クラウドファンディングはインターネットを通じて多くの人から少額のお金を集めることによって、プロジェクトや事業のための資金を調達することができます。
クラウドファンディングはプロジェクトを実行する起案者と、お金を出してプロジェクトを応援する支援者にわかれます。では、支援者が受け取るリターンにはどのような種類があるかご存知ですか?
今回はクラウドファンディングの支援者となることで受け取ることができるリターンの種類や、メリットについて解説します。あわせてデメリットについても解説しますので、クラウドファンディングのプロジェクトを選ぶ際の参考にしてください。
クラウドファンディングの種類と支援者が受け取るリターンの違い
一口にクラウドファンディングといっても、商品の先行販売のような形式から寄付のような形式まで様々です。クラウドファンディングのプロジェクトについて大きく3種類に分けることができます。また、得られるリターンについて紹介します。
購入型クラウドファンディング
購入型クラウドファンディングは、最も一般的なクラウドファンディングのタイプです。支援者は金銭によってプロジェクトを支援し、そのリターンとして商品やサービスを受け取ることができます。
例えば、新製品の先行販売プロジェクトでは、支援者は商品を通常よりも早く、場合によっては割引価格で手に入れることができます。また、特別な限定品やプロジェクト限定のグッズなど、支援者だけが手に入れることができる特典もあります。
TourBox Elite
TourBox Eliteはデジタルクリエイターのために生まれたBluetoothソフトウェアコントローラーで、ブラシコントロールや画面の拡大縮小を手軽に行えるように設計されています。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングは、社会貢献性の高いプロジェクトが多く見られる形式です。
このタイプのクラウドファンディングでは、支援者はプロジェクトや活動に対して金銭的な寄付を行いますが、商品やサービスといった明確なリターンはありません。代わりに、支援者はプロジェクトの進捗や成果に関する報告を受けたり、感謝のメッセージを受け取るなどのリターンがあります。支援者にとっては、自身の寄付がどのように役立っているかを知ることができる点が魅力です。
例えば、環境保護活動や人道支援プロジェクトなど、社会に対する貢献を目的としたプロジェクトが多く、この形式を採用しています。
すべての遺児に教育の機会と心のケアを
非営利の財団法人・一般財団法人あしなが育英会によるプロジェクト。病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親に障がいがあり働けない家庭の子どもたちを経済的・精神的に支援しています。
金融型クラウドファンディング
金融型クラウドファンディングは、起案者が支援者からの支援を出資という形で受け取る形式です。支援者はプロジェクトに資金を提供し、その見返りとして金銭的なリターンを受け取ることができます。
具体的には、プロジェクトが成功した場合や一定の利益を上げた場合に、支援者に対して配当金や利益の一部が還元される仕組みです。このタイプのクラウドファンディングは、特にスタートアップ企業や新規事業の立ち上げに利用されることが多く、リスクを伴う一方で、高いリターンを期待できる点が魅力です。
支援者にとっては、資金を提供することで直接的な利益を得られる可能性があることが大きな利点です。
Bank Invoice株式会社
株式投資型のクラウドファンディングサービス・FUNDINNO(ファンディーノ)において、2017年に行った2回の資金調達により、384人(延べ人数)から、合計で7,435万円の資金調達を達成。Bank Invoiceは請求書原本そのものを電子化して共有するソフトを開発、リリースを行いました。
クラウドファンディングは、その形式によって支援者に対するリターンが大きく異なります。購入型、寄付型、金融型の各クラウドファンディングの特徴を理解し、自分に合ったプロジェクトを選ぶことが重要です。
クラウドファンディング・支援者のメリット
クラウドファンディングはプロジェクトの内容や起案者に注目が集まることが多いですが、お金を出して活動を支援する支援者にも多くのメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるか紹介します。
小額からの支援が可能
お金を払うという行為は多くの人にとって抵抗があるかと思います。くわえて見ず知らずの人の活動プロジェクトに対してお金を出すともなると、支援を躊躇してしまう人も少なくないはずです。
クラウドファンディングは数百円・数千円単位から購入できるプロジェクトも存在し、気軽に日常品を購入する感覚で支援できます。
起案者と直接コミュニケーションがとれる
プロジェクトの中には、起案者とコミュニケーションを取れる場が用意されていることもあります。支援者は起案者に対して質問をしたり、応援の想いを伝えることができます。
クラウドファンディングのプラットフォームでは、起案者が調達した資金をどのように使ったかなどを記録として残す、活動レポートが用意されています。支援者は活動レポートを見ることで、プロジェクトが達成される過程を一緒に追いかけることができ、プロジェクトの成長を見守る楽しみを得られます。
社会と繋がる機会づくり
寄付型など社会意義の高いプロジェクトに支援をすることで、普段接点のないような規模が大きなプロジェクトに携わることができます。また、同じプロジェクトを支援する他の支援者と繋がり、共通の目標に向かって協力し合うコミュニティを形成することができます。
クラウドファンディング・支援者のデメリット
クラウドファンディングは魅力的なプロジェクトを支援し、リターンを得ることができる素晴らしい方法ですが、支援する側にもいくつかのデメリットがあります。ここでは、その主なデメリットについて紹介します。
リターンを得られないこともある
クラウドファンディングではお金を支援したからといって、100%の保証があるわけではありません。支援したプロジェクトが実行されなかったり、リターンとして期待していた商品やサービスを受け取れない場合でも、支援金が返ってくるわけではありません。
金融型のクラウドファンディングに関しては、投資としての側面があるため、貸し倒れのリスクがあります。支援した資金が戻ってこない可能性があるため、投資先の選定には十分な注意が必要です。
一度支援すると、基本的にキャンセルすることはできない
クラウドファンディングでは、支援を行なった後のキャンセルは原則不可能とされています。購入型クラウドファンディングの場合は、募集期間中であってもキャンセルは原則不可となっています。
そのため、支援を決定する前に、プロジェクト内容やリスクについてしっかりと検討することが重要です。
プロジェクトが実行されない可能性もある
購入型クラウドファンディングでは、目標金額に達しなくてもプロジェクトが実施される「All-in」方式と、目標金額未達成の場合実施されない「All-or-Nothing」方式の2種類があります。
「All-or-Nothing」方式の場合、支援したとしてもプロジェクトが実行されず、支援金は返ってこないままとなります。このような場合、支援者は期待していたリターンを得られず、支援金も戻ってこないため、慎重な判断が求められます
All or Nothing 型
目標金額設定が必要で、プロジェクト期間内に設定金額に達成すると、プロジェクト実行者は応援購入額を獲得できます。目標金額に達した場合のみ、プロジェクト実行者はリターンを提供する義務が生じます。
一方期間内に目標額に達しなければ、集めた資金は支援者に返金されます。
All in 型
プロジェクト期間内に集めた資金は、目標金額に達しなくてもプロジェクト実行者が全額受け取れます。ただし、プロジェクト実行者は集まった金額にかかわらず、リターンを提供する義務が生じます。
支援者はプロジェクトが目標金額に達しなくても、必ずリターンを得ることになります。
融資先の企業情報が得られない
融資型クラウドファンディングでは、融資先の情報公開が規制されており、融資に関する判断材料が得にくいというデメリットがあります。企業の財務状況や事業計画についての詳細な情報が提供されない場合、支援者はリスクを正確に評価することが難しくなります。
詐欺の可能性もある
各種クラウドファンディングでは、一般的に申請されたプロジェクトに対して審査をおこなっています。そのため、詐欺に合う可能性は低くなっていますが、ゼロというわけでもありません。
プロジェクトの信頼性を確認するために、支援前にプロジェクトチームの過去の実績や他の支援者の評価を確認してください。
プロジェクトの進行が遅れることがある
予定されたスケジュール通りにプロジェクトが進行しないことがあり、リターンが遅れることがあります。これにより、支援者は予定していたリターンを受け取るまでに、長期間待たなければならないことがあります。
結論(Conclusion)
クラウドファンディングでは、商品を購入できる購入型から社会意義の高い寄付型まで存在します。
支援者としてのメリットは、新しい商品やサービスを早期に体験できること、社会貢献の一環としての満足感を得られること、経済的なリターンを得る可能性があることです。しかし、プロジェクトの成功が保証されていないため、リスクが伴うこと、期待通りのリターンが得られないデメリットも存在します。
支援者としてクラウドファンディングを利用する際は、自分自身の価値観や期待に基づいて参加するプロジェクトを選ぶことが重要です。
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