

関連用語

インカムゲイン (Income Gain)
資産を保有している間に継続的に得られる収益のことです(例:不動産の家賃収入、株式の配当金など)。

キャピタルゲイン (Capital Gain)
資産を購入時よりも高い価格で売却することによって得られる利益のことです(例:株式や不動産の売却益など)。

不動産クラウドファンディング (Real Estate Crowdfunding)

不動産会社などが、特定の不動産プロジェクト(例:マンション開発、商業ビル運営など)に対してオンラインで複数の投資家から資金を集め、その運用益や売却益を投資家に分配する仕組みです。

少額(1万円程度)から不動産投資に参加でき、優先劣後方式など投資家保護の仕組みを導入する事業者も多く、比較的安定した投資商品として人気を集めています。

関連用語

マスターリース契約 (Master Lease Agreement)
不動産を一括で賃貸会社に貸し出し、その会社が転貸することで、空室が発生しても一定の賃料収入を保証する仕組みです。投資家のリスク軽減につながります。

早期償還 (Early Redemption)
予定していた運用期間よりも早く、投資元本が投資家に返済されることです。不動産が早期に売却できた場合などに発生します。

優先劣後方式 (Preferred/Subordinated Method)
投資家(優先出資者)の元本保護を強化する仕組みです。不動産運用で損失が出た場合、まず事業者(劣後出資者)が一定割合までの損失を負担し、それでもカバーしきれない場合に投資家の元本に影響が出ます。

不動産特定共同事業法 (Real Estate Specified Joint Enterprise Act):
不動産クラウドファンディング事業を運営する際に必要な許認可などを定めた法律です。投資家保護と事業の健全な運営を目的としています。

オールオアナッシング方式 (All-or-Nothing Method)

募集期間内に目標金額に達した場合にのみ、集まった資金をプロジェクトオーナーが受け取れる方式です。

参照:CAMPFIRE

もし目標金額に1円でも満たなかった場合は、プロジェクトは不成立となり、集まった資金は全額支援者に返金されます。プロジェクト実行に最低限必要な資金が明確な場合に適しており、支援者にとってはリスクが低い一方、プロジェクトオーナーには目標達成への強いプレッシャーがかかります。

オールイン方式 (All-in Method)

募集期間内に目標金額に達しなくても、集まった資金をプロジェクトオーナーが受け取ることができる方式です。

たとえ1円でも支援があればプロジェクトは成立と見なされます。目標金額達成よりも、少額でも確実に資金を確保したい場合に選択されることがあります。支援者は、目標未達でもプロジェクトが実行される可能性があることを理解しておく必要があります。

ここまでに解説したクラウドファンディングの基礎的な情報については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

主要クラウドファンディングプラットフォーム

国内外には多種多様なクラウドファンディングプラットフォームが存在し、それぞれ得意とするプロジェクトのジャンル、資金調達方式、手数料、サポート体制などが異なります。ご自身のプロジェクトに最適なプラットフォームを選ぶことが重要です。

ここでは、国内の主要プラットフォームとその特徴、そして代表的な海外プラットフォームについても解説します。

国内プラットフォーム

クラウドファンディングは米国を発祥とし、世界的に拡大してきた資金調達手法ですが、日本においても2011年頃から独自のプラットフォームが次々と誕生し、国内市場が急速に成長しています。

日本市場に特化したプラットフォームは、日本語サポートの充実や国内法規制への対応、日本人の価値観や購買行動に適したUI/UXの提供など、日本のユーザーに最適化されたサービスを展開しています。

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

参照:CAMPFIRE

累計プロジェクト数・10万件以上、支援総額・980億円以上、会員数・1200万人以上など、国内最大級のクラウドファンディングプラットフォームで、ジャンルを問わず非常に幅広いプロジェクトが掲載されています。

購入型が中心で、オールオアナッシング方式とオールイン方式の両方に対応しています。専任担当者によるサポートも充実しており、初心者にもおすすめです。

CAMPFIREはクリエイターのデザインアイデアを元に商品化を目指すSPA(製造小売)型のCAMPFIRE Creationや、月額課金制でファンから継続的な支援を募るCAMPFIRE Communityといった多様なサービスも展開しています。

関連用語

CAMPFIREコミュニティ
継続課金型のクラウドファンディングサービスです。

コミュニティオーナー
継続型コミュニティの運営者のことを指します。

メンバー特典
月額支援者向けの継続的なリターンが提供されます。

アクティビティ
コミュニティ内での投稿・更新情報のこと。

Makuake(マクアケ)

参照:Makuake

新しい商品やサービスの創出に強みを持ち、特にPR力に長けたプラットフォームです。

自らを単なるクラウドファンディングではなく応援購入サービスと位置づけ、支援行為を応援購入と呼んでいます。毎月多数のメディア掲載実績があり、プロジェクトのメディア露出を重視する事業者にとっては魅力的です。

革新的な製品の市場投入や、その後の一般販売に向けたマーケティング効果を期待するプロジェクトに適しており、0次流通(市場に出る前のテスト販売や初期顧客獲得の場)という独自の概念も提唱しています。

関連用語

応援購入
Makuakeの中核概念で、応援の気持ちを込めた購入行動を指します。

サポーター
Makuakeにおける支援者の呼称

0次流通
一般販売前の市場という概念のこと。

キュレーター
Makuake専任のプロジェクトサポートスタッフのこと。

READYFOR(レディーフォー)

参照:READYFOR

日本で最初に開始されたクラウドファンディングサービスの一つで、特に社会貢献性の高いプロジェクトや地域活性化プロジェクトに特化しています。NPOや地方自治体による利用が多く見られます。

オールオアナッシング方式を採用しており、目標金額に達しなかった場合の手数料はかかりません。1対1の担当者による手厚いサポート体制も特徴です。

GREEN FUNDING(グリーンファンディング)

参照:GREEN FUNDING

CCC(TSUTAYA)グループが運営するクラウドファンディングプラットフォームで、特にガジェットやプロダクト系のプロジェクトに強みを持っています。家電製品や日用品など、新しいテクノロジーを活用した製品やデザイン性の高いアイテムが多く見られます。

プロジェクトの成功率を重視しており、80%以上という高い成功率を誇るとされています。

CCCグループの蔦屋家電+などの店舗と連携し、プロジェクト製品を展示する機会を提供することもあります。

MOTIONGALLERY(モーションギャラリー)

参照:MOTION FALLERY

映画、アニメ、音楽、演劇、アート、写真など、クリエイティブ分野、特に芸術文化活動の資金調達に特化した日本最大級のプラットフォームです。

インディペンデント映画の制作支援や、アーティストの創作活動支援など、文化的なプロジェクトを多く扱っています。これまでに4,000件以上のプロジェクトをサポートし、豊富な成功事例とノウハウを蓄積しています。

FUNDINNO(ファンディーノ)

参照:FUNDINNO

日本初の株式投資型クラウドファンディングプラットフォームとして知られ、非上場のベンチャー企業やスタートアップ企業が個人投資家から資金を調達する機会を提供しています。

投資家は、企業の将来性やビジョンに共感し、その企業の未公開株式を取得することで成長を応援します。企業にとっては、エクイティファイナンスによる資金調達の新たな選択肢となり、投資家にとっては、将来有望な企業へ少額から投資できる可能性があります。

FUNDINNOは厳格な審査基準を設けており、選ばれた企業のみがプロジェクトを掲載できます。投資家はエンジェル税制の適用を受けられる場合があるなど、税制上のメリットも存在します。

資金調達時の手数料は発行企業側が負担し、投資家が投資する際には手数料はかかりません(銀行振込手数料等は別途)。

海外の主要プラットフォーム

クラウドファンディングは欧米を中心に急速な発展を遂げており、日本のプラットフォームを凌駕する規模と実績を持つプラットフォームが数多く存在します。海外の主要プラットフォームでは、数億円から数十億円規模のプロジェクトも珍しくなく、グローバルな資金調達と市場開拓の双方を実現する強力なツールとなっています。

Kickstarter(キックスターター)

参照:Kickstarter

世界的に最も有名で大規模なクラウドファンディングプラットフォームの一つです。

アート、デザイン、テクノロジー、ゲームなどクリエイティブなプロジェクトに特化しており、全世界に多数の支援者を抱えています。オールオアナッシング方式を採用し、掲載基準が比較的厳しく、質の高いプロジェクトが求められます。

グローバルな展開を目指すクリエイティブプロジェクトに適しています。

Indiegogo(インディーゴーゴー)

参照:Indiegogo

Kickstarterと並ぶ大規模な海外プラットフォームで、テクノロジー製品からクリエイティブ分野まで幅広いプロジェクトを扱っています。

オールオアナッシング方式とオールイン方式の両方に対応しており、特にオールイン方式のプロジェクトが多いのが特徴です。募集期間終了後も継続して資金調達や製品販売が可能なInDemandという機能もあります。

比較的審査基準が緩やかで、日本語サポートも提供されているため、初めて海外クラウドファンディングに挑戦する事業者にも利用しやすいでしょう。

関連用語

InDemand
InDemand(インデマンド)は、Indiegogoで目標金額の達成に成功したプロジェクトが、クラウドファンディングのキャンペーン期間終了後も引き続き資金調達や商品販売を続けられるサービスです。

Patreon(パトロン)

参照:Patreon

アーティストやクリエイターが、ファンから月額制で継続的な資金支援を受けることができるサブスクリプション型のプラットフォームです。

支援者は支援額に応じて限定コンテンツなどの特典を受け取ります。プロジェクト単位ではなく、クリエイター個人の活動を長期的に支えるモデルです。

GoFundMe(ゴーファンドミー)

参照:GoFundMe

主に非営利団体や慈善事業、個人的な困難(医療費、災害支援など)に対する寄付を募ることに特化したプラットフォームです。金銭的なリターンを伴わない純粋な寄付が中心で、プラットフォーム手数料は基本的に無料(決済手数料は別途発生)なのが特徴です。

その他主要海外プラットフォーム

海外プラットフォーム

JustGiving(ジャストギビング)
2001年イギリス発祥の歴史ある寄付型プラットフォーム。
42億ドル以上の寄付金と160ヵ国以上の支援実績。
個人のチャレンジ(マラソン、ダイエット等)を通じた寄付プロジェクトなども行われている。

zeczec(ゼクゼク)
台湾最大級のクラウドファンディングプラットフォーム(2012年設立)。
日本の商品・サービスへの関心が高く、緻密で手の込んだもの・日本のサブカルが特に人気。
2022年にCAMPFIREと提携し、日台のプロジェクト相互展開を促進している。

Wadiz(ワディズ)
韓国最大のクラウドファンディングサービス
IoT関連製品やガジェット分野が特に好調

おすすめのクラウドファンディングプラットフォームについてはついては、こちらの記事でより詳しく解説しています。

プロジェクト実行・運営編

ストレッチゴール(Stretch Goal)

プロジェクトが当初設定した目標金額を達成した後に、さらなる資金調達を目指して設定される追加の目標金額のことです

参照:Makuake

ストレッチゴールを達成すると、リターンがより豪華になったり、プロジェクトの規模が拡大したり、新たなサービスが追加されたりすることが一般的です。支援者の継続的な関心を引きつけ、プロジェクトの勢いを維持するのに有効な手段です。

トップ画像(Main Visual/Top Image)

プロジェクトページの最初に表示される大きな画像で、プロジェクトの第一印象を決定づける重要な要素です。

商品の全体像や使用シーンが分かりやすく、高画質であることが望ましいとされています。サムネイル画像とも呼ばれ、検索結果やカテゴリページからの誘導にも影響します。

プロジェクト概要(Project Summary)

プロジェクトの内容をコンパクトにまとめた導入部分で、訪問者が最初に目にする文章です。

参照:CAMPFIRE

「何を、なぜ、どのように実現するのか」を簡潔に説明し、続きを読みたくなるような魅力的な書き出しが求められます。一般的に200〜300字程度で作成されます。

ギャラリー/画像、動画セクション(Gallery/Image Section)

商品やサービスを様々な角度から写真や動画で紹介するセクションです。

使用シーン、細部のディテール、サイズ感、色のバリエーションなどを視覚的に伝えることで、支援者の理解と期待を高めます。

実現可能性(Feasibility)

プロジェクトが実際に達成できるかどうかの信頼性を示す要素です。

チームメンバーの専門性、これまでの実績、プロトタイプの存在、明確なスケジュールなどで示されます。支援者が「このプロジェクトは成功しそうだ」と感じるかどうかは、支援の判断に大きく影響します。

チーム紹介(Team Introduction)

プロジェクトを実行するメンバーの経歴、専門性、役割などを紹介するセクションです。

顔写真や実績を添えることで親近感と信頼性が増し、「誰が作るのか」を明確にすることで支援の判断材料となります。

FAQ(よくある質問)

支援者から寄せられる可能性のある質問とその回答をあらかじめ用意したセクションです。

商品の仕様、配送方法、保証内容、支援方法など、支援の障壁となりうる疑問を解消し、支援への安心感を提供します。

リスク&チャレンジ(Risks & Challenges)

プロジェクト実行過程で想定されるリスクや困難、それに対する対策を正直に開示するセクションです。

完全な計画はないという前提で、誠実に課題を認識していることを示すことで、かえって信頼性を高めることができます

決済手数料 (Payment Processing Fee) / サービス利用手数料 (Platform Fee)

クラウドファンディングプラットフォームを利用する際に発生する費用のことです。

通常、「サービス利用手数料(プラットフォームのシステム利用料)」と「決済手数料(支援金の決済処理にかかる費用)」に分けられます。

これらの手数料はプラットフォームによって異なり(例:CAMPFIREは約17%+税、Makuakeは約20%、GREEN FUNDINGは約20%、MotionGalleryは約10%~20%)、集まった支援金総額から差し引かれてプロジェクトオーナーに振り込まれます。

広報戦略 (PR Strategy)

メディアやインフルエンサーといった第三者を通じて情報を発信し、プロジェクトの信頼性や社会的な認知度を高める活動です。

マーケティング戦略が直接的な顧客獲得を目指すのに対し、広報戦略は客観的な評価や広範な認知獲得に重点を置きます。プレスリリースの配信やメディアへの情報提供、体験イベントの開催などが主な手法です。

FB広告/Meta広告(Facebook Ads/Meta Ads)

Facebook(現Meta)のプラットフォーム上で配信される広告です。

クラウドファンディングプロジェクトの宣伝やプロモーションに効果的で、ターゲットユーザーに対して効率的にリーチできるため、多くのプロジェクト実行者が活用しています。特に事前集客や初速を高めるために重要な広告手段となっています。

プレローンチ(Pre-launch)

クラウドファンディングプロジェクトを本格的に開始する前の準備段階を指します。

事前にターゲットオーディエンスへの認知拡大や関心喚起を行い、プロジェクト公開初日からの支援獲得を最大化することが目的です。SNSでの告知やメルマガの配信、ティザーサイトの公開などがプレローンチ施策として実施されます。

ランディングページ(Landing Page/LP)

ユーザーが広告などをクリックして最初に訪れるウェブページのことです。

クラウドファンディングでは、プロジェクトページへの誘導や事前登録の獲得を目的としたランディングページを用意することがあります。効果的なランディングページはプロジェクトへの関心を高め、支援につなげる重要な役割を果たします。

事前集客(Pre-marketing)

クラウドファンディングプロジェクトを公開する前に行う、プロジェクト支援者を集めるための活動です。

Makuakeではプロジェクト開始前から認知拡大させる事前集客に力を入れることが重要とされており、事前集客が成功すると初動で支援を得られやすく、その後のプロジェクト露出にも好影響を与えます。

適切な事前集客がないと、特にプラットフォームからの露出が限定され、支援を伸ばすのが難しくなることがあります。

活動レポート/活動報告(Activity Report)

Makuakeでは活動レポート、CAMPFIREでは活動報告と呼ばれる項目で、実行者がサポーターと応援購入を検討している人にプロジェクトの進捗や良さを発信できる機能です。

プロジェクトページのタブから確認でき、プロジェクトの魅力を伝える重要なコミュニケーションツールとなっています。

CAMPFIREでは投稿すると、プロジェクトの支援者やお気に入りに登録している人にメールで通知されます。CAMPFIREの統計によると、活動報告を3回以上投稿すると、投稿しない時に比べて集まる金額が約2倍になる傾向があります。

応援コメント(Support Comments)

プロジェクトに対してサポーター・支援者が投稿するコメントです。

Makuakeでは、プロジェクトページに応援コメントというセクションがあり、サポーターがプロジェクトへの期待や応援のメッセージを書き込むことができます。このコメントはプロジェクトの信頼性を高め、他の潜在的なサポーターの判断材料にもなります。

お気に入り(Favorites/Bookmark)

プロジェクトをフォローする機能です。Makuakでは気になるボタン、CAMPFIREではお気に入りに登録することができます。

参照:CAMPFIRE

お気に入りに登録すると、プロジェクトに関する通知を受け取れるほか、CAMPFIREでは活動報告が投稿された際にもメールで知らせが届きます。これにより、プロジェクトの進捗を追いかけやすくなり、後日支援に繋がる可能性も高まります。

シェア支援

特にMakuakeで強調されている機能で、プロジェクトをSNSなどでシェアすることで実行者を応援できる仕組みです。

シェアを通じて、プロジェクトの認知を広げ、より多くの潜在的サポーターにプロジェクトを知ってもらうことができます。Makuakeでは、シェア支援リンクを使うと、自分のシェアで何人がプロジェクトを訪問したかを確認することもできます。

おかわり(Repeat Campaign)

同じ商品やサービスで別のクラウドファンディングプラットフォームでプロジェクトを実施することを指します。

例えば、最初にMakuakeでプロジェクトを実施した後、CAMPFIREでも同様のプロジェクトを実施するなどの戦略です。異なるプラットフォームの特性を活かして、より多くの支援を集めることが目的です。

ステータス変更(配送完了)

Makuakeでプロジェクトを実施した際、リターンの発送完了後には管理画面から配送完了に状態を変更する機能です。

この操作はプロジェクト管理において重要で、配送ステータスを更新することで支援者に配送完了を通知し、また一般販売に移行するためのステップとなります。

一般販売(General Sale/Retail Sale)

クラウドファンディングプロジェクト終了後、通常の店舗やECサイトなどで製品を販売することです。

Makuakeでは、リターンの配送完了から3ヶ月間はプロジェクトページに記載の価格より安い価格で販売しないことを約束するよう求めており、一般販売に移行する際の価格設定にも注意が必要です。

プラットフォームとの独占契約(Exclusive Agreement)

クラウドファンディングのプラットフォームと実行者の間で交わされることがある契約の一種で、特定の期間内は他のプラットフォームや販売チャネルでは製品を販売しないという約束です。

例えばMakuakeでは、配送完了までの間はMakuake以外の販路で販売することを禁止しており、配送完了後3ヶ月間はプロジェクトページに記載の価格より安い価格で販売しないことを約束するよう求めています。

メーカーとの独占販売権契約(Exclusive Distribution Rights Agreement)

商品の製造メーカーと交わす契約で、特定の地域(例:日本国内)での独占的な販売権を獲得するものです。

クラウドファンディングにおいて独占販売権を持っていることをアピールすることで、限定性や希少価値を強調でき、支援者の関心を高める効果があります。

知的財産権(特許権、意匠権、著作権、実用新案権、商標権)(Intellectual Property Rights)

クラウドファンディングで新製品やサービスを提供する際に関わる重要な権利です。

5つの知的財産権

特許権
自然法則を利用した新規で高度な技術的発明を保護する権利です。保護期間は出願から20年です。

意匠権
製品の外観デザインを保護する権利で、見た目の美しさや独創性を守ります。保護期間は登録から最長25年です。

著作権
思想や感情を創作的に表現した著作物(文章、音楽、画像など)を保護する権利です。著作者の死後70年まで保護されます。

実用新案権
物品の形状、構造、組み合わせに関する技術的アイデアを保護する権利です。特許より審査が簡単で、保護期間は出願から10年です。

商標権
商品やサービスを区別するためのマークやロゴを保護する権利です。更新することで半永久的に保護が可能です。

PSEマーク・TELEC・食品衛生などの認証(Certification)

製品を安全に販売・流通させるために必要な各種認証です。

各種認証

PSEマーク
電気用品安全法に基づく安全基準に適合していることを示す認証マーク。電気製品の製造・輸入・販売には必須です。

TELEC
電波法に基づく技術基準適合証明。無線機器などの電波を発する製品には必要です。

食品衛生
食品や食品関連製品に関する衛生基準に適合していることを示す認証です。

関税(Customs Duty/Tariff)

関税とは、国境を越えて物品の輸出入が行われる際に、各国政府が課す税金のことです。

主に輸入品に課される輸入関税を指すことが一般的で、海外の製造会社から購入した商品を輸入する際に支払う必要があります。

輸入消費税(Import Consumption Tax)

国際取引で発生する税金の一種で、輸入品に対して課される消費税のことです。

クラウドファンディングで海外から製品を輸入する際、商品価格に加えて輸入消費税がかかることがあります。

国際送料(International Shipping Fee)

海外の商品を購入し、製品を発送する際にかかる送料です。

国際送料は国や地域によって大きく異なり、製品の重量やサイズ、配送方法などによっても変動します。

プロジェクト実行者は国際送料の見積もりを慎重に行い、予算に組み込む必要があります。

クラウドファンディングの実行方法については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

結論(Conclusion)

本用語集を通じて、クラウドファンディングの基本的な仕組みから多様な資金調達タイプ、プロジェクト運営の要点、潜在リスクと対策、そして国内外の主要プラットフォームまで、幅広く解説しました。各プラットフォームが持つ独自のコンセプトや用語も、その特性を理解する上で役立つでしょう。

本記事では、クラウドファンディングの概要的な内容を解説しましたが、プロジェクトの準備や運営には多くの専門的な知識が求められることも事実です。プロジェクトの成功に向けて専門的なアドバイスが必要な方は、ぜひLEAGUEにご相談ください。クラウドファンディングの企画から実施まで、無料でご相談に対応いたします。お気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

【CF NEWS運営担当&ライター】
LEAGUEではクラウドファンディング専門メディアの運営を担当。
プロジェクトページの執筆をはじめ、物販ノウハウを学べる教育用コンテンツの制作など、多角的に情報発信を担っている。
「初心者でも理解しやすく、すぐに実践できる記事づくり」が信条。
読者に寄り添い、わかりやすく丁寧なコンテンツ設計をおこなっている。

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