リターンなしクラウドファンディングで成功したプロジェクトの特徴とコツ

クラウドファンディングを始めたいけれど、リターンを用意するのが難しいと感じている方は多いのではないでしょうか?

クラウドファンディングと言えば、支援者に対して商品やサービスを返すイメージが強いですが、実は「リターンなし」で行うタイプのクラウドファンディングも存在します。

この記事では、リターンなしのクラウドファンディングの概要やそのメリット・デメリット、そして成功するためのポイントについて詳しく紹介します。また、具体的な事例も交えながら、どのようにして支援を集めるのか、その方法と注意点についても触れていきます。

目次

リターンなしのクラウドファンディングとは?

まずはクラウドファンディングの仕組みと、リターンに関する基本的なことについて紹介します。

クラウドファンディングの基本

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人から少額の資金を集め、プロジェクトや事業のための資金を調達する方法です。

クラウドファンディングには、購入型、寄付型、金融型などの種類があり、それぞれの方法で資金を調達する仕組みやリターンが異なります。購入型がもっとも一般的で、支援者に対して何らかのリターン・報酬を提供しています。

クラウドファンディングのリターンとは

クラウドファンディングにおけるリターンとは、支援者が提供した資金に対する見返りとして、プロジェクト実行者が提供する商品やサービスのことです。

例えば、新しい製品を開発するプロジェクトであれば、その製品自体がリターンとなることが一般的です。また、リターンは物品に限らず、イベントの参加権や限定コンテンツのアクセス権など、支援者が価値を感じるものであれば幅広く設定できます。

リターンなしのクラウドファンディングの概要と活動内容

リターンありのクラウドファンディングが一般的に行われている一方で、リターンなしのクラウドファンディングも実施されています。特に寄付型クラウドファンディングは、支援者に対して直接的な見返りを提供しない形式のプロジェクトです。

寄付形式のプロジェクトでは、支援者はプロジェクトの社会的価値や影響に共感し、資金を提供します。リターンなしのクラウドファンディングの目的は、主に社会貢献や非営利活動の支援です。

例えば、リターンなしのクラウドファンディングは環境保護活動、医療支援、災害復興など、公益性の高いプロジェクトが多く見られます。支援者はリターンを期待するのではなく、プロジェクトがもたらす社会的意義に対して支援を行います。

直接的なリターンがない寄付型クラウドファンディングですが、プロジェクトによってはお礼の手紙やメッセージ動画が送られることがあります。

リターンなしのクラウドファンディングのメリットとデメリット

リターンなしのクラウドファンディングには、商品をリターンとして受け取るクラウドファンディングとは異なるメリットとデメリットがあります。支援者からの支援金を「寄付金」として受け取ることにより、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのかを紹介します。

リターンなしのクラウドファンディングのメリット

社会貢献に専念できる

リターンを準備する手間や商品管理・配送コストが不要なため、実行者がプロジェクト自体に集中でき、より大きな社会的インパクトを生み出すことができます。リターンなしのクラウドファンディングは、プロジェクトの目的や理念に共感した支援者からの純粋な支援を得られるため、プロジェクトの実現に向けて全力を尽くすことが可能です。

コスト削減

リターンを準備する手間や商品管理・配送コストが不要なため、資金効率が向上し、集めた資金を全額プロジェクトに活用、プロジェクトの本質的な部分により多くの資金を投入できます。

また、資金が手元にない状態でもクラウドファンディングに取り組むことが可能です。

純粋な支援を得られる

支援者はプロジェクトの目的や理念に共感して支援しているため、プロジェクトへの信頼性が高まります。商品といったわかりやすいリターンがない分、支援者はプロジェクトの社会的意義や影響に対して純粋な関心を持って支援を行います。

広範な支援層にアプローチできる

リターンなしのクラウドファンディングは、社会的な意義や影響力が強いプロジェクトに向いており、幅広い層からの共感と支援を得ることができます。

Web上で完結する迅速なプロジェクト進行

リターンありの場合、在庫管理やサービスの提供などの工数が発生しますが、リターンなしの場合はそのステップを省略できるため、スピーディーにプロジェクトを進めることが可能です。特に、自然災害や難病の治療など、緊急支援が必要なプロジェクトに最適です。

税制上の優遇措置が使える可能性がある

リターンなしのクラウドファンディングには寄付金控除型があり、税制上の優遇措置を受けられる場合があります。対象団体(国、大学、自治体、学校法人、認定NPO、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人)によるプロジェクトは、支援金に対して課税されず、支援者も所得控除や税額控除などの優遇措置を受けられることがあります。

リターンなしのクラウドファンディングのデメリット

支援者の動機付けが難しい

商品などの明確なリターンがないため、支援者に参加したいと感じてもらえるように、プロジェクトの魅力や価値を強く伝える必要があります。プロジェクトの内容には強い社会的意義や説得力が必要であり、具体的な成果を見せることが重要です。

支援の継続性が課題

一度支援を受けた後も、継続的なプロジェクトの進捗状況の報告は重要です。支援者に対する感謝の気持ちやプロジェクトの進捗報告を怠ると、再度の支援を得ることが難しくなります。支援者との関係を維持するためには、定期的なコミュニケーションが不可欠であり、そのためのコストも考慮しなければなりません。

透明性の維持が重要

支援者はリターンがない分、資金の使い道やプロジェクトの進捗に対して高い透明性を求めます。定期的な報告と資金管理の透明性を確保し提示することが必要です。これを怠ると、支援者の信頼を失うリスクがあります。

認知度の低さ

リターンありのクラウドファンディングに比べて一般的な認知度が低いため、支援を募る際により多くの説明が必要となります。プロジェクトの意義を広く伝えるためには、効果的なマーケティングが求められます。SNSでの発信やブログ記事の更新など、外部に向けて情報を発信する必要があります。

税金がかかる場合もある

寄付金控除の対象となる団体は限られており、個人や規定外の法人が行うプロジェクトには税金がかかります。プロジェクトの実行者は、基礎控除額を超える支援金が集まると贈与税が発生するため、課税の義務があります。

開始したら中断することはできない

ALL-in方式を選択した場合、期日内に目標金額を達成しなかったとしても、プロジェクトは実行しなければなりません。そのため、資金が足りない場合の施策を考え、実現可能性を十分に検討するなど、事前の対策が重要です。

リターンなしクラウドファンディングの事例

リターンなしのクラウドファンディングの事例は数多く存在します。今回は国内または国外に向けた事例を3件紹介します。

例1:遺児学生の教育と心のケアをすすめプロジェクト

■プロジェクト名

すべての遺児に教育の機会と心のケアを

非営利の財団法人・一般財団法人あしなが育英会によるプロジェクトです。

病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親に障がいがあり働けない家庭の子どもたちを経済的・精神的に支援しています。

セカンドゴールである700万を達成し、最終的に343人から7,233,280円の寄付が集まりました。

■達成金額

¥7,233,280円

■支援者数

343人

■プロジェクトURL

https://camp-fire.jp/projects/view/272700

例2:バングラデシュの貧困問題の改善に向けたプロジェクト

■プロジェクト名

【コロナで悪化する貧困】バングラデシュの働く少女たちを守りたい

新型コロナ感染拡大により影響を受けた、貧困や児童労働の状況悪化の改善支援プロジェクトです。

感染症拡大による貧困の悪化により苦しむ弱い立場の人々、特に働く少女たちの支援センター運営や児童労働削減アドボカシーなどの活動を継続するための支援を募りました。

当初目標320万円を超えて、最終的に293人から3,506,000円の寄付が集まりました。

■達成金額

¥3,506,000円

■支援者数

293人

■プロジェクトURL

https://camp-fire.jp/projects/view/297344

例3:歴史と文化を守るプロジェクト

■プロジェクト名

地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ

コロナ禍や光熱費、原材料費の高騰によって、国立科学博物館に保管されている標本・資料を収集・保管するための資金難を救うために立ち上げられたプロジェクトです。

最終的に56,584人から916,025,000円の寄付が集まりました。

■達成金額

¥916,025,000円

■支援者数

56,584人

■プロジェクトURL

https://readyfor.jp/projects/kahaku2023cf

リターンなしのクラウドファンディングを成功させるためのポイント

多くの支援者を集めることができたリターンなしのクラウドファンディングには、いくつかの共通点があります。今回は成功するリターンなしのクラウドファンディングのポイントについて紹介します。

明確なストーリーと目的設定

プロジェクトのストーリーと目的を明確に設定することで、支援者に支援する意義を感じてもらうことができます。支援者は、共感できる強いメッセージや社会的意義を感じることで、支援を決意できます。

そのため、プロジェクトの背景や目的、支援金を使って達成したい目標について具体的に説明することが重要です。例えば、「子どもたちの貧困問題を解決して、心のケアと教育支援を行う」など、どのような社会的影響を与えたいのかを詳しく述べることで、支援者の心を動かすことができます。

支援者への感謝と報告の重要性

支援者への感謝と定期的な報告は、リターンなしのクラウドファンディングの成功において非常に重要です。支援者はリターンがない分、プロジェクトの進捗や成果を知ることで、自分の支援がどのように役立っているかを実感します。

感謝の気持ちを伝えるために、個別のメッセージや定期的な進捗報告を行いましょう。これにより、支援者との信頼関係を築き、再度の支援を受けやすくなります。

また、プロジェクトの透明性を高めるためにも、定期的な報告は欠かせません。SNSや活動報告を随時更新するなど、活発に活動している様子を発信しましょう。

少額から支援できる料金設定

多くの人々から支援を集めるためには、500円や1000円といった少額から支援できる料金設定をすることが重要です。小額の支援でも参加しやすい仕組みを作ることで、支援者のハードルを下げることができます。

多くの人々が気軽に支援に参加して支援者数が増えることにより、プロジェクトの認知度も向上し、結果として目標金額に達しやすくなります。多様な支援枠を設定し、支援者に選択肢を提供することが成功への鍵です。

結論(Conclusion)

リターンなしのクラウドファンディングは、社会貢献を重視するプロジェクトにとって非常に有効な手段です。リターンを用意する必要がないため、プロジェクトの本質的な部分に集中でき、支援者からの純粋なサポートを得ることができます。

プロジェクトを成功させるためには、明確なストーリーと目的設定、支援者への感謝と報告の徹底、そして少額から支援できる料金設定が不可欠です。

これらのポイントをしっかりと押さえることで、多くの支援者からの共感と支援を得ることができ、プロジェクトの成功に繋がるでしょう。

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この記事を書いた人

【海外ビジネス・クラウドファンディングの専門家】
MakuakeやGREEN FANDINEGといった主要なクラウドファンディングサイトとの公式パートナー。
プロジェクト平均達成率98%を誇るクラウドファンディングの専門家。
海外のニッチな展示会で日本国内未発表の優良商品を発掘し、ユニークなプロジェクトを企画することが得意。
各プラットフォームの最新情報や成功事例を取り入れた情報を提供します。

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